クラスタのフェイルオーバーを管理する

クラスタを設定するときは、データベースのレプリカを作成しておき、ユーザーがアクセスしようとしているデータベースやサーバーが使用できない場合に自動的に別のレプリカにフェイルオーバーするようにします。

このタスクについて

さらに次の操作のためにフェイルオーバーを意図的に発生させることもできます。

  • サーバーソフトウェアやオペレーティングシステムをアップグレードする
  • サーバーのメンテナンスを行う
  • サーバーを別のサーバーに置き換える

フェイルオーバーを発生させる

このタスクについて

フェイルオーバーを発生させるには、Server_Restricted 設定を使用します。この設定に従って、サーバーは新規のデータベースオープン要求を拒否し、使用制限 (RESTRICTED) 状態に入ります。これにより、新しいユーザーはサーバーにアクセスできなくなります。ただし、サーバーのデータベースに既に接続しているユーザーは、そのまま接続を維持できます。この設定は、サーバーのメンテナンスを行ったり、サーバーをアップグレードしたり、別の理由でサーバーを使用中止にしたりするときに有効です。また、ユーザーがあるサーバーにフェイルオーバーしたとき、それを元のサーバーにフェイルオーバーして戻す場合にも役立ちます。

サーバーが使用制限 (RESTRICTED) 状態にあるとき、クラスタマネージャは、新規のオープン要求をクラスタ内の別のサーバーにリダイレクトします。リダイレクトの試みが失敗すると、メッセージが表示され、ユーザーはサーバーにアクセスできません。リダイレクトを試みるたびに、Domino® はフェイルオーバーイベントを Notes Log に出力します。

注: Server_Restricted 設定は複製に影響を与えません。サーバーが使用制限 (RESTRICTED) 状態の場合でも複製は実行されます。

Domino Administrator から

手順

  1. [設定] タブをクリックします。
  2. タスクペインで [サーバー] を展開し、[設定] をクリックします。
  3. 以下のいずれかを実行します。
    • 目的のサーバーに対してサーバー設定文書が既に存在する場合は、その文書を選択して、[サーバー設定の編集] をクリックします。
    • 目的のサーバーに対してサーバー設定文書がまだ存在しない場合は、[サーバー設定の追加] をクリックして、[基本] タブの [グループ/サーバー名] フィールドにサーバー名を追加します。
  4. [NOTES.INI 設定] タブをクリックします。
  5. [パラメータの設定/編集] をクリックします。
  6. [アイテム] フィールドで SERVER_RESTRICTED を選択、または入力します。
  7. [値] フィールドに 0、1、2 を入力します。これらの数値の意味は、次のとおりです。

    0 - サーバーアクセスが制限されません。

    1 - サーバーは現在のサーバーセッションのみで使用制限 (RESTRICTED) 状態になります。サーバーを再起動すると設定はクリアされる

    2 - 再起動した後でもサーバーは使用制限 (RESTRICTED) 状態になります。

  8. [追加] をクリックし、[OK] をクリックします。
  9. [保存して閉じる] をクリックします。

Web サーバー管理クライアントで操作する

手順

  1. [設定] タブをクリックします。
  2. タスクペインで [サーバー] を展開し、[設定] をクリックします。
  3. 以下のいずれかを実行します。
    • 目的のサーバーに対してサーバー設定文書が既に存在する場合は、その文書を開いて、[サーバー設定の編集] をクリックします。
    • 目的のサーバーに対してサーバー設定文書がまだ存在しない場合は、[サーバー設定の追加] をクリックして、[基本] タブの [グループ/サーバー名] フィールドにサーバー名を追加します。
  4. [NOTES.INI 設定] タブをクリックします。
  5. [パラメータの設定/編集] をクリックします。
  6. [有効パラメータ] ボックスで SERVER_RESTRICTED をクリックし、[追加] をクリックします。
  7. [値] フィールドに 0、1、2 を入力します。これらの数値の意味は、次のとおりです。

    0 - サーバーアクセスが制限されません。

    1 - サーバーは現在のサーバーセッションのみで使用制限 (RESTRICTED) 状態になります。サーバーを再起動すると設定はクリアされる

    2 - 再起動した後でもサーバーは使用制限 (RESTRICTED) 状態になります。

  8. [OK] をクリックしてから、[保存して閉じる] をクリックします。

サーバーコンソールで操作する

このタスクについて

サーバーコンソールから次の Domino コマンドを送信します。

set config server_restricted=n

n は 1、2、3 のいずれかで、次の処理を指定する数字です。

0 - サーバーアクセスが制限されません。

1 - サーバーは現在のサーバーセッションのみで使用制限 (RESTRICTED) 状態になります。サーバーを再起動すると設定はクリアされる

2 - 再起動した後でもサーバーは使用制限 (RESTRICTED) 状態になります。

ユーザー全員が既存のセッションを終了するまで待たずにサーバーの使用を制限しようとする場合は、サーバーを使用制限 (RESTRICTED) 状態にしてからコンソールで Drop All コマンドを入力します。Drop All コマンドは、サーバー上の既存のセッションをすべて終了します。ユーザーが使用していたデータベースを再度開こうとしたとき、別のサーバーが使用可能であれば、そのサーバーにフェイルオーバーします。

クラスタサーバーを別のサーバーに置き換える

このタスクについて

クラスタサーバーを別のサーバーに置き換えることができます。任意の Domino サーバーで Server_Restricted 設定を使用できます。これはクラスタに限定されていません。

手順

  1. 新しいサーバーに Domino を設定します。
  2. そのサーバーを使用制限 (RESTRICTED) 状態にして、クラスタ内でアクティブになるまで、ユーザーがそのサーバーにはアクセスできないようにします。
  3. 新しいサーバーで必要なレプリカを作成します。
  4. 新しいサーバーをクラスタに追加します。
  5. 新しいサーバーがクラスタ内でアクティブになった後で、そのサーバーの使用制限を解除して、以前のサーバーを使用制限 (RESTRICTED) 状態にします。

    これによりユーザーの要求は新しいサーバーにフェイルオーバーするため、ユーザーの使用を中断せずに以前のサーバーを削除できるようになります。

  6. 以前のサーバーをクラスタから削除します。

フェイルオーバーを管理するその他の方法

このタスクについて

サーバーを使用制限 (RESTRICTED) 状態かビジー (BUSY) 状態に設定した後に再度オンライン状態に戻し、そのサーバーをユーザーのフェイルオーバー先にする場合には、ユーザーがそれまでフェイルオーバーしてきたサーバーを使用制限 (RESTRICTED) 状態かビジー (BUSY) 状態にすることができます。

サーバーを別のサーバーのバックアップとして設定することもできます。この場合、バックアップとして使用するサーバーの可用性限界値を 100 に設定して、そのサーバーが常にビジーになるようにします。これは使用制限 (RESTRICTED) 状態に似ています。ただし、ビジー (BUSY) 状態のサーバーは、他のレプリカがすべて使用できない場合には、新規のオープン要求を受け入れますが、使用制限 (RESTRICTED) 状態のサーバーは、要求を一切受け入れないという点が異なります。これによりバックアップサーバーは、一次サーバーが使用できなくなったときにのみデータベースを開く要求を受け入れることになります。