Windows ターゲットのユーザー状態のキャプチャーと復元

新規ハードウェアでオペレーティング・システムの移行を実行するときに、以前にキャプチャーしたユーザー設定を新規システムで復元できます。

自社の組織で新規ハードウェアをデプロイするときに、現行ハードウェア上で初期オペレーティング・システムのユーザー状態をキャプチャーし、新規ハードウェアでベア・メタル・デプロイメントを実行してから、以前にキャプチャーしたユーザー状態を新規マシンに復元できます。OS Deployment は、この目的のために、Microsoft の USMT ScanState コマンドと LoadState コマンドを使用します。ユーザー状態をキャプチャーするとき、必要に応じてデフォルトの ScanState 引数を修正することを選択して、追加のファイル拡張子をキャプチャーできます。また、最大 4000 文字の USMT 構文を使用した XML ファイルの内容を介して、他の ScanState 命令を指定することもできます。キャプチャーされたデータとログは、保存先フォルダー (ネットワーク共有上に存在する必要があります) に保管されます。ネットワーク共有へのアクセスが制限されている場合、タスク送信時に資格情報の提供が要求されます。

単一タスクを使用して、複数のコンピューターで異なるユーザー状態の内容をキャプチャーして復元できます。単一のコンピューターまたは複数のコンピューターからユーザー状態をキャプチャーする際に、コンピューター名によって識別される固有のキャプチャー・フォルダーがコンピューターごとに作成されます。単一のコンピューターまたは複数のコンピューターのユーザー状態を復元する際に、すべてのコンピューターに対して 1 つの復元フォルダーを選択するか、コンピューターごとに固有のフォルダーを選択できます。

ソースと宛先のオペレーティング・システムに応じて、以下のタスクのペアのいずれかを使用してください。
  • Windows 7 のコンピューターのユーザー状態をキャプチャーして Windows 7 または Windows 8 のコンピューターに復元する場合は、事前に「バンドルおよびメディア・マネージャー」ダッシュボードを使用して WADK8 (USMT5) を含む MDT Bundle を作成してインポートしておく必要があります。以下のタスクを実行します。

    Windows XP、Vista、および 7 のコンピューターでのユーザー状態のキャプチャー (USMT5) - タスク 170

    Windows 7 および 8 でのユーザー状態の復元 (USMT5) - タスク 171

  • Windows 7、8、8.1、または 10 のコンピューターのユーザー状態をキャプチャーして Windows 8、8.1、および 10 に復元する場合は、事前に「バンドルおよびメディア・マネージャー」ダッシュボードを使用して WADK10 (USMT10) を含む MDT バンドルを作成してインポートしておく必要があります。以下のタスクを実行します。

    Windows 7、8、8.1、および 10 でのユーザー状態のキャプチャー (USMT10) - タスク 175

    Windows 8、8.1、10 のコンピューターでのユーザー状態の復元 (USMT10) - タスク 176

キャプチャー・タスクの場合は、以下の情報を指定する必要があります。
  • キャプチャーしたデータを保管する必要があるネットワーク共有の保存先フォルダー、およびネットワーク共有にアクセスするための資格情報 (必要な場合)。キャプチャー時、コンピューター名によって識別される別個のサブフォルダーが、ターゲットごとに作成されます。
  • タスクには、事前定義された以下の ScanState コマンド引数が含まれています。
    /v:6 /c /localonly /o /uel:60
    ScanState 構文を使用して、これらの引数をオプションで追加したり変更したりできますが、BigFix は入力の検証を実行しません。
  • キャプチャーに含める追加のファイル拡張子 (コンマ区切りのリスト) と、XML ファイル形式で ScanState コマンドに提供される最大 4000 文字の他のオプションの命令を指定することもできます。例えば、パス C:\test files\* に含まれるすべてのファイルをキャプチャーする場合は、以下のようにします。
    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
         <migration urlid="http://www.microsoft.com/migration/1.0/migxmlext/cust">
     <!-- Additional pattern to capture-->
         <component type="Documents" context="System">
           <displayName>Component to migrate additional files Sergio</displayName>
           <role role="Data">
             <rules>
               <include>
                 <objectSet>
       <pattern type="File">C:\test files\* [*]</pattern>
                 </objectSet>
               </include>
             </rules>
           </role>
         </component>
     </migration>
復元タスクの場合、事前定義されている引数は以下です。
/lac
オプションで LoadState の引数を追加したり変更したりできますが、BigFix は構文の検証を実行しません。

復元するデータがあるネットワーク共有のソース・フォルダー、およびネットワーク共有にアクセスするための資格情報 (必要な場合) を指定する必要があります。ターゲットごとに該当するフィールドに「はい」を指定することで、コンピューター名によって識別される別個のサブフォルダーからユーザー・データを読み取ることを選択することもできます。

キャプチャー・タスクと復元タスクをサーバー自動化プランに追加できます。例えば、サーバー自動化プランに以下のシーケンスを定義できます。
  1. タスク 170 またはタスク 175 を使用して、ターゲットでソース・ユーザー状態をキャプチャーする
  2. タスク 350 を使用して、ユーザー状態が復元されるターゲットのホスト名を設定する
  3. タスク 301 を使用して、ユーザー状態が復元されるターゲットにプロファイルをデプロイする
  4. タスク 171 またはタスク 176 を使用して、デプロイされたターゲットにユーザー状態を復元する