パススルーサーバーとハントグループ
パススルーはサーバー上で実行されるプロセスで、ユーザーと、そのサーバーや他のサーバーに接続している各サーバーとの間の接続を確立します。パススルー接続は、2 台のサーバー間を接続するための「飛び石」として中間サーバーを使用します。
パススルーは次のような 2 つの状況に役立ちます。
- 2 台のサーバーが直接接続するとき -- クライアント (この場合は HCLNotes® クライアントまたは HCLDomino® サーバー) が受信側サーバーと共通のプロトコルを使用しないときは、両方のプロトコルを実行する中間サーバーをパススルーサーバーとして設定し、クライアントが受信側サーバーに接続できるようにします。たとえば、NetBIOS だけを実行するサーバー A が TCP/IP だけを実行するサーバー C と接続する必要があるとします。この場合、サーバー B が NetBIOS と TCP/IP の両方を実行していれば、サーバー B はパススルーサーバーとなって、サーバー A とサーバー C 間の通信を可能にできます。
- セキュリティを強化するとき -- Domino では、パススルー接続に追加のアクセス制御を適用できるため、NRPC トラフィックをフィルタするためのプロキシサーバーとして機能するパススルー接続を使用できます。パススルーの宛先としてサーバーにアクセスできるユーザーやサーバーを指定することも、サーバーを使用して別のサーバーへのパススルー接続を行うユーザーやサーバーを指定することもできます。HTTP、IMAP、LDAP などのインターネットプロトコルは、Domino パススルーサーバーを使用して宛先サーバーと通信することができません。
パススルーサーバーを設定して、追加のパススルーサーバーに導くことも、パススルー宛先サーバーに直接導くこともできます。したがって、複数のパススルー接続をつなぎ合わせることで、クライアントは特定の受信側サーバーに接続するまで、複数のサーバーを通過できるようになります。
パススルーアクセスは、Notes クライアントのユーザーにとっても便利なものです。Notes クライアントにパススルーサーバーへのアクセスを提供すると、クライアントのユーザーは単一のサーバーにアクセスするだけで他のネットワークサーバーにアクセスできるようになります。リモートユーザーは、これによって単一の電話接続を経由して同じ LAN 上の複数の受信側サーバーにアクセスできるようになります。このようにパススルーサーバーを使用すると、モデム接続をサポートするよう多数のサーバーを個々に設定したり、複数のサーバーにアクセスできるよう Notes クライアントから何度も電話呼び出しをするための時間や費用を節約できます。
パススルーログ
セキュリティを確保するためにパススルートラフィックをモニターできるようにするには、サーバーをパススルーサーバーとして設定した後に、サーバーログ (LOG.NSF) がそのサーバーを経由して確立されているパススルーセッションに関する情報を記録します。たとえば、ログは他のサーバーへのパススルー接続を行うためにこのサーバーにアクセスするユーザーに関する情報を記録します。
ハントグループ
通信インフラストラクチャがハントグループという、同じ電話番号を使用する複数の電話回線に接続されているモデム群をサポートしている場合、Domino サーバーや Notes クライアントを設定して、パススルーサーバーのハントグループに接続することができます。ハントグループの番号が呼び出されると、受信コールはグループ内の最初の使用可能なモデムに経路指定されます。
ハントグループは 1 台以上のパススルーサーバーと一緒に使用できます。複数のパススルーサーバーがハントグループ内にあるときは、ハントグループ内のパススルーサーバーがコールを受信し、それを受信側サーバーに経路指定できるようにするために、送信側のサーバーまたはユーザーはハントグループ接続文書を使用する必要があります。