レプリカ
データベースのレプリカを作成すると、ロケーション、ネットワーク、タイムゾーンが異なるユーザーが 1 つのデータベースを使用できます。
すべてのレプリカは、データベースが初めて作成されるときに割り当てられる 1 つのレプリカ ID を共有します。レプリカ ID が同じであれば、次のような場合でも、レプリカ間での複製が可能です。2 つのレプリカのファイル名が違う場合、各レプリカに別々の文書が含まれる場合、データベースの設計が異なる場合などです。
データベースの別のレプリカの文書を追加、編集、削除すると、レプリカの内容が一致しなくなります。レプリカの内容をすべて一致させるには、接続文書を使用してレプリカがあるサーバー間の複製スケジュールを設定します。こうすると、複数のサイトやチームやユーザーが 1 つのデータベースを変更でき、そのデータベースにアクセスできるユーザーすべてが、その変更内容を共有できます。また、レプリカを使用して複製スケジュールを設定することで、ネットワークトラフィックを軽減できます。データベースのレプリカが唯一保存されている 1 台の中央サーバーに、ユーザーはわざわざ接続する必要はありません。その代わりに、ローカルサーバーに保存されているそのデータベースのレプリカにアクセスします。
このように分散されたレプリカは、異なる Domino® サーバーをホストとする Web サイトである場合もあります。複数の Domino サーバーで複数の Web サイトを運用すると、ユーザーは、インターネット経由で重要なアプリケーションにアクセスするときに、1 台のサーバーだけに頼らないで済みます。1 台のサーバーが利用できなくても、他のサーバーのレプリカにアクセスできます。レプリカを使用すると、Web サイトの設計を継続的に管理しやすくなります。1 台のサーバーに準備用 Web サイトを設定し、ここで新しいページの設計とテストを行います。変更した設計のテストが完了し、公開できる状態になったら、Web サイトのレプリカがある、ユーザーが利用しているサーバーにこのサーバーを複製します。このようにレプリカを複製する方法を使用すると、準備中のサイトを Web ユーザーの目から隠せます。
データベースのレプリカは、
を選択して作成するデータベースのコピーとは異なります。コピーしたデータベースは元のデータベースと内容的には同じに見えますが、レプリカ ID を共有していないため複製されません。レプリカを作成する場合について
レプリカは、綿密な計画に基づいて、必要な場合だけサーバーに作成してください。レプリカの数が増えると、必要なサーバーリソースやネットワークリソースも増え、保守管理の手間もかかるようになります。不用意にレプリカを増やさないようにするには、サーバーの [レプリカの作成] アクセス権を割り当てる管理者を数人に限定します。ユーザーやアプリケーション開発者が新しいレプリカを必要とする場合は、管理者に作成を依頼します。
データベースのレプリカは、次の目的で作成します。
- 使用頻度の高いデータベースのパフォーマンスを向上させる。
- ネットワークトラフィックを分散する。
- 設計変更中のデータベースを正規のデータベースから独立させる。
- 1 台のサーバーがダウンしても他のサーバーのデータベースを利用できるようにする。
- リモートのユーザーがデータベースを利用できるようにする。
- 特定ワークグループ向けの情報だけを置くレプリカを用意する。
- Domino のシステム管理を設定する。たとえば、Domino ディレクトリや [システム管理要求] データベースなどの重要なシステムデータベースのレプリカを作成する必要がある場合など。
- マスターテンプレートを引き継ぐデータベースがある各サーバーに、マスターテンプレートのレプリカを保存する。
- バックアップデータベースを作成する。データが破損した場合は、このバックアップデータベースから情報を復旧する。破損データも複製されている場合が多いため、このバックアップデータベースは、あくまでも 2 次的なバックアップとして利用してください。
次に複製が実行されるまで、2 つのレプリカの内容には多少の違いがあることに注意してください。ユーザーがデータベースの最新情報にアクセスする必要がある場合は、クラスタサーバーにレプリカを作成し、クラスタ間で複製を行うように設定することができます。クラスタ内の複製は、変更するたびにすぐに他のサーバーに複製されるため、レプリカの内容がすべて常に一致しています。