SAP ライセンス・メトリック使用状況の収集

9.2.9 から使用可能です。SAP Metric Data Collector により、BigFix Inventory の SAP ABAP ベースの製品のライセンス・メトリック使用状況を表示することができます。このシナリオでは、使用状況データは、中央 SAP システムから取得され、BigFix Inventory にアップロードされ、「リソース使用状況」レポートに表示されます。

始める前に

  • SAP Metric Data Collector は任意のコンピューターにインストールできます。必ずしも BigFix Inventory サーバーまたは SAP がインストールされているコンピューターでなくてもかまいません。ただし、そのコンピューターは以下の要件を満たしている必要があります。
    • Windows x86 (64 ビット) または Red Hat Linux x86 (64 ビット) で稼働している。Linux バージョンでは unzip 実行可能ファイルが必要です。
    • 少なくとも 250 MB の空きディスク・スペースがある。
    • SAP License Administration Workbench (LAW) 内の使用状況データを統合する中央 SAP システムに RFC 経由で接続できる。
  • SAP ランドスケープが以下の基準を満たしていることを確認してください。
    • 中央 SAP システムに統合されているライセンス・データは最新のものです。
    • LAW または LAW 2.0 のエンドツーエンド機能を実行する権限持つユーザー・アカウントが、中央 SAP システムに存在します。
    • ライセンス使用状況データは、LAW または LAW 2.0 のいずれかを使用して処理できます。

このタスクについて

SAP ABAP ベース製品では、ソフトウェア・パッケージおよび Named User という 2 つのタイプのライセンスで構成されるライセンス・モデルが使用されます。

SAP システムは、SAP ライセンス・メトリック使用状況を測定します。SAP ランドスケープ内のすべての SAP システムからの測定値が、中央の SAP に転送され、単一の LAW レポートに結合されます。SAP Metric Data Collector はこのレポートを収集するために、中央 SAP システム上にある SAP License Administration Workbench (LAW) との RFC 接続を確立します。このレポートのライセンス・メトリック使用状況に関する情報は、「リソース使用状況」レポートの BigFix Inventory に表示されます。


この画面は SAP 使用状況のデータ・フローを示しています。

9.2.12 License Administration Workbench 2.0 のサポート

LAW 2.0を使用すると、エンジン使用状況の情報を手動で宣言できます。SAP Metric Data Collector はこれらの自己宣言した詳細情報も取得します。

LAW 2.0 により、複数の統合の作成と保管が可能になります。SAP Metric Data Collector は、現在の統合が統合されたステータスの場合は、その統合を使用します。現在の統合が適用できない場合は、ツールは最後に変更された完了した統合を取得します。完了した統合は、SAP または閉じた状況に送信される必要があります。

SAP Metric Data Collector は、LAW および LAW 2.0 をサポートしています。両方のバージョンが中央 SAP システムにインストールされている場合は、SAP Metric Data Collector は LAW 2.0 設定で RFC アクションの対象を確認することによって、使用する LAW のインスタンスを決定します。

手順

  1. SAP Metric Data Collector をインストールします。
    1. BigFix コンソールにログインします。
    2. ナビゲーション・バーで、「サイト」 > 「外部サイト」 > BigFix Inventory > 「Fixlets とタスク」をクリックします。
    3. 右上のペインで、SAP Metric Data Collector のインストール」を選択し、「アクションの実行」をクリックします。
    4. SAP Metric Data Collector をインストールするコンピューターを選択し、「OK」をクリックします。
  2. 64 ビット・バージョンの SAP Java Connector を http://support.sap.com/en/product/connectors.html からダウンロードします。それを SAP Metric Data Collectorのインストール先コンピューター上の以下のディレクトリーに解凍します。
    • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/lib/sapjco3
    • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\lib\sapjco3
    パッケージに含まれる以下のファイルは、SAP 使用状況の収集に必須のファイルです。
    • Linux sapjco3.jarlibsapjco3.so
    • Windows sapjco3.jarsapjco3.dll
    これらのファイルが sapjco3 ディレクトリーに直接入れられていることを確認します。
    注: SAP S のユーザー ID とパスワードを使用して http://support.sap.com/en/product/connectors.html にログインします。
  3. LAW 2.0 を使用している場合は、中央 SAP システム上に SAP Metric Data Collector とともに配信される ABAP プラグインをインストールします。
    1. 以下のファイルを SAP Metric Data Collector インストール・ディレクトリーからコピーします。
      • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/trans/cofiles/K900041.BF1
      • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\trans\cofiles\K900041.BF1
    2. SAP が中央 SAP システム上にインストールされているディレクトリー内の trans/cofiles ディレクトリーにファイルを貼り付けます。
    3. 以下のファイルを SAP Metric Data Collector インストール・ディレクトリーからコピーします。
      • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/trans/data/R900041.BF1
      • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\trans\data\R900041.BF1
    4. SAP が中央 SAP システム上にインストールされているディレクトリー内の trans/data ディレクトリーにファイルを貼り付けます。
    5. 中央 SAP システムで STMS SAP t-code を実行し、着信トランスポート要求をインポートします。必要に応じて、「無効なコンポーネント・バージョンを無視する」オプションを選択します。インポート後に、トランスポート・ログを調べて、正常に実行されたことを確認します。
  4. SAP Metric Data Collector を手動で構成します。template.sapsystem ファイルを使用して、ランドスケープ内の中央 SAP システムを定義する <host_name>.sapsystem ファイルを作成します。
    重要: template.sapsystem ファイルは config ディレクトリーから削除しないでください。
    1. 以下のディレクトリーにある template.sapsystem ファイルを開きます。
      • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/config
      • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\config
    2. <host_name>.sapsystem ディレクトリー内に config という名前でこのファイルを保存します。このテンプレートは上書きしないでください。
    3. すべてのパラメーターを指定し、このファイルを保存します。詳しくは、こちらを参照してください: SAP Metric Data Collectorの構成パラメーター
  5. SAP Metric Data Collector の構成を完了するには、以下のディレクトリーにある saptool_config.properties ファイルを編集します。
    • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/config
    • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\config
    1. landscape_name パラメーターを指定してください。ランドスケープ名は、「リソース使用状況」レポートの「インスタンス」列に表示されます。
    2. 計測をトリガーせずにデータを収集するには、skip_measurements パラメーターの値を true に設定してファイルを保存します。測定を自動化するには、以下を参照してください。SAP ライセンス・メトリック使用状況の測定および収集

      この構成について詳しくは、以下を参照してください。SAP Metric Data Collectorの構成パラメーター

  6. オプション: SAP への接続、および構成ファイルで提供されたデータの正確性をテストするには、-testconnection パラメーターを指定して次のスクリプトを実行します。
    • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/saptool.sh -testconnection
    • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\saptool.bat -testconnection
    接続のテスト以外に、-testconnection パラメーターでは SAP ユーザー・アカウントのパスワードが暗号化されます。接続テストを実行しない場合、パスワードは SAP Metric Data Collectorの実行時に暗号化されます。
    接続テストが正常に行われたかどうかを確認するには、次のディレクトリーにある trace.log ファイル内の戻りコードを調べます。
    • Linux /var/opt/BESClient/LMT/SAPTOOL/logs
    • Windows C:\Program Files (x86)\BigFix Enterprise\BES Client\LMT\SAPTOOL\logs
    このログ・ファイルに示されている戻りコードは、SAP Metric Data Collector 情報分析でのコードと異なる可能性があります。この分析では接続テストについての戻りコードは返されません。戻りコードの詳細および戻りコードの意味については、以下を参照してください。SAP Metric Data Collector のトラブルシューティング
  7. SAP メトリック・データの収集を開始します。
    1. BigFix コンソールにログインします。
    2. ナビゲーション・バーで、「サイト」 > 「外部サイト」 > BigFix Inventory > 「Fixlets とタスク」をクリックします。
    3. 右上のペインで、「SAP メトリック・データの収集の開始」を選択し、「アクションの実行」をクリックします。
    4. SAP Metric Data Collector がインストールされているコンピューターを選択し、「OK」をクリックします。
      ヒント: デフォルトでは、「SAP メトリック・データの収集の開始」Fixlet は 30 日間隔で実行されるようにスケジュールされています。この Fixlet が使用状況データの収集を開始します。収集は、Fixlet の完了後もまだ進行していることがあります。

      この Fixlet が定期的に実行されるようにスケジュールするには、この Fixlet を選択し、「アクションの実行」をクリックして「実行」タブに移動します。「このアクションを再適用する」チェック・ボックスを選択し、頻度を指定します。

      いずれかの時点における SAP メトリック・データ収集の状況を確認するには、SAP Metric Data Collector 情報分析をアクティブにします。

  8. ソフトウェア・スキャンが有効になっていて、自動的に実行されることを確認します。自動で行われない場合は、手動でソフトウェア・スキャンを実行します。「リソース使用状況のスキャン」を選択します。
  9. スキャン結果が自動的にアップロードされることを確認します。自動で行われない場合は、BigFix サーバーに手動で結果をアップロードします。
  10. データを BigFix Inventory で使用できるようにするために、スケジュールされたデータ・インポートの実行を待つか、手動でデータ・インポートを実行します。

タスクの結果

「リソース使用状況」レポートにライセンス・メトリック使用状況データが表示されます。このレポートには以下のメトリックが表示されます。
  • Named User メトリック
  • ソフトウェア・パッケージ・ライセンスに関連するその他のメトリック
SAP 監査レポートには、指定された期間中のメトリック、または期間を指定しない場合のメトリックが報告されます。BigFix Inventory ではこれらのメトリックが以下のように報告されます。
  • 指定された期間中の SAP によるメトリックが報告される場合、BigFix Inventory ではその期間中について、このメトリックが報告されます。
  • 期間の指定がないときに SAP によるメトリックが報告される場合、BigFix Inventory では、SAP メトリック・データの前回の収集以降の期間について、このメトリックが報告されます。
  • 期間の指定がないときに SAP によるメトリックが報告される場合に、SAP メトリック・データの収集が初めてであれば、BigFix Inventory では過去 30 日について、このメトリックが報告されます。