メールをモニターするためのツール
Domino® には、メールをモニターする際に使用できる 3 種類のツールがあります。メッセージトラッキングを使用すれば、特定のメールメッセージをトラッキングして指定した受信者がメッセージを受信したかどうかを確認できます。メール使用状況レポートは、メールの問題を解決し、メールネットワークの効率を改善するために必要な情報を提供します。メール調査は、メールルートに関するテストを行い統計を収集します。
メールメッセージをトラッキングする
Domino システム管理者とユーザーは、どちらもメールをトラッキングできます。ユーザーは自分が送信したメッセージのみトラッキングできます。システム管理者はあらゆるユーザーが送信したメールをトラッキングできます。
メールトラッキングを設定するとき、Domino で記録する情報の種類を指定できます。例えば、Domino では、ある一定のユーザーについてはメッセージトラッキング情報を記録しないように指定したり、特定のユーザーが送信したメッセージの件名行を記録しないように指定できます。
Mail Tracker Collector (MTC) タスクでは、ルーターが作成した特殊なメールトラッキングログファイル (MTC ファイル) が読み込まれ、それらのログファイルから一定のメッセージング情報が MailTracker Store データベース (MTSTORE.NSF) にコピーされます。Domino MailTracker Store データベースは、サーバーでメールのトラッキングを有効にすると自動的に作成されます。メッセージトラッキング要求またはメール使用状況レポートの作成を実行して、システム管理者またはユーザーが特定のメッセージを検索する場合、Domino によって Domino MailTracker Store データベースで情報が検索されます。
メールトラッキングの仕組み
- Notes® クライアントまたは Domino Administrator クライアントから、特定のメッセージが指定した宛先に到着したかどうか、配信が失敗した場合はどこに到着したかを判断するための照会をユーザーが作成します。
- メールトラッキングプログラムが開始して、メッセージの発信元のサーバーから配信パスをトレースします。発信元のサーバーでメッセージが見つからないと、自動的に、ルート上の次のサーバーでトラッキングが継続されます。
- ルートの終わりまで、「次のサーバー」に対して手順 2 が繰り返されます。個々のサーバーでのメッセージの処理に関する詳しい情報が提供されます。
- トラッキングの照会が完了すると、ユーザーは結果からメッセージを選択して、送信ステータスを確認できます。
表 1. 考えられる送信ステータスの値 送信ステータス
意味
送信完了
メッセージがサーバーのメールボックスに配信されました。メールファイルのステータスは、メッセージが [既読]、[未読]、[削除] のいずれであるかを示します。メールファイルのステータスがこの 3 つ以外の場合は、[不明] と表示されます。
未送信
サーバーによるメールファイルへのメッセージの配信に失敗しました。指定した受信者が存在しないか、サーバーのディスクがいっぱいになった可能性があります。
送信中
ルーターによりメッセージが処理されています。
転送完了
ルーターによる次の中継フィールドで指定されたサーバーへのメッセージの送信が成功しました。
未転送
ルーターによる別のサーバーへのメッセージ転送に失敗しました。
グループ展開
メッセージにあるグループのアドレスが指定され、そのグループがこのサーバーで展開されました。
不明
サーバーにあるメッセージのステータスを判別できません。
メール使用状況レポートを作成する
時間がたつと、Domino MailTracker Store データベース (MTSTORE.NSF) には、サーバーのメッセージ配信パターンに関する貴重なデータが集積されます。このデータを基にメール使用状況レポートを作成すると便利です。例えば、最近のメッセージング使用状況、メッセージ数、個別の使用状況、使用頻度が非常に高いメッセージルートなどのレポートを作成できます。レポートデータベース (REPORTS.NSF) を使用して、メール使用状況レポートを作成、保存できます。通常は、サーバーを設定するとレポートデータベースが自動的に作成されます。
メール使用状況レポートには重要な情報があるため、この情報を利用して問題を解決したりメールネットワークの効率を改善したりできます。メールネットワークの変更や拡張を計画している場合も、この情報は役立ちます。例えば、指定された期間 (1 日、1 週間、1 カ月など) に最も多くのメールを受信した 25 のユーザーを示すレポートや、ある一定の間隔に指定されたユーザーが送信したメールの数を示すレポートを作成できます。この情報によって、メールシステムを誤って使用しているユーザーを特定できます。また、最も使用頻度の高い中継点の前後を示すレポートを作成すると、メール使用ポリシーに沿ってメールが使用されているかどうかを判断できます。
レポートデータベースに保存されているエージェントを使用して、システム管理者は 1 回限り、毎日、毎週、毎月のスケジュールをレポートに設定できます。デフォルトでは、Domino では指定した間隔 (毎日、毎週、毎月) で深夜にレポートが作成されます。レポートの照会が実行されると、アクティブなレポートエージェントは、Domino MailTracker Store データベースに収集されたデータを調べて、結果を示すレポートを作成します。レポートを設定して、結果をレポートデータベースに保存することも、1 人以上のシステム管理者に送信することもできます。保存されるレポートは、レポートデータベースで複数の異なるビューの下に分類されます。送信されても、保存されていないレポートは、レポートデータベースに追加されません。
レポートデータベースを使用して、サーバーのメール使用状況を分析できます。データベースのビューには、前に保存されているレポートが日付、スケジュール、レポートの種類、ユーザー別に表示されます。間隔を指定してスケジュールを設定したレポートもすべて表示されます。
メール配信イベントジェネレータ
メールネットワークをモニターするには、メールルートでテストし統計を収集するようメール配信イベントジェネレータを設定します。