セキュリティとドメイン検索
Domino® データベースでユーザーがドメイン検索を実行すると、結果ごとに、結果が検出されたデータベースの ACL が調べられ、ユーザーに検索結果の文書を読む権限があるかどうかがチェックされます。この検証を行うには、ドメインカタログに ACL を含むすべてのデータベースのリストが必要です。Domino で検索結果文書へのリンクをユーザーの結果セットに表示するには、ユーザーに検索結果文書を読む権限がなければなりません。つまり、検索結果文書が含まれるデータベースに対して [読者] 以上のアクセス権を持ち、[読者] フィールドがある場合は、このフィールドにユーザーが含まれます。
セキュリティは次のようにして確認されます。
- Domino はデータベースのアクセス制御リストで [-Default-] エントリをチェックします。
- [-Default-] エントリのアクセス権が [読者] 以上の場合、ユーザーは文書を読むことができるため、Domino によって結果セットに結果が返されます。
- [-Default-] エントリのアクセス権が [読者] 未満の場合、Domino によってユーザーに [読者] 以上のアクセス権があるかどうかが ACL でチェックされます。ユーザーに [読者] 以上のアクセス権がない場合、文書を読み込む権限がユーザーにないため、Domino によってその文書は検索結果として返されません。
- ユーザーに [読者] 以上のアクセス権がある場合、Domino によって結果文書に [読者] フィールドがあるかどうかがチェックされます。
- 検索結果文書に [読者] フィールドがない場合、ユーザーは文書を読むことができ、Domino によって結果セットに結果が返されます。
- 検索結果文書に [読者] フィールドがある場合、Domino によって [読者] フィールドにユーザーが表示されているかどうかがチェックされます。ユーザーに [読者] 以上のアクセス権がない場合、文書を読み込む権限がユーザーにないため、Domino によってその文書は検索結果として返されません。
- ユーザーが [読者] フィールドに表示されている場合、ユーザーは文書を読むことができ、Domino によって結果セットに結果が返されます。
検索セキュリティとサーバーアクセスリスト
情報へのアクセスを制限するために、ドメインでサーバーアクセスリストを使用している場合は、それらのサーバーのデータベースの ACL を調べて、結果がフィルタされることを確認する必要があります。このチェックをしないと、検索結果文書にアクセスできないユーザーに結果が返されることになってしまう場合があります。場合によっては、ユーザーが検索結果から機密情報を推測できることがあります。
たとえば、Renovations 社には、App-E/East/Renovations と App-W/West/Renovations の 2 台のアプリケーションサーバーがあります。Renovations のユーザーは、2 つの組織単位 /East/Renovations または /West/Renovations のいずれかで認証されます。App-E/East/Renovations では、/West/Renovations 証明書を持つユーザーのアクセスは許可していません。このサーバー上のデータベースの ACL では [-Default-] が [読者] に設定され、/West/Renovations のユーザーがこれらのデータベースにアクセスできないように指定されています。
Renovations 社がドメイン検索を導入したとき、ドメイン検索を照会する /West/Renovations ユーザーに、App-E/East/Renovations のデータベース内の文書へのリンクとサマリーが含まれ返されてしまう場合があります。これは、それらのデータベースの ACL で、/West/Renovations ユーザーがそれらの結果を参照することを禁じていないからです。(Microsoft™ Windows™ システムでは、ユーザーが [詳細な結果] オプションを選択すると、検索結果に文書のサマリーが含まれます。) この環境下でのデータベースのセキュリティはサーバーアクセスリストによって維持され続けるため、/West/Renovations ユーザーはそれらのリンクから文書にアクセスできませんが、リンクとサマリーが存在するというだけで、/West/Renovations ユーザーに機密情報が漏えいする危険性があります。
このような問題を避けるには、サーバーアクセスリストによって保護されているデータベースの ACL を調べて、フィルタリングが確実に実行されるように設定します。この作業は、サーバーアクセスリストがない状態を想定して行います。サーバーアクセスリストがない状態で、データベースが正しく保護されるように ACL を変更します。これにより、ドメイン検索でデータベースの ACL による確認が実行されれば、ユーザーがアクセスできない文書は検索結果として表示されなくなります。
Windows で Domino を実行していて、データベースの ACL が適切に保守管理できているか不安なときは、インデックスサーバーの NOTES.INI 変数を FTG_No_Summary=1
に設定して、誰も文書のサマリーを表示できないようにします。