コミュニティーサービス

このトピックでは、Sametime コミュニティー サービスの高可用性機能とデプロイメント・シナリオの例について説明します。

コミュニティーの概念

Sametime コミュニティー には、スタンドアロン・サーバーまたはクラスタ・サーバーを設定できます。コミュニティーに複数のスタンドアロン・サーバーかクラスタ・サーバーを含めて冗長性を確保できます。単一コミュニティー内の複数のクラスタもサポートされています。Sametime コミュニティー の一部であり、同じディレクトリーを共有している他のすべての Sametime サーバーへのネットワーク接続 (ポート 1516) をすべてのサーバーが持っている必要があります。これはフル・メッシュ・トポロジーと呼ばれます。

スタンドアロンのサーバー環境では、サーバーはクラスタ化されません。ユーザーは他の Sametime サーバーへのログインを許可されません。ユーザーの連絡先リスト (バディリスト) は 1 つの Sametime サーバーに保存されます。Sametime サーバーが使用できない場合、ユーザーは Sametime にログインできません。

Sametime サーバーをクラスタ化するとともに、ユーザーとのフロントエンド接続を行うネットワーキング・デバイスを使用することで高可用性を実現できます。ロード・バランサー、IP-Sprayer、ラウンド・ロビン DNS などのネットワーキング・デバイスは、クラスタのメンバー間でロード・バランシングを行う場合にも使用できます。あるクラスタ・メンバーが使用不可になった場合、ネットワーキング・デバイスはユーザーを別のクラスタ・メンバーにリダイレクトします。基本的なヘルス・チェックを実行してサーバーがアップまたはダウンしていることをチェックできるロード・バランサーをおすすめします。

例 1:ロード・バランサーがある Sametime クラスタ。



Domino クラスタリング

Sametime コミュニティー・サーバーは Domino サーバー上にインストールされます。クラスタリングを構成すると Domino クラスタも構成されます。1 つの Domino クラスタに含められるクラスタ・メンバーは最大で 6 つであり、同じ制限が Sametime にも適用されます。

クラスタ・メンバーは併置する必要があります。また、広域ネットワークを使用したクラスタリングは推奨されません。各 Domino サーバーを同じ Domino ドメイン内に配置する必要はありません。ただし、相互認証を受け、すべての Sametime サーバー文書にアクセスして Domino サーバー・ポート 1352 で接続できる必要があります。

スタンドアロン Sametime マルチプレクサー (大容量用)

高可用性に加えて、Sametime は「スタンドアロン Mux」とも呼ばれるスタンドアロンの Sametime マルチプレクサーを追加することで大容量をサポートします。スタンドアロン Mux は、stmux.exe をホストし、コミュニティー・サーバーへのフロント・エンド接続を行うサーバーです。1 つのマルチプレクサーで最大 20,000 のクライアント接続をサポートできます。複数のスタンドアロン Mux がデプロイされている場合、コミュニティー・サーバーは最大 100,000 のクライアント接続をサポートできます。さらに、スタンドアロン Mux では Sametime サーバーのクラスタをサポートすることで、大容量、高可用性、フェイルオーバーを実現できます。

例 2: スタンドアロン Mux がある Sametime クラスタ



フェイルオーバーに関する考慮事項

クラスタにデプロイするサーバーの数を計画する際はフェールオーバーの状況を考慮してください。1 つのサーバーで障害が発生し、すべてのトラフィックを残りのクラスタ・メンバーにリダイレクトする必要がある場合は、このイベントを処理するために残りのサーバーに十分な容量が必要です。