複数パッケージのベースラインのインストール

BigFix パッチには、ベースラインに含まれる複数パッケージの更新のインストールを、単一のタスクに結合するためのソリューションが用意されており、それによってベースラインの実行時間を短縮できます。

ベースラインを使用すると、複数の Fixlet をグループにまとめて、任意の組み合わせのターゲット・コンピューターにすぐに適用することが可能になります。これは、特定のアクション・グループをネットワーク全体に適用するための強力な方法です。ただし、ベースライン内の各 Fixlet は、ベースラインの実行時に別個の更新トランザクションを作成します。単一のベースラインで膨大な数の呼び出しが行われる可能性があり、その場合はすべてのトランザクションが完了するまで時間がかかるため、パフォーマンスに深刻な影響が及ぶことがあります。

複数パッケージのベースラインのインストール・ソリューションを使用すると、依存関係の解決やパッケージのインストールが Fixlet ごとに別個に行われるため、パフォーマンスの向上に役立ちます。このソリューションでは、ベースラインの開始時に機能を有効化して、関連パッケージを単一の呼び出しからインストールするためのインストール・タスクを付加する必要があります。

パッケージをインストールするのではなく、リストに追加するよう Fixlet に指示するフラグを設定するには、「複数パッケージのベースラインのインストール機能を有効化 」タスクを使用します。このフラグは、ベースラインの完了後にクリアされます。複数のパッケージを単一のコマンドからインストールできるようにするには、該当するタスクをベースラインの先頭に追加する必要があります。

複数パッケージのインストール・タスクは、それぞれの Red Hat ディストリビューション、オペレーティング・システムのバージョン、サービス・パック・レベル、およびアーキテクチャーに対して有効化されます。依存関係の解決を行い、パッケージをダウンロードして、それらをエンドポイントにインストールするには、該当するインストール・タスクをベースラインの最後に追加する必要があります。

該当するタスクを使用すると、次のディレクトリーの場所にある MultiPkgInstall.txt ファイルにリストされている関連パッケージが単一の yum 呼び出しからインストールされます。
Windows システム

%PROGRAM FILES%\BigFix Enterprise\BES Client\EDRDeployData

Linux システムの場合
/var/opt/BESClient/EDRDeployData

依存関係が破損しているパッケージは、タスク・アクションによってスキップされます。

ベースライン全体の依存関係の解決とパッケージのインストールを単一のインスタンスで実行するには、これらのタスクがベースラインの最後に実行される必要があります。
注: 関連するタスクの以下のオプションにチェック・マークが付いていないことを確認します。「このコンポーネントが関連する適用可能なコンピューター上では、ベースラインが関連します」
インストールの予行演習を行うことで、パッケージに対する変更をプレビューして、意図しないパッケージの更新によって発生する可能性のある依存関係の破損を防ぐこともできます。テスト・アクションは、/var/opt/BESClient/EDRDeployData にある以下のファイルに結果を出力します。
PkgToInstallList.txt file
このファイルには、依存関係チェック後にインストールされるパッケージが記載されます。