拡張ディレクトリカタログ

拡張ディレクトリカタログを使用するようにサーバーを設定できます。拡張ディレクトリカタログは、PUBNAMES.NTF テンプレートから作成します。このテンプレートは、Domino® ディレクトリを作成するために使用するテンプレートと同じものです。拡張ディレクトリカタログは、Domino® ディレクトリの利点と要約ディレクトリカタログの利点を併せ持ったものです。拡張ディレクトリカタログは、要約ディレクトリカタログと同じように、複数の Domino® ディレクトリにあるエントリを単一のディレクトリデータベースに集約します。しかし、Domino® ディレクトリで使用可能な個別文書と複数のソートされたビューを保持しており、高速な名前参照を可能にしています。

注: このリリースの Domino® では、サーバーでの要約ディレクトリカタログの使用はサポートされていません。

複数のビュー

拡張ディレクトリカタログは、Domino® ディレクトリと同じ設計であるため、さまざまな方法で名前をソートする複数のビューを持ちます。サーバーは、拡張ディレクトリカタログにあるビューを使用すれば、形式に関係なく、名前を高速検索できます。
注: 一方、要約ディレクトリカタログでは、参照に使用するビューが 1 つあり、そのソート方法は、ビューの設定時に選択します。選択したソートの順番と対応しない名前を要約ディレクトリカタログで参照する場合、サーバーは全文索引を使用してその名前を検索します。これは、ビューの検索より時間がかかります。

メールを配信するサーバーで拡張ディレクトリカタログを使用すると、特に効果的です。これは、メールサーバーで複数のビューを使用して、アドレス形式に関係なく、アドレスを高速検索できるためです。

クライアント上に要約ディレクトリカタログを持つ Notes® ユーザーがグループにメールを送信する場合、そのグループのメンバーがクライアントのディレクトリカタログに含まれていないと、サーバーが要約ディレクトリカタログを全文検索してメンバーを参照する際に、遅延が発生する可能性があります。メールサーバーで拡張ディレクトリカタログが使用されていれば、グループへのメール送信時の遅延は問題にはなりません。

容易なアプリケーションアクセス

アプリケーションから拡張ディレクトリカタログの情報にアクセスすることは、Domino® ディレクトリの情報にアクセスする場合と同様に容易です。
注: アプリケーションから要約ディレクトリカタログへのアクセスには、集約文書の性質とビュー数による制限があります。

全社ディレクトリの複数ビュー表示

ユーザーは、拡張ディレクトリカタログを開き、全社ディレクトリを、エントリタイプでソートした複数のビューで表示できます。
注: 要約ディレクトリカタログでは、さまざまなタイプのエントリを表示するビューは 1 つのみです。

データベース認証のためのグループ

サーバーでデータベースアクセスの認証に使用できるグループは、1 次 Domino® ディレクトリにあるものの他は、[ディレクトリアシスタント] データベースで設定されている 1 つのディレクトリにあるもののみです。この用途に拡張ディレクトリカタログを使用すると、サーバーは実質的に、そのディレクトリカタログに集約されている任意の 2 次 Domino® ディレクトリにあるグループをデータベースのアクセス制御に使用できます。

リモート参照

サーバーでは、拡張ディレクトリカタログの検索にディレクトリアシスタントを使用します。したがって、拡張ディレクトリカタログの複製先は 2 つ程度の戦略サーバーのみとして、[ディレクトリアシスタント] データベースがそれらのサーバーを指すようにしておく必要があります。ディレクトリカタログのあるレプリカが使用不能になったときにサーバーが代替レプリカを使用できるように、フェイルオーバーを設定できます。

管理者による再構築の制御

ディレクトリカタログを再構築すると、集約された既存の情報はすべて削除され、ソース Domino® ディレクトリから情報が再集約されます。この処理には時間がかかるため、Dircat タスクでは、管理者の指示がある場合にのみ拡張ディレクトリカタログを再構築します。これに対し、要約ディレクトリカタログの設定文書にある大多数のフィールドを変更すると、Dircat タスクがトリガされてディレクトリカタログが自動的に再構築されます。

拡張 ACL と LDAP のアクセス制御設定

拡張 ACL を使用すると、拡張ディレクトリカタログへのデータベースアクセスを全体的に調整できます。たとえば、機密情報を持つフィールドや、名前階層の特定部分に関連付けられた文書全体、その他へのアクセスを拒否できます。拡張ディレクトリカタログ上の拡張 ACL は、個々のソース Domino® ディレクトリ上に設定されたすべての拡張 ACL から独立しています。

また、拡張ディレクトリカタログ内に設定文書を作成し、その文書にある [LDAP] タブのアクセス制御設定を使用して、ディレクトリカタログに対する、匿名の LDAP 検索アクセスを制御できます。

注: これらのアクセス制御機能は、要約ディレクトリカタログには使用できません。

ネイティブ文書

拡張ディレクトリカタログには Dircat タスク処理を通じて文書を集約できるだけでなく、文書を手動で追加することもできます。このようにデータベースで作成された「ネイティブな」文書は、Dircat タスク処理の影響を受けません。
注: ネイティブな文書を要約ディレクトリカタログに追加することはできません。

全文索引の利点

拡張ディレクトリカタログには複数のソートされたビューがあるため、通常の参照には全文索引は不要です。これにより、使用するディスク容量を抑えることができます。ただし、LDAP サービスで拡張ディレクトリカタログを使用して処理する検索で、名前およびメールアドレス以外の情報に基づく検索フィルタを使用する場合は、全文索引が必要です。

注: 要約ディレクトリカタログでは、必ず全文索引が必要です。
拡張ディレクトリカタログに全文索引を作成すると、ユーザーは Notes® クライアントからそのディレクトリカタログを全文検索できます。
注: Notes® クライアントから要約ディレクトリカタログの全文検索を実行することはできません。

1 つのサーバーで複数のカタログを使用する

1 つのサーバーで複数の拡張ディレクトリカタログを使用できます。たとえば、インターネットクライアントの認証で信頼されるディレクトリを集約するカタログや、クライアントの認証で信頼されないディレクトリを集約するカタログです。

1 次 Domino® ディレクトリへの統合

拡張ディレクトリカタログの設計は Domino® ディレクトリと同じであるため、拡張ディレクトリカタログをドメインの 1 次 Domino® ディレクトリに直接構築できます。これによって、企業全体に関する情報を 1 つのディレクトリに格納できます。

サーバー文書

サーバー文書を拡張ディレクトリカタログに集約できます。