RHSM ダウンロード・キャッシャーの使用

RHSM ダウンロード・キャッシャーを使用して、x86、x86_64、S390x、ppc64le、ppc64 の各 Red Hat パッチをダウンロードし、隔離された環境にキャッシュします。

RHSM ダウンロード・キャッシャーは、以下の Red Hat バージョンをサポートします。
  • RHEL 6 x32
  • RHEL 6 x64
  • RHEL 7 x32
  • RHEL 7 x64
  • RHEL 6 s390x
  • RHEL 7 s390x
  • RHEL 7 PPC64LE
  • RHEL 7 PPC64BE
  • RHEL 8 x64
  • RHEL 8 s390x
  • RHEL 8 PPC64LE
  • RHEL 9 x64

RHSM ダウンロード・キャッシャーは、Windows システムまたは Linux システム上で実行できます。要件については、「BigFix - System Requirements」を参照してください。

RHSM ダウンロード・キャッシャーは、BigFix サポート・サイトから入手できます。
注: RHSM ダウンロード・キャッシャーは、ポート 443 で cdn.redhat.com に、ポート 80 で sync.bigfix.com にアクセスする必要があります。
注: このセクションでは、Windows で RHSM ダウンロード・キャッシャーを実行するためのステップを示して説明します。ただし、RHSM ダウンロード・キャッシャーを実行するためのパラメーターとサブコマンドは、Windows システムでも Linux システムでも同じです。
ツール RHSMDownloadCacher.exe により、追加の操作を実行することができます。このツールをコマンド・プロンプトから実行するには、以下のコマンドを使用します。
RHSMDownloadCacher.exe [-h] --rootCertDir <rootcertdir> 
[parameters...] {subcommand} [-h]  [subparameters...]

各部の意味は以下のとおりです。

-h

コマンドを実行せずに、そのコマンドのヘルプ・メッセージを表示するよう指定します。

--rootCertDir

資格証明書とシステム ID 証明書が置かれているルート・ディレクトリーを指定します。資格証明書とシステム ID 証明書の各セットは、それぞれのフォルダーに配置する必要があります。rootCertDir は plugin.ini ファイルで構成できます。

check-baserepos
certs フォルダーの下にある資格証明書を使用して BigFix がサポートする Red Hat 基本リポジトリーにアクセスできるかどうか確認します。結果はコンソールに表示され、RHSMDownloadCacher.log に出力されます。
check-allrepos
certs フォルダーの下にある資格証明書を使用して BigFix がサポートする Red Hat 基本リポジトリーとそのサブリポジトリーにアクセスできるかどうか確認します。結果はコンソールに表示され、RHSMDownloadCacher.log に出力されます。
parameters
ダウンロード・キャッシャーを構成するために使用するオプションのパラメーターを指定します。
--proxyServer
使用するプロキシー・サーバーの URL を指定します。これは、プロトコルとホスト名を含む整形式の URL でなければなりません。この URL は通常、プロキシー・サーバーの IP アドレスまたは DNS 名とそのポートを、コロンで区切ったものです。例: http://192.168.100.10:8080.
--proxyUser
プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシー・ユーザー名を指定します。通常、これはフォーム domain\username 内にあります。
--proxyPass
プロキシー・サーバーで認証が必要な場合は、プロキシーのパスワードを指定します。
--download_dir
リポジトリー・メタデータとパッケージのキャッシュ先ディレクトリーを指定します。このディレクトリーは BES サーバーに転送される必要があります。このディレクトリーを参照するように RHSM プラグインの plugin.ini の localCache を更新する必要があります。
このパラメーターが定義されていない場合は、ダウンロード・キャッシャーの実行可能ディレクトリーを基準とした相対ディレクトリーにファイルがダウンロードされます。

このパラメーターが定義されていない場合は、デフォルトの download_dir フォルダーが使用されます。

--sha1_download_dir

バージョン 1.0.1.0 以降で有効であり、sha1 パッケージのキャッシュ先ディレクトリーを指定します。リポジトリー・メタデータは、引き続き --download_dir にキャッシュされます。sha1_download_dir オプションは、フラットなディレクトリー構造に sha1 パッケージを保管します。これにより、同一の Red Hat バージョンの複数のリポジトリーをキャッシュする際にスペースを大幅に節約できます。check-storagereq サブコマンドで --sha1_download_dir を使用することで、スペース節約のベンチマークが設定されます。

ストレージ・スペース・ベンチマークについては、『隔離された BES サーバーとインターネット対応の BES サーバーでの –sha1_download_dir の使用』を参照してください。

--redownload
RPM ファイルを再ダウンロードして、ダウンロード・ディレクトリー内の既存の RPM ファイルを上書きすることを示すフラグを指定します。
このパラメーターが定義されていない場合は、RPM ファイルが再ダウンロードされません。ただし、メタデータはデフォルトでダウンロードされ上書きされます。
--verifyExistingPkgChecksum
「buildRepo」、「downloadPkg」、または「downloadbypatchid」の各サブコマンドを使用してパッケージのダウンロードを試みる際に、既存の RPM ファイルにチェックサム・チェックを強制するフラグを指定します。
注: チェックサムは、デフォルトで「オフ」に設定されています。
--loglevel
ログ・レベルを指定します。「DEBUG」、「INFO」、「WARNING」、または「ERROR」の中から選択できます。デフォルトでは、この値は「INFO」に設定されています。
INFO
ダウンロードの進行状況とダウンロードの成功に関する一般情報が、最小限のトレース情報とともに出力されます。
WARNING
ダウンロードの失敗と、失敗の理由に関する情報が出力されます。
ERROR
ダウンロード・プラグインの実行に関連するエラーが出力されます。このようなエラーは、致命的エラーが発生する直前であることを示している場合があります。
DEBUG
問題のトラブルシューティングに使用される詳細情報が出力されます。これは、使用可能なレベルの中で最も詳細なレベルです。
--help

コマンドを実行せずに、そのコマンドの完全な説明とヘルプを表示するよう指定します。

subcommand subparameter
ダウンロード・キャッシャーを実行するために使用するサブコマンドとサブパラメーターを指定します。
注: サブコマンドとサブパラメーターの名前では、大/小文字が区別されます。
subparameter は以下のように subcommand によって異なります。
showKeys
サポートされるリポジトリーの OS キーのリストを <cacher directory>\logs\RHSMDownloadCacher.log ファイルに出力します。OS キーは、単一の Red Hat リポジトリーの Red Hat オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを示します。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。たとえば、 RHSMDownloadCacher.exe --rootCertDir certs --download_dir C:\downloads showKeys
buildRepo
指定された OS キーに基づいて、ローカルのミラー・リポジトリーを作成し、すべての関連ファイルをダウンロードします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。たとえば、 RHSMDownloadCacher.exe --rootCertDir certs --download_dir C:\downloads buildRepo --key server-7-x86_64
各部の意味は以下のとおりです。
--key OS_key1,OS_key2,…
Red Hat オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
たとえば、--key server-7-x86_64 です。
check-storagereq

builRepo コマンドで --sha1_download_dir オプションを指定する場合と指定しない場合のストレージ・スペース所要量を調べます。結果はコンソールおよび RHSMDownloadCacher.log に表示されます。

downloadMetadataOnly
指定された OS キーのメタデータをダウンロードします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。

RHSMDownloadCacher.exe --rootCertDir --download_dir C:downloads downloadMetadataOnly --key server-7-x86_64

たとえば、 RHSMDownloadCacher.exe --rootCertDir certs --download_dir C:\downloads downloadMetadataOnly --key server-7-x86_64
各部の意味は以下のとおりです。
--key OS_key1,OS_key2,…
Red Hat オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
たとえば、--key server-7-x86_64 です。
downloadPkg
指定された OS キーのリストされた RPM ファイルをダウンロードします。
注: ダウンロードするパッケージに依存関係がある場合は、代わりに buildrepo を使用して依存関係の問題を回避することをお勧めします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。 たとえば、 RHSMDownloadCacher.exe --rootCertDir certs --download_dir C:\temp --redownload downloadPkg --key server-7-x86_64 --pkg python-qrcode-core-5.0.1-1.el7.noarch.rpm
各部の意味は以下のとおりです。
--key OS_key1,OS_key2,…
Red Hat オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
たとえば、--key python-qrcode-core-5.0.1-1.el7.noarch.rpm です。
--pkg pkg1,pkg2,…
パッケージ名を示します。
各項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。たとえば、--pkg liblcms1-1.17-77.12.1.x86_64.rpm,liblcms1-32bit-1.17-77.12.1.x86_64.rpm です。
downloadByPatchId
パッチ ID に基づいて 1 つ以上の OS キーのファイルをダウンロードします。RHSM キャッシャーにより、セキュリティー情報への参照が patch_id に置き換えられます。通常、patch_id の最初の 2 桁は年を示します。たとえば、セキュリティー情報 RHSA-2016-2573 は patch_id 162573 に置き換えられ、「16」は年を示します。
注: ダウンロードするパッケージに依存関係がある場合は、代わりに buildrepo を使用して依存関係の問題を回避することをお勧めします。
このサブコマンドを実行するための構文は以下のとおりです。たとえば、 RHSMDownloadCacher.exe --rootCertDir certs --download_dir C:\downloads downloadByPatchId --key server-7-x86_64 --patch_id 162516
各部の意味は以下のとおりです。
--key OS_key1,OS_key2,…
Red Hat オペレーティング・システムのバージョン、アーキテクチャー、およびサービス・パックを指定します。項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。以下のフォーマットを使用する必要があります。
<product>-<version_number>-<architecture>-<sp_level>
たとえば、--key server-7-x86_64 です。
--patch_id patch_id1,patch_id2,…
Fixlet のパッチ ID (Fixlet タイトルの最初の 6 桁) を示します。
各項目はコンマで区切る必要があり、スペースを含めることはできません。たとえば、--patch_id 162516 です。