リソースバランシングと Activity Trends、Server.Load コマンド、詳細データベースプロパティ、クラスタ統計、Server Health Monitor を使用して、HCL Domino® サーバー、Domino Web サーバー、メッセージングのパフォーマンスを改善する際には、この情報を参考にしてください。
Server.Load は容量計画ツールで、テスト対象の Domino® サーバーの容量や応答時間を測定できます (テストは「スクリプト」や「ワークロード」と呼ばれることもあります)。
Server.Load には、多数の組み込みワークロードと初期化ワークロードが含まれています。
Domino® サーバーのリソースは、システムアクティビティとユーザーアクティビティの 2 つのために使用されます。サーバーを実行し続けるために Domino が消費するプロセッサ、ディスク、メモリ、ネットワークの量を含むシステムアクティビティは、システムが健全でスムーズに実行されている場合、固定量のアクティビティです。Domino サーバーは通常、実行に必要な適度の割合のリソースを使用します。残りのサーバーのキャパシティは、サーバー上のデータの有用性によって変わる、ユーザーアクティビティをサポートするために使用されます。
Server.Load は、エージェント一式を NAMAGENT.NSF ファイルに組み込みます。このファイルは最初に Domino® Administrator クライアントのデータディレクトリにインストールされます。このリストの最初のエージェント、Create NotesBench Mail Person Documents は、ユーザー文書のワークロードの設定と HTTP パスワードの設定に使用します。その他のエージェントは、ワークロード設定を修復および変更するために使用します。
テストを実行すると、スクリプトとサーバー統計の各種測定基準を表示でき、必要に応じてテスト出力を個別のファイルに保存できます。サーバー統計の測定基準は、Domino® サーバーによって生成されます。スクリプトの測定基準は Server.Load のコマンド名と同じであり、そのコマンドのパフォーマンスを表示します。たとえば Add 測定基準を選択すると、Add コマンドの結果が [Metrics] ウィンドウに表示されます。
Server.Load を使用するには、Server Under Test (SUT) に Domino® サーバーをインストールし、各クライアントに Domino Administrator クライアントと Server Load Utility をインストールする必要があります。
Server.Load には、スクリプトがセットで組み込まれています。しかし、ゼロの状態からカスタムスクリプトを作成することもできます。
Cluster Mail Initialization Workload は、サーバー上にメールデータベースを作成し、SUT へスケールされた多数の文書をメールデータベースに埋め込みます。
Cluster Mail Workload は、メッセージングに双方向 Domino® クラスタを使用するサイト内のメールユーザー用のクラスタをシミュレートする Notes® トランザクションを実行します。
DWA85 Workload は、ブラウザからメールを送信、取得、削除する、フルモードのアクティブな iNotes® ユーザーを示します。
DWA85Lite Workload は、ブラウザからメールを送信、取得、削除する、ライトモードのアクティブな iNotes® ユーザーを示します。
DWA85 Initialization Workload は、サーバー上にメールデータベースのセットを作成し、メールデータベースにメールを埋め込みます。メールデータベースには、NOTES.INI 変数の NumMailNotesPerUser に指定された文書 (メッセージ) 数が記録されます。NB_MailRealFromField=1 を設定すると、メールメッセージが他の有効なユーザーからのメッセージのように見えます。このワークロードは次に、プリファレンスを設定し、新しく取り込まれた受信ボックスから 5 つのメッセージを読み取り、Domino® ディレクトリ内の有効なユーザー範囲からの送信者としてランダムな名前を設定して、5 つのメッセージすべてに返信します。
NumMailNotesPerUser
NB_MailRealFromField=1
R5IMAP Initialization Workload を実行すると、IMAP メールファイルの作成と同ファイルへの SMTP メッセージの埋め込み、メールファイルの初期化と IMAP への変換が行われます。
R5IMAP Workload テストは、アクティブな IMAP メールユーザーのログインを一度シミュレートし、次にメールの送受信をシミュレートします。このスクリプトには平均して 15 分の待機時間を含んでいるため、平均的なユーザーは、1 時間あたり最大で 4 回このテストを実行できます。スクリプトを繰り返すたびに、IMAP メールメッセージの取得、SMTP メッセージの送信、複数の LDAP 検索要求の実行が NumMessageRecipients スクリプト変数の値に基づいて行われます。各テストユーザーが送信した SMTP メッセージは、SUT 上の他のテストユーザーのメールデータベースに配信されます。
R6IMAP Initialization Workload はサーバーのメールデータベースを開き、メールデータベースにデータを埋め込みます。メールデータベースの作成に使用するテンプレートは、NOTES.INI 変数の MailTemplate に指定する必要があります。
R6IMAP Workload は、IMAP メールで通信するサイト内のメールユーザー用のサーバーをシミュレーションする Domino® トランザクションを実行します。メールメッセージを受信することによって IMAP プロトコルを中心としたテストを行うだけでなく、SMTP メッセージを多くの受信者に送信してそれらの受信者の LDAP 検索を実行することにより、SMTP と LDAP のテストも行います。
iNotes® Initialization Workload は、サーバー上にメールデータベースのセットを作成し、メールデータベースにメールを埋め込みます。メールデータベースには、NOTES.INI 変数の NumMailNotesPerUser に指定された文書 (メッセージ) 数が記録されます。
iNotes® は、Domino® メッセージング機能と Personal Information Management (PIM) 機能に Web ベースでアクセスするための Web クライアントです。
NRPC Mail Initialization Workload を使用して、R5 Simple Mail Routing Workload と R6 Mail Routing Workload の準備をします。NRPC Mail Initialization Workload は、R5 Simple Mail Routing Workload と R6 Mail Routing Workload のメールデータベースを作成します。
R5 Simple Mail Routing Workload では、アクティブな Notes® メールユーザーによるメールの送受信、会議招集の作成と送信、予定のスケジュール設定をシミュレートします。このスクリプトには平均して 15 分の待機時間が含まれているため、平均的なユーザーは、1 時間あたり最大で 4 回このテストを実行できます。
R6Mail Routing Workload は、メールを読み取り、送信するクライアント上のアクティブユーザーをシミュレートします。そのために、カレンダーおよびスケジュール機能を使用して予定をスケジュールし、招集を送り、招集に対する RSVP を送ります。
N8Mail Initialization Workload を使用して、N8Mail Workload と N7Mail Workload の準備をします。このワークロードにより、両方のワークロードを実行するために必要なメールデータベースが作成されます。
N8Mail Workload と N7Mail Workload は、それぞれ Notes® 8 クライアントと Notes 7 クライアント上のアクティブユーザーをシミュレートします。これらは、同じカレンダー操作とメール操作一式を実行する Domino® 8 サーバー上で動作します。平均的なユーザーは、このスクリプトを 1 時間に 4 回実行します。
SMTP/POP3 Workload は、SMTP と POP3 を経由してメールを取得、送信するアクティブユーザーをシミュレートします。このスクリプトには、平均して 10 分間の待機時間を含んでいるため、平均的なユーザーは 1 時間あたり最大で 6 回このテストを実行できます。
Domino® Administrator クライアントには、3 つの HCL Sametime® Workload が含まれています。
Idle Workload では、Domino® サーバーがサポートできるセッションの最大数を設定します。このテストは、単にクライアントとサーバー間のセッションを確立するだけで、Notes® トランザクションは実行されません。セッションの開始に必要なリソース以外は使用しません。
R5 Shared Database Workload では、アクティブユーザーが実行する共有データベース操作がシミュレートされます。これらの操作には、ビュー操作、未読文書のナビゲーション、文書の閲覧、共有データベースでの文書の追加または更新があります。
Web Idle Workload では、Web ブラウザユーザーの SUT ホームページへのアクセスをシミュレートします。このスクリプトには 1 分間の待機が含まれているため、平均的なユーザーは、1 時間あたり約 60 回このテストを実行できます。
このトピックでは、Web Mail Initialization Workload のテストについて説明します。
Web Mail Workload は、アクティブな Web メールユーザーがブラウザを使用して Notes® メールを送信、取得、削除するのをシミュレートします。
Server.Load の Workload Data Rollup 機能は NotesBench データロールアップ機能を利用しており、テストドライバのグループと SUT からのテストデータを 1 つの分析用のデータファイルにまとめることができます。Workload Data Collection カスタムスクリプト SHSTAT.SCR は、 ワークロードの実行中に SUT からパフォーマンスデータを収集します。ワークロードが完了すると、Workload Data Rollup スクリプトはパフォーマンスデータをロールアップします。
Server.Load スクリプトは、単純なコマンド言語である Server.Load 仕様言語で書かれたステートメントで構成されます。
サンプルの Server.Load スクリプトはどれでも自由に使用することができます。そのまま使用することも、カスタマイズスクリプトを作成するベースとして利用することもできます。
Server.Load では、このトピックで説明する次のロジックを使用して、メールを送信する際のアドレスの範囲を決定します。
ドメインインデクサタスクが実行されるたびに、ドメインカタログで [マルチデータベース索引を含む] プロパティが有効になっている新規データベースが検索されます。次に、既存のデータベースとファイルシステムで、前回の実行時以降に新規作成または変更された文書やファイルを検索されます。見つけられたデータベース、文書、ファイルは、ドメイン索引に追加されます。
Domino® サーバーの基本的なパフォーマンスと容量のほか、エージェントマネージャー、データベースと Domino ディレクトリ、ディレクトリカタログ、LDAP 検索、メール、Web サーバー、および UNIX™ サーバー。
Domino® Web サーバーを設定し、正しく動作することを確認したら、サーバーのパフォーマンスと応答時間を確認します。
Domino® には特定の環境における効率性を高める機能がありますが、これらの機能はデフォルトでオンになっていない場合があります。
データベースの詳細プロパティには、パフォーマンスを最適化する機能や圧縮機能が含まれるだけでなく、未読マークや削除復旧機能などの利便性機能を管理する方法も含まれます。
Domino® クラスタ統計には、クラスタの分析に役立つ 3 つのカテゴリがあります。
Domino® Administration クライアントのワークステーションの CPU 使用率が長時間 100% である場合、Server Health Monitor はワークロードが遅れないようにするためサーバー統計データを破棄します。