Linux OS リソースおよびデプロイメント・メディアの管理

ネットワーク・ブート・メディアを作成するため、および Linux イメージをキャプチャーしてデプロイするために必要な Linux OS リソースをインポートできます。

RHEL、SLES、および CentOS デプロイメント用の Linux OS リソースのインポート

Linux OS リソースは、Linux 参照マシンをキャプチャーし、Linux デプロイメント用のネットワーク・ブート・メディアを作成し、Linux OS をインストールするために必要です。

それを「バンドルおよびメディア・マネージャー」ダッシュボードから作成するには、「デプロイメント・リソース」タブの該当するボタンをクリックします。インポート対象の OS リソースが存在する Linux ISO ファイルの完全修飾パスを参照して、「OK」をクリックします。アクションが完了すると、Linux OS リソースがリストに表示されます。Linux OS リソースのエントリーを削除するには、そのエントリーを選択して、「削除」をクリックします。

セットアップ・イメージが「イメージ・ライブラリー」ダッシュボードからインポートされるときにも、同じ OS レベルの Linux OS リソースが作成されます。

Linux リソースの場合、UEFI ターゲット用の特定の grub2 ブート・ローダーもそのリソースに含まれます。UEFI ターゲット用の grub2 ブート・ローダーが OS リソースに含まれているかどうかを確認するには、「リソース情報」列を調べます。含まれていれば、この列に grub.efi または grubx64.efi がレポートされます。含まれていなければ、UEFI ターゲットでの Linux デプロイメントでは、「Linux イメージ用のベア・メタル・プロファイルの作成」で説明しているように、外部の grub2 ブート・ローダーがあればそれが使用されます。それ以外の場合は、組み込みの elilo.efi ブート・ローダーが使用されます。

UEFI ターゲットで Linux デプロイメントに grub2 ブート・ローダーを使用するには、DHCP サーバーでは「next-server」 オプションにベア・メタル・サーバーの IP アドレスの値を指定する必要があります。一部の DHCP サーバーでは、このオプションはオプション 66 とともに提供されます。

RHEL インプレース・アップグレード用の Linux OS リソースのインポート

RHEL 6 から RHEL 7、RHEL 7 から RHEL 8、および RHEL 8 から RHEL 9 へのインプレース・アップグレードを実行するには、RHEL インプレース・アップグレード OS リソースが必要です。このリソースは初期 OS に適用され、作成に必要なほとんどのファイルは初期 OS のインストール・メディアにあります。インストール・メディアにないファイルは、rpm のダウンロードが許可されたユーザーで認証した後、RHEL Web サイトからダウンロードする必要があります。

RHEL 6.10 から RHEL 7.9 へ、RHEL 7.9 から RHEL 8.8 および 8.10 へ、RHEL 8.8 から RHEL 9.2へ、RHEL 8.9 から RHEL 9.3へ、および RHEL 8.10 から RHEL 9.4 以降へのアップグレードのために、RHEL インプレース・アップグレード OS リソースを作成できます。

それを「バンドルおよびメディア・マネージャー」ダッシュボードから作成するには、「デプロイメント・リソース」タブの該当するボタンをクリックします。インプレース・アップグレード・タスクの初期 OS に必要なファイルが保存されている専用フォルダーを参照し、「OK」をクリックします。アクションが完了すると、Linux OS インプレース・リソースがリストに表示されます。Linux OS リソースのエントリーを削除するには、そのエントリーを選択して、「削除」をクリックします。

RHEL 6.10 を 7.9 にアップグレードするために必要なインプレース・アップグレード Linux OS リソースの作成に必要な rpm ファイルは以下のとおりです。
  • RHEL 6.10 向け:
    • fakeroot-1.12.2-22.2.el6.x86_64.rpm
    • fakeroot-libs-1.12.2-22.2.el6.x86_64.rpm
    • gdb-7.2-92.el6.x86_64.rpm
    • openscap-1.2.13-2.el6.x86_64.rpm
    • openscap-engine-sce-1.2.13-2.el6.x86_64.rpm
    • openscap-scanner-1.2.13-2.el6.x86_64.rpm
    • openscap-utils-1.2.13-2.el6.x86_64.rpm
    • preupgrade-assistant-2.6.2-1.el6.noarch.rpm
    • preupgrade-assistant-el6toel7-0.8.0-3.el6.noarch.rpm
    • preupgrade-assistant-el6toel7-data-0.20200704-1.el6.noarch.rpm
    • pykickstart-1.74.22-1.el6.noarch.rpm
    • redhat-rpm-config-9.0.3-51.el6.noarch.rpm
    • redhat-upgrade-tool-0.8.0-9.el6.noarch.rpm
    • rpm-build-4.8.0-59.el6.x86_64.rpm
    • rpmdevtools-7.5-2.el6.noarch.rpm
    • yum-utils-1.1.30-42.el6_10.noarch.rpm
    RHEL 6.10 のインストール・メディアにはないファイルは、https://access.redhat.com/downloads/content/69/ver=/rhel---6/6.10/x86_64/product-software リンクで見つけられます。
RHEL 7.9 を 8.8 または 8.10 にアップグレードするために必要なインプレース・アップグレード Linux OS リソースの作成に必要な rpm ファイルは以下のとおりです。
  • RHEL 7.9 向け:
    • audit-2.8.5-4.el7.x86_64.rpm
    • audit-libs-2.8.5-4.el7.x86_64.rpm
    • audit-libs-python-2.8.5-4.el7.x86_64.rpm
    • checkpolicy-2.5-8.el7.x86_64.rpm
    • dnf-4.0.9.2-2.el7_9.noarch.rpm
    • dnf-data-4.0.9.2-2.el7_9.noarch.rpm
    • json-glib-1.4.2-2.el7.x86_64.rpm
    • leapp-deps-0.17.0-1.el7_9.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el7toel8-0.20.0-2.el7_9.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el7toel8-deps-0.20.0-2.el7_9.noarch.rpm
    • libcgroup-0.41-21.el7.x86_64.rpm
    • libcomps-0.1.8-14.el7.x86_64.rpm
    • libdnf-0.22.5-2.el7_9.x86_64.rpm
    • libmodulemd-1.6.3-1.el7.x86_64.rpm
    • librepo-1.8.1-8.el7_9.x86_64.rpm
    • libreport-filesystem-2.1.11-53.el7.x86_64.rpm
    • librhsm-0.0.3-3.el7_9.x86_64.rpm
    • libsemanage-python-2.5-14.el7.x86_64.rpm
    • libsolv-0.6.34-4.el7.x86_64.rpm
    • libyaml-0.1.4-11.el7_0.x86_64.rpm
    • pciutils-3.5.1-3.el7.x86_64.rpm
    • policycoreutils-2.5-34.el7.x86_64.rpm
    • policycoreutils-python-2.5-34.el7.x86_64.rpm
    • python-chardet-2.2.1-3.el7.noarch.rpm
    • python-enum34-1.0.4-1.el7.noarch.rpm
    • python-IPy-0.75-6.el7.noarch.rpm
    • python-requests-2.6.0-10.el7.noarch.rpm
    • python-urllib3-1.10.2-7.el7.noarch.rpm
    • python2-dnf-4.0.9.2-2.el7_9.noarch.rpm
    • python2-hawkey-0.22.5-2.el7_9.x86_64.rpm
    • python2-leapp-0.17.0-1.el7_9.noarch.rpm
    • python2-libcomps-0.1.8-14.el7.x86_64.rpm
    • python2-libdnf-0.22.5-2.el7_9.x86_64.rpm
    • setools-libs-3.3.8-4.el7.x86_64.rpm
    RHEL 7.9 インストール・メディアにないファイルは、以下のリンクにあります https://access.redhat.com/downloads/content/69/ver=/rhel%E2%80%947/7.9/x86_64/packages
  • RHEL 8.8 向け:
    • leapp-0.15.1-1.el8.noarch.rpm
    • leapp-deps-0.15.1-1.el8.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el8toel9-0.18.0-1.el8_8.2.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el8toel9-deps-0.18.0-1.el8.noarch.rpm
    • python3-leapp-0.15.1-1.el8.noarch.rpm
    • python3-pip-9.0.3-22.el8.noarch.rpm
    • python3-setuptools-39.2.0-7.el8.noarch.rpm
    • python36-3.6.8-38.module+el8.5.0+12207+5c5719bc.x86_64.rpm
    • systemd-container-239-74.el8_8.x86_64.rpm
    leapp-upgrade-el8toel9-0.18.0-1.el8_8.2.noarch.rpm 以外のすべてのファイルはインストール ISO にありますが、上述のファイルは以下のリンクからダウンロードできます https://access.cdn.redhat.com/content/origin/rpms/leapp-upgrade-el8toel9/0.18.0/1.el8_8.2/fd431d51/leapp-upgrade-el8toel9-0.18.0-1.el8_8.2.noarch.rpm
  • RHEL 8.9 向け:
    • leapp-0.16.0-2.el8.noarch.rpm
    • leapp-deps-0.16.0-2.el8.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el8toel9-0.19.0-1.el8.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el8toel9-deps-0.19.0-1.el8.noarch.rpm
    • python3-leapp-0.16.0-2.el8.noarch.rpm
    • python3-pip-9.0.3-23.el8.noarch.rpm
    • python3-setuptools-39.2.0-7.el8.noarch.rpm
    • python36-3.6.8-38.module+el8.5.0+12207+5c5719bc.x86_64.rpm
    • systemd-container-239-78.el8.x86_64.rpm
    すべてのファイルは、インストール・メディアにあります。
  • RHEL 8.10 向け:
    • leapp-0.17.0-1.el8.noarch.rpm
    • leapp-deps-0.17.0-1.el8.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el8toel9-0.20.0-2.el8.noarch.rpm
    • leapp-upgrade-el8toel9-deps-0.20.0-2.el8.noarch.rpm
    • python3-leapp-0.17.0-1.el8.noarch.rpm
    • python3-pip-9.0.3-24.el8.noarch.rpm
    • python3-setuptools-39.2.0-7.el8.noarch.rpm
    • python36-3.6.8-39.module+el8.10.0+20784+edafcd43.x86_64.rpm
    • systemd-container-239-82.el8.x86_64.rpm
    すべてのファイルは、インストール・メディアにあります。

Ubuntu デプロイメント用の OS リソースの作成とインポート

Linux Ubuntu のデプロイメントでは、対応する OS リソースを作成してインポートする必要があります。Ubuntu デプロイメント用に OS リソースを作成してインポートする方法については、Linux Ubuntu デプロイメント用の OS リソースの作成とインポートを参照してください。

Linux RHEL、SLES、CentOS ターゲットのネットワーク・ブート・メディアの作成

Linux ネットワーク・ブート・メディアを作成するには、以下のステップを実行します。
  1. 「バンドルおよびメディア・マネージャー」ダッシュボードから、該当するボタンをクリックして Linux OS リソースをインポートします。ISO ファイルの完全修飾パスを選択します。サポート対象の ISO ファイルは、RedHat Enterprise Linux (RHEL) リリース 6、7、8、9、CentOS Linux リリース 7、8、SUSE Linux バージョン 12、15 です。これらのプラットフォームの Linux OS リソースを既にインポート済みの場合は、このステップをスキップしてください。
  2. 「Linux メディア」タブから、「デプロイメント・メディアの作成」をクリックします。「メディア作成」ウィザードが表示されます。メディアが作成される OS Deployment サーバーを選択し、「次へ」をクリックします。
  3. 以下を選択または指定します。
    1. メディアに含める Linux OS リソース。事前にそのリソースをインポートしておく必要があります。
    2. OS Deployment サーバーでメディアの ISO ファイルが作成される場所の完全修飾パスを指定します。
    3. 「サーバー設定」セクションで、ブート時にターゲットが接続する先の OS Deployment サーバーのIP アドレスおよび管理ユーザー・パスワードを指定します。このサーバーは、メディアを作成している OS Deployment サーバーと同じでも、別でもかまいません。別の方法として、該当するオプションにチェック・マークを付けることで、ブート時に接続パラメーターを指定することができます。
    4. ブート時にクライアントに割り当てられるネットワーク構成設定のタイプを選択します。デフォルトでは、動的 IP アドレスが割り当てられます (DHCP)。別の方法として、静的 IP アドレス、ネットワーク・マスク、およびゲートウェイ・アドレスを指定することもできます。静的ネットワーク設定を指定する場合は、対応するオプションにチェック・マークを付けることで、ブート時にそれらの設定を上書きできます。
    5. オプションで、ターゲットのブート・シーケンスをユーザーが開始するように指定できますこの場合は、ターゲットにプロンプトが表示され、そのプロンプトにユーザーが応答した場合にのみ、ブート・シーケンスが開始されます。
    6. ネットワーク・ブート・メディアをバージョン 7.1.1.20.311.12 以下のベア・メタル・サーバーに接続する必要がある場合は、特定のオプションを選択する必要があります。
  4. 選択が完了したら、「OK」をクリックします。メディアの作成タスクが開始される前に、ユーザーが指定した情報が検証されます。
重要:
  • Linux セットアップ・イメージをネットワーク・ブート・メディアからマルチキャストでデプロイする場合、メディアに含める Linux OS リソースは、デプロイするイメージのメジャー・バージョンと同じでなければなりません。例えば、RedHat Enterprise Linux (RHEL) バージョン 7 Update 8 リソースを使用して、マルチキャスト通信ですべての Red Hat Enterprise Linux (RHEL) バージョン 7 セットアップ・イメージをデプロイできます。
ネットワーク・ブート・メディアの制限: ネットワーク・ブート・メディアには、以下の制限があります。
  • CD/DVD メディアのみがサポートされます。
  • UEFI ターゲットへのメディアのデプロイメントはサポートされていません。
  • Linux Ubuntu でのメディアの作成とデプロイメントはサポートされていません。