CentOS ダウンロード・キャッシャー R2 を使用すると、隔離された環境で CentOS パッチをダウンロードし、キャッシュに入れることができます。このツールは、「CentOS6 プラグイン R2 向けパッチ (Patches for CentOS6 Plugin R2)」サイトおよび「CentOS7 プラグイン R2 向けパッチ (Patches for CentOS7 Plugin R2)」サイトをサポートします。
CentOS ダウンロード・キャッシャー R2 は、http://mirror.centos.org および http://vault.centos.org にアクセスして、更新用のパッケージをダウンロードします。ダウンロード・エラーを回避するため、リストされているホストでのトラフィックを許可するようにホワイトリスト、ファイアウォール、またはプロキシーを構成してください。
CentOS ダウンロード・キャッシャー R2 は、Windows システムまたは Linux システム上で実行できます。要件については、「BigFix 10.0 - System Requirements」を参照してください。
最新の CentOS ダウンロード・キャッシャー R2 は、以下の BigFix サポート・サイトから入手できます。
説明のために、このセクションでは、Windows での CentOS ダウンロード・キャッシャー R2 の実行手順を示します。ただし、CentOS ダウンロード・キャッシャー R2 を実行するためのパラメーターとサブコマンドは、Windows システムでも Linux システムでも同じです。
ツール
CentOSR2DownloadCacher.exe により、追加の操作を実行することができます。このツールをコマンド・プロンプトから実行するには、以下のコマンドを使用します。
CentOSR2DownloadCacher.exe [-h] [parameters...] {subcommand} [subparameters...]
各コマンドの説明。
-h
-
コマンドを実行せずに、そのコマンドのヘルプ・メッセージを表示するよう指定します。
- parameters
- ダウンロード・キャッシャーを構成するために使用するオプションのパラメーターを指定します。
-
- --proxyServer
- 使用するプロキシー・サーバーの URL を指定します。これは、プロトコルとホスト名を含む整形式の URL でなければなりません。この URL は通常、プロキシー・サーバーの IP アドレスまたは DNS 名とそのポートを、コロンで区切ったものです。例: http://192.168.100.10:8080
- --proxyUser
- プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシー・ユーザー名を指定します。
- --proxyPass
- プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシーのパスワードを指定します。
- 基本認証のみがサポートされています。
- --download_dir
- リポジトリー・メタデータ・ファイルがキャッシュされるディレクトリーを指定します。
- このパラメーターが定義されていない場合は、ダウンロード・キャッシャーの実行可能ディレクトリーを基準とした相対ディレクトリーにファイルがダウンロードされます。
- キャッシュされたファイルを使用するように CentOS ダウンロード・プラグイン R2 を構成できます。これは、
localCache ファイルに plugin.ini を設定することで行います。
- --sha1_download_dir
- パッケージを sha1 のファイル名で単一のフラット・ディレクトリーにキャッシュする場合のディレクトリーを指定します。キャッシャーは、すべてのリポジトリー (キー) からのすべてのパッケージを、指定されたディレクトリーにファイルとしてダウンロードします。
- パッケージのみが
sha1_download_dir に保管されます。各リポジトリー・メタデータは、download_dir に保管され、CentOS リポジトリーのディレクトリー構造が維持されます。
--sha1_download_dir サブコマンドで check-storagereq を使用することで、スペース節約のベンチマークが設定されます。--sha1_download_dir を使用することで、同じ CentOS バージョンの複数のリポジトリーをキャッシュする際のストレージ・サイズ、ダウンロード・サイズ、および時間が大幅に削減されます。これは、同じ CentOS バージョン (たとえば、centos-6.8-x64、centos-6.7-x64、centos-6.6-x64) のリポジトリー間で、多くのパッケージが重複しているためです。CentOS バージョン (たとえば、centos-6.8-x64、centos-7.1-x64) ごとにリポジトリーを 1 つだけキャッシュする場合、スペースは節約されません。
-
注: このパラメーターを使用する場合は、BigFix サーバーの sha1 ファイル・フォルダーのキャッシュ制限を考慮してください。
- --redownload
- RPM ファイルを再ダウンロードして、ダウンロード・ディレクトリー内の既存の RPM ファイルを上書きすることを示すフラグを指定します。
- このパラメーターが定義されていない場合は、RPM ファイルが再ダウンロードされません。ただし、メタデータはデフォルトでダウンロードされ上書きされます。
- --verifyExistingPkgChecksum
- 「buildRepo」、「downloadPkg」、または「downloadbypatchid」の各サブコマンドを使用してパッケージのダウンロードを試みる際に、既存の RPM ファイルにチェックサム・チェックを強制するフラグを指定します。
注: チェックサムは、デフォルトで「オフ」に設定されています。
- --loglevel
- ログ・レベルを指定します。「DEBUG」、「INFO」、「WARNING」、または「ERROR」の中から選択できます。デフォルトでは、この値は「INFO」に設定されています。
- INFO
- ダウンロードの進行状況とダウンロードの成功に関する一般情報が、最小限のトレース情報とともに出力されます。
- WARNING
- ダウンロードの失敗と、失敗の理由に関する情報が出力されます。
- ERROR
- ダウンロード・プラグインの実行に関連するエラーが出力されます。このようなエラーは、致命的エラーが発生する直前であることを示している場合があります。
- DEBUG
- 問題のトラブルシューティングに使用される詳細情報が出力されます。これは、使用可能なレベルの中で最も詳細なレベルです。
- --help
-
コマンドを実行せずに、そのコマンドの完全な説明とヘルプを表示するよう指定します。
- subcommand subparameter
- ダウンロード・キャッシャーを実行するために使用するサブコマンドとサブパラメーターを指定します。
注: サブコマンドとサブパラメーターの名前では、大/小文字が区別されます。
- subparameter は以下のように subcommand によって異なります。
-
- check-baserepos
- BigFix でサポートされる CentOS 基本リポジトリーにアクセスできるかどうかを検査します。結果はコマンド・プロンプトに表示され、<cacher directory>\logs\CentOSR2DownloadCacher.log ファイルに格納されます。
- check-allrepos
- BigFix でサポートされる CentOS 基本リポジトリーおよびサブリポジトリーにアクセスできるかどうかを検査します。結果はコマンド・プロンプトに表示され、<cacher directory>\logs\CentOSR2DownloadCacher.log ファイルに格納されます。
- check-storagereq
builRepo コマンドで --sha1_download_dir オプションを指定する場合と指定しない場合のストレージ・スペース所要量を調べます。結果はコマンド・プロンプトに表示され、<cacher directory>\logs\CentOSR2DownloadCacher.log ファイルに格納されます。
- showKeys
- サポートされるリポジトリーの OS キーのリストを <cacher directory>\logs\CentOSR2DownloadCacher.log ファイルに出力します。OS キーは、単一 CentOS リポジトリーの CentOS オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを示します。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir <download_dir>
[parameters] showsKeys
例: CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir C:\downloads showKeys
- buildRepo
- 指定された OS キーに基づいて、ローカルのミラー・リポジトリーを作成し、すべての関連ファイルをダウンロードします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir <download_dir>
--sha1_download_dir <sha1_download_dir> [parameters]
buildRepo --key <OS_key1,OS_key2,…>
例: CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir C:\downloads --sha1_download_dir C:\sha1_downloads buildRepo --key centos-7-x64, centos-6-x32, centos-6.8-x32
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- CentOS オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>
例えば、--key centos-7-x64 です。
- downloadMetadataOnly
- 指定された OS キーのメタデータをダウンロードします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir <download_dir>
[parameters] downloadMetadataOnly --key <OS_key1,OS_key2,…>
例:CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir C:\downloads downloadMetadataOnly
--key centos-7-x64
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- CentOS オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>
例えば、--key centos-7-x64 です。
- downloadPkg
- 指定された OS キーのリストされた RPM ファイルをダウンロードします。
注: ダウンロードするパッケージに依存関係がある場合は、代わりに buildrepo を使用して依存関係の問題を回避することをお勧めします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir <download_dir>
[parameters] downloadPkg --key <OS_key1,OS_key2…>
--pkg <pkg1,pkg2,…>
例:CentOSR2DownloadCacher.exe --download_dir C:\temp --redownload downloadPkg
--key centos-7-x64 --pkg python-qrcode-core-5.0.1-1.el7.noarch.rpm
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- CentOS オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>
例えば、--key python-qrcode-core-5.0.1-1.el7.noarch.rpm です。
- --pkg pkg1,pkg2,…
- パッケージ名を示します。
- 各項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。例えば、
--pkg liblcms1-1.17-77.12.1.x86_64.rpm,liblcms1-32bit-1.17-77.12.1.x86_64.rpm です。