SMTP メッセージの受信確認を Domino が処理できるようにする

Notes® メールユーザーがメッセージを別の Notes ユーザーに送信して [受信確認] 配信オプションを選択した場合、メールクライアントによって Notes ReturnReceipt 項目がメッセージに追加されます。Notes メールメッセージの ReturnReceipt 項目は、受信者がメッセージを開いたときに受信者の Notes クライアントが送信者への通知 (受信確認) を生成するように要求します。

このタスクについて

デフォルトでは、Notes 受信確認は、SMTP メッセージと互換性はありません。SMTP メッセージは MIME ヘッダーを使用して受信確認要求を識別します。Notes メッセージが MIME に変換されたり、MIME が Notes に変換される場合に、受信確認をシームレスに機能させるため、2 つの形式間の変換を実行するように Domino® を設定する必要があります。

受信確認を有効にすると、Domino はインバウンド SMTP メールの受信確認要求に従い、アウトバウンド SMTP メールに受信確認要求を追加します。インバウンドメッセージでは、メッセージを配信する前に Domino によって MIME 受信確認ヘッダーが Notes「ReadReceipt」要求に変換されます。アウトバウンドインターネットメールでは、Domino によって Notes 受信確認要求が [受信確認サポート] フィールドで指定された MIME ヘッダーにマッピングされます。

開封確認を要求するために使用できる MIME ヘッダーは 2 つあります。Notes 受信確認要求を MIME 受信確認要求に変換するときに、Domino でアウトバウンドメールにどちらのヘッダーを使用するか指定できます。[Return-Receipt-To] ヘッダーは古い方法で、[Disposition-Notification-To] ヘッダーは新しい、推奨される方法です。組織からのメールの送信先システムの大多数がサポートしている方法を選択します。受信確認が機能するには、使用されるヘッダーを受信側サーバーとクライアントの両方がサポートしている必要があります。最新のメールクライアントでは古いヘッダーはサポートされていないこともあります。

受信確認を無効にすると、Domino でインバウンド SMTP メールの [Return-Receipt-To] または [Disposition-Notification-To] ヘッダーは無視され、送信者に受信確認は返されません。受信確認の Notes クライアント要求も対応する MIME ヘッダーフィールドに変換されません。

注: 受信確認サポートを無効にすると、SMTP メッセージにのみ影響します。Notes 配信を使用して送信される内部メッセージは、受信確認の処理を続行します。

システム内の受信確認を有効にしても、ユーザーが要求するたびに受信確認を受け取るとは限りません。インターネットメールの仕様では、サーバーまたはクライアントは受信確認要求に従う必要はありません。受信者のサーバーが要求に従わない場合、要求は無視されます。一般的に、独自の内部受信確認機能を提供する LAN ベースのメールシステムを持つ大規模な組織では SMTP を介した受信確認が実装されていますが、Web ベースのメールシステムなど商用インターネットメールシステムではそのように実装されていない傾向があります。

IMAP または POP クライアントから受信確認を要求する

このタスクについて

サーバーで受信確認を無効にしても、Notes クライアント以外のクライアントには影響ありません。ユーザーが Microsoft™ Outlook などの IMAP または POP クライアントから送信されたメッセージの受信確認を要求する場合、クライアントは適切な MIME ヘッダー (ヘッダーの [Return-Receipt-To] または [Disposition-Notification-To] フィールド) を生成します。Domino は、受信確認要求からメッセージをストリップしません。Domino では、アウトバウンドメッセージの既存の MIME ヘッダーはそのままになり、受信側のサーバーにメッセージを配信したときに確認を送信するように求める MIME メッセージが送信されます。

受信確認を有効にするには

手順

  1. 設定するサーバーのサーバー設定文書が既に存在することを確認します。
  2. Domino Administrator で、[設定] タブをクリックし、[メッセージング] セクションを展開します。
  3. [設定] をクリックします。
  4. 管理するメールサーバーのサーバー設定文書を選択し、[サーバー設定の編集] をクリックします。
  5. [MIME] > [変換オプション] > [一般] タブをクリックします。
  6. 以下のフィールドに入力し、[保存して閉じる] をクリックします。
    表 1. MIME メッセージの [受信確認] フィールド
    フィールド 説明
    受信確認 新しく作成したグループのオプションとして、
    • [有効] - メールの送信者に、受信確認を許可します。
    • [無効] - メールの送信者に、受信確認を禁止します。
    受信確認サポート 新しく作成したグループのオプションとして、
    • [Disposition-Notification-To を使用] - (デフォルト) 受信確認要求を含むアウトバウンド Notes メッセージを MIME 形式に変換する場合、Notes ReturnReceipt 項目が MIME ヘッダー項目 Disposition-Notification-To に変換されます。
    • [Return-Receipt-To を使用] - 受信確認要求を含むアウトバウンド Notes メッセージを MIME 形式に変換する場合、Notes ReturnReceipt 項目が MIME ヘッダー項目 Return-Receipt-To に変換されます。
    注: このフィールドは、[受信確認] フィールドを有効にしたときにだけ表示されます。
  7. 変更内容が有効になるのは、次にルーターの設定を更新した後です。新しい設定を直ちに有効にするには、配信設定を再ロードします。