隔離された環境で SUSE のパッチをダウンロードしてキャッシュするには、SUSE Customer Center (SCC) ダウンロード・キャッシャーを使用します。このツールは、「SLE 12 ネイティブ・ツール向けパッチ (Patches for SLE 12 Native Tools)」、「SLE 12 on System z 向けパッチ (Patches for SLE 12 on System z)」、「SLE 11 ネイティブ・ツール向けパッチ (Patches for SLE 11 Native Tools)」、および「SLE 11 on System z ネイティブ・ツール向けパッチ (Patches for SLE 11 on System z Native Tools)」の各サイトをサポートします。
SCC ダウンロード・キャッシャーは、以下の URL にアクセスします。
- https://scc.suse.com:443
- https://updates.suse.com:443
- http://sync.bigfix.com:80
注: ダウンロード・エラーが発生しないように、ホワイトリスト、ファイアウォール、またはプロキシーが、リストされているホストおよびポートでのトラフィックを許可するように構成してください。
SCC ダウンロード・キャッシャーは、Windows システムまたは Linux システム上で実行できます。詳しくは、次を参照してください: https://help.hcl-software.com/bigfix/10.0/platform/Platform/Installation/c_spcr_platform.html
最新の SCC ダウンロード・キャッシャーは、BigFix サポート・サイトから入手できます。
注: このセクションでは、説明のために、Windows で SCC ダウンロード・キャッシャーを実行するためのステップを示します。ただし、SCC ダウンロード・キャッシャーを実行するためのパラメーターとサブコマンドは、Windows でも Linux でも同じです。
ツール
SCCDownloadCacher.exe により、追加の操作を実行することができます。このツールをコマンド・プロンプトから実行するには、以下のコマンドを使用します。
SCCDownloadCacher.exe [-h] --mirrorUser <username> --mirrorPass <base64_encoded_password>
[parameters...] {subcommand} [-h] [subparameters...]
各コマンドの説明。
-h
-
コマンドを実行せずに、そのコマンドのヘルプ・メッセージを表示するよう指定します。
- --mirrorUser username
- SCC のミラー・ユーザー名を指定します。この値は必須です。
-
- --mirrorPass password
- SCC のミラー・パスワードを指定します。この値は base64 でエンコードされている必要があります。
- parameters
- ダウンロード・キャッシャーを構成するために使用するオプションのパラメーターを指定します。
-
- --proxyServer
- 使用するプロキシー・サーバーの URL を指定します。これは、プロトコルとホスト名を含む整形式の URL でなければなりません。この URL は通常、プロキシー・サーバーの IP アドレスまたは DNS 名とそのポートを、コロンで区切ったものです。例: http://192.168.100.10:8080
- --proxyUser
- プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシー・ユーザー名を指定します。通常、これはフォーム domain\username 内にあります。
- --proxyPass
- プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシーのパスワードを指定します。
- 基本認証のみがサポートされています。プロキシーが Transport Layer Security (TLS) プロトコルで動作するように構成されていることを確認してください。
- --download_dir
- ファイルのキャッシュ先ディレクトリーを指定します。
- このパラメーターが定義されていない場合は、ダウンロード・キャッシャーの実行可能ディレクトリーを基準とした相対ディレクトリーにファイルがダウンロードされます。
- --sha1_download_dir
- ファイルが sha1 のファイル名を使用して単一のフラット・ディレクトリーにキャッシュされるディレクトリーを指定します。キャッシャーは、すべてのリポジトリー (キー) からのすべてのパッケージを、指定されたディレクトリーにファイルとしてダウンロードします。
- パッケージのみが sha1_download_dir に保管されます。各リポジトリー・メタデータは、download_dir に保管され、SUSE リポジトリーのディレクトリー構造が維持されます。
-
注: このパラメーターを使用する場合は、BigFix サーバーの sha1 ファイル・フォルダーのキャッシュ制限を考慮してください。
- check-storagereq サブコマンドで --sha1_download_dir を使用することで、スペース節約のベンチマークが設定されます。--sha1_download_dir を使用することで、同じ SUSE バージョンの複数のリポジトリーをキャッシュする際のストレージ・サイズ、ダウンロード・サイズ、および時間が大幅に削減されます。これは、同じ SUSE バージョンを持つリポジトリー (たとえば、sles-12-x86_64-sp2、sles-12-x86_64-sp1、sled-12-x86_64-sp1 など) 間で多くのパッケージが重複するためです。SUSE バージョンごとに 1 つのリポジトリーのみキャッシュする場合 (たとえば、sles-12-x86_64-sp2、 sles-11-x86_64-sp2 など)、スペースは節約されません。
- サンプル結果:
SCCDownloadCacher.exe --mirrorUser username --mirrorPass base64_encoded_password
check-storagereq --key sles-12-x86_64-sp2,sles-12-x86_64-sp1,sled-12-x86_64-sp1
For Repo Keys: ['sles-12-x86_64-sp2', 'sles-12-x86_64-sp1', 'sled-12-x86_64-sp1']
Total Repo Metadata size:
150 MB
Total Packages count: With sha1 (Without sha1)
13219 (22015)
Total Packages size: With sha1 (Without sha1)
37 GB (61 GB)
Total Repo Metadata & Packages size: With sha1 (Without sha1)
37 GB (61 GB) [39 % saved]
- --redownload
- RPM ファイルを再ダウンロードして、ダウンロード・ディレクトリー内の既存の RPM ファイルを上書きすることを示すフラグを指定します。
- このパラメーターが定義されていない場合は、RPM ファイルが再ダウンロードされません。ただし、メタデータはデフォルトでダウンロードされ上書きされます。
- --redownload
- RPM ファイルを再ダウンロードして、ダウンロード・ディレクトリー内の既存の RPM ファイルを上書きすることを示すフラグを指定します。
- このパラメーターが定義されていない場合は、RPM ファイルが再ダウンロードされません。ただし、メタデータはデフォルトでダウンロードされ上書きされます。
- --help
-
コマンドを実行せずに、そのコマンドの完全な説明とヘルプを表示するよう指定します。
- subcommand subparameter
- ダウンロード・キャッシャーを実行するために使用するサブコマンドとサブパラメーターを指定します。
注: サブコマンドとサブパラメーターの名前では、大/小文字が区別されます。
- subparameter は以下のように subcommand によって異なります。
- showKeys
- サポートされるリポジトリーの OS キーのリストを <cacher directory>\logs\SCCDownloadCacher.log ファイルに出力します。OS キーは、単一の SUSE リポジトリーの SUSE オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを示します。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
SCCDownloadCacher.exe --mirrorUser <username> --mirrorPass <base64_encoded_password>
[parameters] showKeys
- buildRepo
- 指定された OS キーに基づいて、ローカルのミラー・リポジトリーを作成し、すべての関連ファイルをダウンロードします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
SCCDownloadCacher.exe --mirrorUser <username> --mirrorPass <base64_encoded_password>
[parameters] buildRepo --key <OS_key1,OS_key2,…>
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- SUSE オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
例えば、--key sles-12-x86_64-sp0,sles-11-x86-sp4 です。
- downloadMetadataOnly
- 指定された OS キーのメタデータをダウンロードします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
SCCDownloadCacher.exe --mirrorUser <username> --mirrorPass <base64_encoded_password>
[parameters] downloadMetadataOnly --key <OS_key1,OS_key2,…>
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- SUSE オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
例えば、--key sles-12-x86_64-sp0,sles-11-x86-sp4 です。
- downloadPkg
- 指定された OS キーのリストされた RPM ファイルをダウンロードします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
SCCDownloadCacher.exe --mirrorUser <username> --mirrorPass <base64_encoded_password>
[parameters] downloadPkg --key <OS_key1,OS_key2,…> --pkg <pkg1,pkg2…>
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- SUSE オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
例えば、--key sles-12-x86_64-sp0,sles-11-x86-sp4 です。
- --pkg pkg1,pkg2,…
- パッケージ名を示します。
- 各項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。例えば、
--pkg liblcms1-1.17-77.12.1.x86_64.rpm,liblcms1-32bit-1.17-77.12.1.x86_64.rpm です。
- downloadByPatchId
- パッチ ID に基づいて 1 つ以上の OS キーのファイルをダウンロードします。
- このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
SCCDownloadCacher.exe --mirrorUser <username> --mirrorPass <base64_encoded_password>
[parameters] downloadByPatchId --key <OS_key1,OS_key2,…>
--patch_id <patch_id1,patch_id2…>
- 各コマンドの説明。
- --key OS_key1,OS_key2,…
- SUSE オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
例えば、--key sles-12-x86_64-sp0,sles-11-x86-sp4 です。
- --patch_id patch_id1,patch_id2,…
- Fixlet のパッチ ID (Fixlet タイトルの最初の 6 桁) を示します。
- 各項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。例えば、
--patch_id 100601,100602 です。