DAOS Tier 2 ストレージの使用を元に戻す
HCL Domino では、現在 Tier 2 ストレージから Tier 1 ストレージへ DAOS オブジェクトを移動するための自動化された方法を提供していません。次のステップで手動で元に戻す方法を説明します。
このタスクについて
ステップ全体は以下の通りです。詳細については詳細手順を参照してください。
- DAOS Tier 2 を無効にします。
- Tier 2 にオブジェクトがあることを確認します。
- すべての Tier 2 オブジェクトを Tier 1 ストレージにコピーします。
- quick resync を実行します。
- DAOS が Tier 2 を参照していないことを確認します。
- Tier 2 オブジェクトを削除します。
- 完全再同期を実行します。
手順
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DAOS Tier 2 ストレージを無効にします。
- サーバー文書の [DAOS] タブで、[DAOS Tier 2] フィールドを無効にします。
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変更を行った Domino サーバーを再起動します。
restart server
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サーバーが起動したら、サーバーコンソールで次のコマンドを入力します。
tell daosmgr status
「DAOS Tier2 is Disabled
」と出力されることを確認します。注: Tier 2 を無効にしても、そこに保存されている既存のオブジェクトはまだ Domino によってダウンロードすることができます。これは、そのオブジェクトインデックスが Tier 2 に保存されているそれらのオブジェクトをまだ認識するためです。ただし、この時点で追加のオブジェクトが Tier 2 にプッシュされることはありません。
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サーバーコンソールで次のコマンドを発行して、Tier 2 に DAOS オブジェクトがあることを確認します。を使用して指定されるためです。
tell daosmgr objectinfo summary
出力が Tier 2 オブジェクトがないことを示した場合は、この手順の残りのステップをスキップします。次の出力例は、32 個の Tier 2 オブジェクトがあることを示します。[1998:0002-082C] DAOS TIERED STORAGE SUMMARY [1998:0002-082C] TIER 1 STORAGE: [1998:0002-082C] OBJECTS - 0 [1998:0002-082C] MB - 0 MB [1998:0002-082C] TIER 2 STORAGE: [1998:0002-082C] OBJECTS - 32 [1998:0002-082C] MB - 70 MB [1998:0002-082C] TOTAL STORAGE : [1998:0002-082C] OBJECTS - 32 [1998:0002-082C] MB - 70 MB [1998:0002-082C] AVERAGE AGE - 1521 days
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すべての Tier 2 オブジェクトを Tier 1 ストレージにコピーします。これらのステップは、インストールおよび設定されている必要がある、AWS CLI (コマンドラインインターフェース) の使用を前提としています。ただし、S3 バックエンドで動作する任意のツールを使用してコピーすることができます。
- プロフィール名を決定します。AWS コマンドラインインターフェース (CLI) は、通常はユーザーのホームディレクトリの下にある ".aws" サブディレクトリ内の "credentials" という名前のファイルから S3 資格情報を取得します。資格情報ファイルには複数の資格情報を含めることができます。各資格情報には、[dominocos] などの角括弧で囲まれたプロフィール名、aws_access_key_id、および aws_secret_access_key が含まれます。[default] 資格情報を使用している場合は、プロフィール名について気にする必要はありません。そうでない場合は、S3 コマンドで正しいプロフィール名を指定する必要があります。
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追加の必須情報を収集するには、サーバーコンソールで次のコマンドを発行します。
tell daosmgr status
コマンド出力から以下の情報を収集します。- ベース Tier 1 ストレージパス: 出力で baseStoragePath として表示されます。
- S3 エンドポイント: 出力で DAOS Tier2 Endpoint として表示されます。AWS S3 を使用しているときはエンドポイントは不要な場合があります。MinIO を使用している場合は、MinIO サーバーのエンドポイント (例: https://10.1.2.3:9000) を使用します。
- S3 バケット: 出力で DAOS Tier2 Bucket として表示されます。
- S3 サーバー ID: 出力で DAOS Tier2 Server ID として表示されます。
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(オプション) すべての Tier 2 オブジェクトを一覧表示するには、次の形式のコマンドを作成します。コマンドの完了には長時間かかる場合があることに注意してください。
aws s3 [--profile <profile-name>] [--endpoint-url <s3-endpoint>] ls s3://<s3-bucket>/obj/<s3-server-id>/<s3-server-id>/ --recursive
注: 大文字小文字がソースパス (Windows システム以外の場合はターゲットパス) と正確に一致する必要があります。例:
2 つのオブジェクトを一覧表示する出力例を示します。実際はこれ以上ある場合が多くあります。aws s3 --profile dominocos ls s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ --recursive
2019-10-09 15:55:02 1777421 obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 040E4598A2A287490B8DD7784FEB7150B876313E001B1D64.nlo 2019-10-09 15:55:01 1771669 obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 0E597BF9C316422FCA869567755CD882C8DCC469001B06EC.nlo
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Tier 2 オブジェクトを Tier 1 にコピーします。任意の DAOS サブコンテナを Domino サーバーの宛先ディレクトリとして選択できます。この例では 0001 と仮定します。次の形式のコマンドを実行します。コマンドの完了には長時間かかる場合があります。
aws s3 [--profile <profile-name>] [--endpoint-url <s3-endpoint>] cp s3://<s3-bucket>/obj/<s3-server-id>/ <s3-server-id>/<base-tier1-storage-path>/0001 --recursive
例:aws s3 --profile dominocos cp s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ C:\Domino\MyServer\Data\DAOS\0001 --recursive
コンソール出力例:download: s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 1FAE990C593D66B44923C1C0E41740F9628DDD170000D902.nlo to .\ 1FAE990C593D66B44923C1C0E41740F9628DDD170000D902.nlo download: s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 11FCA4B81120D5650D67C9427C80D6B8256AFCF30000D902.nlo to .\ 11FCA4B81120D5650D67C9427C80D6B8256AFCF30000D902.nlo
-
サーバーコンソールで次のコマンドを発行して、quick resync を実行します。
tell daosmgr resync quick force
これにより DAOS は Tier 1 および Tier 2 の両方でオブジェクトのインデックスを更新しますが、完全再同期は実行しません。
tell daosmgr status
コマンドを発行すると、結果はcatalogState = RESYNCING
を示します。DAOS はこの状態で動作を続行しますが、削除されたオブジェクトを取り除きません。 -
サーバーコンソールで次のコマンドを発行して、Tier 2 オブジェクトがないことを確認します。
tell daosmgr objectinfo summary
出力は0
個の Tier 2 オブジェクトを示すはずです。例:[1D1C:0002-6170] DAOS TIERED STORAGE SUMMARY [1D1C:0002-6170] TIER 1 STORAGE: [1D1C:0002-6170] OBJECTS - 32 [1D1C:0002-6170] MB - 70 MB [1D1C:0002-6170] TIER 2 STORAGE: [1D1C:0002-6170] OBJECTS - 0 [1D1C:0002-6170] MB - 0 MB [1D1C:0002-6170] TOTAL STORAGE : [1D1C:0002-6170] OBJECTS - 32 [1D1C:0002-6170] MB - 70 MB [1D1C:0002-6170] AVERAGE AGE - 1521 days
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次の形式でコマンドを発行して、Tier 2 オブジェクトを S3 から削除します。このコマンドは、
ls
フラグをrm
で置き換えることを除き、ステップ 3c で Tier 2 オブジェクトを一覧表示するために使用するコマンドと同じです。aws s3 [--profile <profile-name>] [--endpoint-url <s3-endpoint>] rm s3://<s3-bucket>/obj/<s3-server-id>/<s3-server-id>/ --recursive
例:aws s3 --profile dominocos rm s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ --recursive
コンソール出力例:
delete: s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 040E4598A2A287490B8DD7784FEB7150B876313E001B1D64.nlo delete: s3://aws-hcl-dominocos/obj/96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 96A6456FB0F12AE91178C9A8AE0DAB7DB6F1130D/ 11FCA4B81120D5650D67C9427C80D6B8256AFCF30000D902.nlo
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次のいずれかの方法で完全な DAOS の再同期を実行します。
tell daosmgr resync
コマンドを実行するようにスケジュールされている Domino ディレクトリプログラム文書がある場合は、その実行を待機します。- そうでない場合は、サーバーコンソールでコマンド
tell daosmgr resync force
を発行します。完全再同期の完了には長時間かかる場合があるため、営業時間外に実行することをお勧めします。
注: ステップ 4 で発行したtell daosmgr resync quick force
コマンドにより、DAOS にすべての既存のオブジェクトのインデックスがあることが保証されます。ただし、このコマンドによってオブジェクトのすべての参照カウントが正確であることは保証されません。正確な参照カウントには、完全再同期が必要です。これには、すべての DAOS が有効なデータベース内のすべての添付ファイル参照を反復処理することによって 0 からオブジェクトインデックスを再構築することが含まれます。