サーバー間のダイヤルアップ ISP 接続を調整する
2 つの地理的に離れているサーバーがどちらもインターネットに接続されている場合は、インターネット接続を使用してデータベースの複製やメールの配信ができます。両方のサーバーがインターネットに常時接続している場合、これらのタスクは簡単にスケジュールできます。ただし、どちらかのサーバーのインターネット接続が断続的である場合、たとえば 1 台のサーバーがダイヤルアップで ISP に接続している場合は、両方のサーバーが利用できるときにタスクをスケジュールするのが難しくなります。
このタスクについて
ダイレクトダイヤルアップモデム (X.PC)接続は、リリース 8.5 より前の Domino® のみで使用できます。Domino Administrator クライアントをダイヤルアップモデムの設定と管理に引き続き使用することができます。ただし、8.5 より前のリリースを実行しているサーバーに限られます。すべてのリリースで、Microsoft™ の Dialup Networking (DUN) またはリモートアクセスサービス (RAS) によりネットワークダイヤルアップ接続を引き続き使用することができます。
ダイヤルアップスケジュールの調整を自動化するために、HCLDomino では AutoDialer 接続を作成できるようになっています。AutoDialer 接続は、2 つの接続文書をリンクします。一方の接続文書は、送信側サーバーが複製またはメール配信のタスクを開始するタイミングを制御し、もう一方の接続文書は、受信側サーバーが ISP にダイヤルアップしてインターネット接続を確立するタイミングを制御します。両方のサーバーの AutoDialer タスクは、送信側サーバーの接続文書に設定されているタスクスケジュールを追跡し、送信側サーバーからの要求の受信に間に合うようにオンラインになるよう受信側サーバーに指示します。
送信側サーバーは受信側サーバーの IP アドレスを使用して接続を確立します。これには静的な IP アドレスが必要であるため、受信側サーバーの ISP は静的な IP アドレスを提供する必要があります。つまり、サーバーが ISP に接続するたびに同じ IP アドレスをサーバーに割り当てる必要があります。
AutoDialer の接続では、モデム接続ポートに指定されているタイムアウト設定が考慮されます。接続が指定されている期間アイドル状態になっている場合、Domino は接続を閉じます。
複製を有効にするには、次の手順に従って 2 台のサーバー用の AutoDialer 接続を作成します。
手順
- 受信側サーバー Pluto から ISP へのネットワークダイヤルアップ接続文書を作成し、ローカルの電話番号を使用して、Pluto を ISP に接続する方法に関する情報を提供します。
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Pluto から ISP への接続文書で、次の手順を実行します。
- AutoDialer を有効にし、Jupiter との複製が予定されている時刻の 3 分前に Pluto が ISP へのダイヤルアップを開始するよう指定します。
- AutoDialer 接続に PlanetReplication という名前を割り当てます。
- 送信側サーバー Jupiter から Pluto への LAN 接続文書を作成し、Jupiter が Pluto に接続する方法に関する情報を提供します。
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Jupiter から Pluto への LAN 接続文書で、次の手順を実行します。
- [追加ネットワークアドレス] フィールドに Pluto の IP アドレスを指定します。これにより、Jupiter がインターネット上で Pluto を見つけることが可能になります。
- AutoDialer を有効にし、Pluto から ISP への接続文書の AutoDialer 接続と同じ名前 (PlanetReplication) をこの文書の AutoDialer 接続に割り当てます。この名前により、2 つの文書がリンクされます。
- Jupiter から Pluto への接続文書で、複製が 10:00 AM に始まるようにスケジュールを設定します。
- 両方の文書を保存したら、Domino ディレクトリを複製して、両方のサーバーが変更を認識できるようにする必要があります。送信先サーバー (Pluto) から ISP にダイヤルし、サーバーコンソールから複製コマンドを発行して 2 台のサーバー間で Domino ディレクトリを複製します。
- AutoDialer タスクを NOTES.INI ファイルの ServerTasks 項目に追加して、Pluto で AutoDialer タスクを開始します。
タスクの結果
Domino によって使用可能な接続文書が検索され、「PlanetReplication」という AutoDialer 接続名を含む接続文書を探します。一致する文書が見つかると、Domino によって Pluto が ISP にダイヤルアップ接続して Jupiter からの複製要求に応答する時刻が計算され、このスケジュールが Pluto から ISP への接続文書に設定されます。この例では、Pluto はグリニッジ標準時と -08:00 の時差を持つタイムゾーンにあるため、現地時間で 6:57 AM に ISP にダイヤルアップ接続し、グリニッジ標準時と -05:00 の時差を持つタイムゾーンにある Jupiter が現時時間で 10:00 AM に複製を開始する 3 分前にオンラインになる必要があります。
6:57 AM に Pluto の AutoDialer は、ダイヤルアップ情報を Pluto から ISP への接続文書に要求し、ISP にダイヤルします。その 3 分後、Jupiter はインターネットを経由して複製要求を Pluto に送信します。