Oracle Linux ダウンロード・キャッシャーの使用情報

OEL ダウンロード・キャッシャーを使用すると、隔離された環境で OEl パッチをダウンロードし、キャッシュに入れることができます。このツールは Patches for Oracle Linux 9 サイトをサポートしています。

OEL ダウンロード・キャッシャーは、http://yum.oracle.com にアクセスして、更新用のパッケージをダウンロードします。ダウンロード・エラーを回避するため、リストされているホストでのトラフィックを許可するようにホワイトリスト、ファイアウォール、またはプロキシーを構成してください。

OEL ダウンロード・キャッシャーは、Windows システムまたは Linux システム上で実行できます。要件については、「BigFix 10.0 - System Requirements」を参照してください。

最新の OEL ダウンロード・キャッシャーは、BigFix サポート・サイトから入手できます。
  • Windows システムを使用する場合は、http://software.bigfix.com/download/bes/util/OELDownloadCacher.exe でこのツールをダウンロードしてください。
  • Linux システムを使用する場合は、http://software.bigfix.com/download/bes/util/OELDownloadCacher-linux.tar.gz でこのツールをダウンロードしてください。このツールは、x86-64 (64 ビット) システムでサポートされます。
    注: このツールを正しく使用するには、以下のパッケージとその依存関係を必ずインストールしてください。
    • GLIBC バージョン 2.2.5 以降
    • GLIBC バージョン 2.3 以降
    • GNU/Linux カーネルのバージョン 2.6.31 以降

このセクションでは、説明のために、Windows で OEL ダウンロード・キャッシャーを実行するためのステップを示します。ただし、OEL ダウンロード・キャッシャーを実行するためのパラメーターとサブコマンドは、Windows でも Linux でも同じです。

ツール OELDownloadCacher.exe により、追加の操作を実行することができます。このツールをコマンド・プロンプトから実行するには、以下のコマンドを使用します。
OELDownloadCacher.exe [-h] [parameters...] {subcommand} [subparameters...]

各コマンドの説明。

-h

コマンドを実行せずに、そのコマンドのヘルプ・メッセージを表示するよう指定します。

parameters
ダウンロード・キャッシャーを構成するために使用するオプションのパラメーターを指定します。
--proxyServer
使用するプロキシー・サーバーの URL を指定します。これは、プロトコルとホスト名を含む整形式の URL でなければなりません。この URL は通常、プロキシー・サーバーの IP アドレスまたは DNS 名とそのポートを、コロンで区切ったものです。例: http://192.168.100.10:8080
--proxyUser
プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシー・ユーザー名を指定します。
--proxyPass
プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシーのパスワードを指定します。
基本認証のみがサポートされています。
--download_dir
リポジトリー・メタデータ・ファイルがキャッシュされるディレクトリーを指定します。
このパラメーターが定義されていない場合は、ダウンロード・キャッシャーの実行可能ディレクトリーを基準とした相対ディレクトリーにファイルがダウンロードされます。
localCache ファイルに plugin.ini を設定すると、キャッシュされたファイルを使用するように OEL ダウンロード・プラグインを構成できます。
--sha1_download_dir
パッケージを sha1 のファイル名で単一のフラット・ディレクトリーにキャッシュする場合のディレクトリーを指定します。キャッシャーは、すべてのリポジトリー (キー) からのすべてのパッケージを、指定されたディレクトリーにファイルとしてダウンロードします。
パッケージのみが sha1_download_dir に保管されます。各リポジトリー・メタデータは、download_dir に保管され、OEL リポジトリーのディレクトリー構造が維持されます。
--sha1_download_dir サブコマンドで check-storagereq を使用することで、スペース節約のベンチマークが設定されます。--sha1_download_dir を使用することで、同じ OEL バージョンの複数のリポジトリーをキャッシュする際のストレージ・サイズ、ダウンロード・サイズ、および時間が大幅に削減されます。これは、同じ OEL バージョンを持つリポジトリー (例: OEL-9-x64)) 間で多くのパッケージが重複されるためです。OEL バージョン (例: OEL-9-x64) ごとにリポジトリーを 1 つだけキャッシュする場合、スペースは節約されません。
注: このパラメーターを使用する場合は、BigFix サーバーの sha1 ファイル・フォルダーのキャッシュ制限を考慮してください。
--redownload
RPM ファイルを再ダウンロードして、ダウンロード・ディレクトリー内の既存の RPM ファイルを上書きすることを示すフラグを指定します。
このパラメーターが定義されていない場合は、RPM ファイルが再ダウンロードされません。ただし、メタデータはデフォルトでダウンロードされ上書きされます。
--verifyExistingPkgChecksum
「buildRepo」、「downloadPkg」、または「downloadbypatchid」の各サブコマンドを使用してパッケージのダウンロードを試みる際に、既存の RPM ファイルにチェックサム・チェックを強制するフラグを指定します。
注: チェックサムは、デフォルトで「オフ」に設定されています。
--loglevel
ログ・レベルを指定します。「DEBUG」、「INFO」、「WARNING」、または「ERROR」の中から選択できます。デフォルトでは、この値は「INFO」に設定されています。
INFO
ダウンロードの進行状況とダウンロードの成功に関する一般情報が、最小限のトレース情報とともに出力されます。
WARNING
ダウンロードの失敗と、失敗の理由に関する情報が出力されます。
ERROR
ダウンロード・プラグインの実行に関連するエラーが出力されます。このようなエラーは、致命的エラーが発生する直前であることを示している場合があります。
DEBUG
問題のトラブルシューティングに使用される詳細情報が出力されます。これは、使用可能なレベルの中で最も詳細なレベルです。
--help

コマンドを実行せずに、そのコマンドの完全な説明とヘルプを表示するよう指定します。

subcommand subparameter
ダウンロード・キャッシャーを実行するために使用するサブコマンドとサブパラメーターを指定します。
注: サブコマンドとサブパラメーターの名前では、大/小文字が区別されます。
subparameter は以下のように subcommand によって異なります。
check-baserepos
BigFix でサポートされる OEL 基本リポジトリーにアクセスできるかどうかを検査します。結果はコマンド・プロンプトに表示され、<cacher directory>\logs\OELDownloadCacher.log ファイルに格納されます。
check-allrepos
BigFix でサポートされる OEL 基本リポジトリーおよびサブリポジトリーにアクセスできるかどうかを検査します。結果はコマンド・プロンプトに表示され、<cacher directory>\logs\OELDownloadCacher.log ファイルに格納されます。
check-storagereq
builRepo コマンドで --sha1_download_dir オプションを指定する場合と指定しない場合のストレージ・スペース所要量を調べます。結果はコマンド・プロンプトに表示され、<cacher directory>\logs\OELDownloadCacher.log ファイルに格納されます。
showKeys
サポートされるリポジトリーの OS キーのリストを <cacher directory>\logs\OELDownloadCacher.log ファイルに出力します。OS キーは、単一 OEL リポジトリーの OEL オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを示します。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
OELDownloadCacher.exe --download_dir <download_dir> 
[parameters] showsKeys
例: OELDownloadCacher.exe --download_dir C:\downloads showKeys
buildRepo
指定された OS キーに基づいて、ローカルのミラー・リポジトリーを作成し、すべての関連ファイルをダウンロードします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
OELDownloadCacher.exe --download_dir <download_dir> 
--sha1_download_dir <sha1_download_dir> [parameters] 
buildRepo --key <OS_key1,OS_key2,…>
例: OELDownloadCacher.exe --download_dir C:\downloads --sha1_download_dir C:\sha1_downloads buildRepo --key OEL-9-x64
各コマンドの説明。
--key OS_key1,OS_key2,…
OEL オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>
例えば、--key OEL-9-x64 です。
downloadMetadataOnly
指定された OS キーのメタデータをダウンロードします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
OELDownloadCacher.exe --download_dir <download_dir> 
[parameters] downloadMetadataOnly --key <OS_key1,OS_key2,…>
例:
OELDownloadCacher.exe --download_dir C:\downloads downloadMetadataOnly 
--key oel-9-x64
各コマンドの説明。
--key OS_key1,OS_key2,…
OEL オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>
例えば、--key OEL-9-x64 です。
downloadPkg
指定された OS キーのリストされた RPM ファイルをダウンロードします。
注: ダウンロードするパッケージに依存関係がある場合は、代わりに buildrepo を使用して依存関係の問題を回避することをお勧めします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。
OELDownloadCacher.exe --download_dir <download_dir> 
[parameters] downloadPkg --key <OS_key1,OS_key2…> 
--pkg <pkg1,pkg2,…>
例:
OELDownloadCacher.exe --download_dir C:\temp --redownload downloadPkg
--key oel-9-x64 --pkg web-assets-filesystem-5-15.el9.noarch.rpm
各コマンドの説明。
--key OS_key1,OS_key2,…
OEL オペレーティング・システムのバージョンおよびアーキテクチャーを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>
例えば、--key web-assets-filesystem-5-15.el9.noarch.rpm です。
--pkg pkg1,pkg2,…
パッケージ名を示します。
各項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。例えば、--pkg web-assets-filesystem-5-15.el9.noarch.rpm, openblas-srpm-macros-2-11.el9.noarch.rpm です。