ホーム Sametime サーバーへのユーザーの割り当て

このトピックでは、ホーム Sametime サーバー設定の概念、その目的、使用方法、構成について説明します。

このタスクについて

ホーム Sametime サーバーの設定とは

Sametime サーバーが複数ある環境では、ホーム Sametime サーバー設定によって、特定のサーバーまたはクラスタにログインするようユーザーに強制されます。

ホーム Sametime サーバー設定は、ディレクトリー内のユーザーのユーザー・レコードのフィールドまたは属性です。ユーザーの連絡先リストがある Sametime サーバーの名前またはクラスタ名を定義します。「ホーム Sametime サーバー」フィールドを構成すると、クライアントで設定した Sametime サーバーのホスト名に関係なく、ユーザーは常にホーム・サーバーまたはクラスタにリダイレクトされます。一部のユーザー・データがサーバー上にあるため、このリダイレクトにより一貫性のあるエクスペリエンスがユーザーに提示されます。

この設定の目的

サーバーから取得したユーザー・データには、ポリシー、管理対象設定、連絡先リスト、プライバシー設定、永続的なチャット・データが含まれます。このデータはログイン時に取得され、ユーザーがアクセスを許可されている機能を判別し、永続的なチャット・データを提供します。

自身のデータが存在しないサーバーにユーザーがログインしようとすると、ホーム Sametime サーバーが使用されていない場合、この重要なデータは欠落します。ユーザーが正しいポリシーを受け取らない可能性があります。クラスタ環境では、このデータは各クラスタ・メンバーに複製されます。スタンドアロンのサーバー環境 (クラスタ化されていない Sametime サーバー) では、このデータは複製されません。

設定を使用するケース

この設定は、このデータを共有しない複数の Sametime サーバーがある環境でのみ必要です。Sametime サーバーが 1 つのみ、または Sametime サーバーのクラスタが 1 つの環境の場合、この設定は不要です。

この設定を使用して、Sametime コミュニティーへのユーザーのアクセスを禁止できます。デフォルトでは、ディレクトリー設定 (LDAP ディレクトリーまたはネイティブ Domino ディレクトリー) で定義されているユーザーはすべて Sametime にアクセスできます。サーバーへのアクセスを禁止するために、「ホーム Sametime サーバー」フィールドを実装して、ユーザー・アクセスを拒否する「アクセス権なし」などの値を含めることができます。

設定が適用された場合の動作

この設定の動作例を以下に示します。

スタンドアロン・サーバーの場合:  

「ホーム Sametime サーバー」の値が server1 に設定されている場合、ユーザーが server2 にログインしようとすると、 server2 は仮想的にログインを server1 にリダイレクトします。次に、ユーザーは server1 から自分のデータ (ポリシー、プライバシーなど) を取得します。この場合、2 つのサーバーはポート 1516 を使用して接続する必要があります。ユーザーのホーム Sametime サーバーがダウンしている場合、ユーザーはログインできません。

クラスタの場合:

「ホーム Sametime サーバー」の値が cluster1 に設定されている場合、ユーザーが cluster2 のメンバーにログインしようとすると、ユーザーは cluster1 のクラスタ・メンバーのいずれかにリダイレクトされます。

アクセス拒否の場合:  

「ホーム Sametime サーバー」の値が有効な Sametime サーバー名またはクラスタ名以外の値に設定されている場合、サーバーはユーザーのログインを許可しません。

ホーム Sametime サーバー設定の実装

ネイティブの Domino ディレクトリーの場合、ユーザーのユーザー文書を開き、基本タブで Sametime サーバーの Domino 名を「Sametime サーバー」フィールドに追加します。クラスタが使用されている場合は、Stconfig.nsf CommunityCluster 文書で定義されている Sametime クラスタの名前を入力します。すべてのユーザー文書が更新されたら手順は完了です。

LDAP ディレクトリーの場合:  

LDAP ディレクトリーの場合、LDAP ディレクトリーの各ユーザーのユーザー・エントリ内には、ユーザーのホーム Sametime コミュニティー・サーバーを指定するための属性が存在している必要があります。以下のいずれかを実行できます。  
  • 各ユーザーのホーム Sametime サーバーの名前を保持するために、LDAP ディレクトリーに新しい属性を追加します。追加した属性は、LDAP ディレクトリー内のすべての Sametime ユーザーのユーザー・エントリ内に存在する必要があります。
  • この目的のために、各 Sametime ユーザーのユーザー・エントリ内に存在する属性を使用します。

LDAP ディレクトリーの手順:

手順

  1. HCL Notes クライアントか Administrator クライアントを起動します。
  2. 「開く」 > 「アプリケーション」 > 「アプリケーションを開く」をクリックします。
    • サーバー・フィールドに Sametime サーバーの名前を入力します。
    • ファイル名フィールドに「“stconfig.nsf”」と入力します。
    • 「開く」をクリックします。
  3. [LDAP] セクションまで画面を下にスクロールして、LDAPServer 文書をダブルクリックして開きます。
  4. 文書内をダブルクリックして編集モードにします。
  5. 文書の下部までスクロールし、LDAP サーバーの ホーム Sametime サーバーの値を含む属性の名前を「ホーム Sametime サーバー」フィールドに入力します。
  6. LDAPServer 文書を保存して閉じます。
  7. 変更内容を有効にするには、サーバーを再始動してください。