Domino® ドメインでディレクトリサーバーを使用する
HCL Domino® ドメインはクライアントとサーバーのネットワークであり、そのユーザー、サーバー、接続、アクセス制御情報が Domino® ディレクトリーと呼ばれる単一のデータベースに記述されます。組織の中で最初のサーバーを設定すると、Domino® によって Domino® ドメインと、そのドメインの Domino® ディレクトリーが作成されます。このドメインにサーバーを追加すると、それらのサーバーは、Domino® ディレクトリーのレプリカをプル (PULL) します。新しくドメインや Domino® ディレクトリーを作成するには、最初のサーバーを設定します。
このタスクについて
各 Domino® ドメインには、Domino® ディレクトリ用のシステム管理サーバーが最低 1 つあります。システム管理サーバーは、Domino® ディレクトリーに対する変更を自動化する、システム管理プロセスへの要求内容を実行します。デフォルトでは、ドメインで最初に設定されるサーバーが、その Domino® ディレクトリ用のシステム管理サーバーになります。
Domino® ドメインにあるディレクトリサーバーのうち、特定のサーバーをディレクトリサービスの提供に特化できます。クライアントや特定用途のサーバー (たとえば、メールサーバーやアプリケーションサーバー) は、ディレクトリサーバーを使用して、ユーザー、グループ、その他の情報を参照します。
ディレクトリサーバーは、以下の操作を実行します。
- 集中型ディレクトリアーキテクチャでは、構成ディレクトリーを持つサーバーがリモートアクセスする 1 次 Domino® ディレクトリーを格納します。
- LDAP サービスを実行します。
- Dircat タスクを実行して、ディレクトリー・カタログを構築および格納します。
- ディレクトリーカタログに集約されたディレクトリーのレプリカを格納します。
- ドメイン内のサーバーがディレクトリアシスタント経由でアクセスする 2 次 Domino® ディレクトリーのレプリカを格納します。
HCL Notes® クライアントは、名前とアドレスを検索するためにメールサーバーではなく、ディレクトリサーバーを使用するように設定できます。
Domino® ドメインで集中型ディレクトリアーキテクチャを使用する
このタスクについて
本リリースまで、企業では分散型ディレクトリアーキテクチャが使用されていました。このアーキテクチャでは、Domino® ドメインにあるすべてのサーバーが、そのドメインの 1 次 Domino® ディレクトリーのレプリカをすべて持ちます。1 次ディレクトリーにはすべてのタイプの文書が含まれます。これらの文書には、ユーザー文書やグループ文書などのディレクトリサービスの提供に使用される文書や、Domino® サーバーの設定に使用される文書があります。
このリリースでは、企業での集中型ディレクトリアーキテクチャの実装が可能になりました。集中型ディレクトリアーキテクチャでは、ドメイン内の少数のディレクトリサーバーが 1 次 Domino® ディレクトリーのレプリカを持ちます。このサーバーには、Domino® ディレクトリーの内容がすべて含まれます。ドメイン内のその他のサーバーは、構成ディレクトリーを持ちます。構成ディレクトリーは、Domino® ディレクトリーのコンパクトな選択レプリカで、Domino® の設定に必要な文書のみを含んでいます。構成ディレクトリーを持つサーバーは、別のサーバーにある 1 次 Domino® ディレクトリ (リモート 1 次 Domino® ディレクトリ) を使用して、ユーザー、グループ、メール受信データベース、リソースの各文書、企業がディレクトリーに追加した新しい種類のカスタム文書にある情報を参照します。
企業が集中型ディレクトリアーキテクチャを採用するメリットは、次のとおりです。集中型ディレクトリアーキテクチャでは、ユーザーやグループの情報が少数のディレクトリレプリカのみに格納されるため、ディレクトリ管理作業に対するシステム管理側からの制御をより緊密に行うことができます。また、ディレクトリサーバーに必要な能力を持たないコンピュータでも、アプリケーションサーバーやメールサーバーを実行できます。これは、アプリケーションサーバーやメールサーバーでは、企業で最大規模のデータベースになる可能性のある 1 次 Domino® ディレクトリーを格納する必要がないためです。さらに、ディレクトリー内のユーザーやグループの情報が頻繁に変更される場合、その変更内容をクリティカルなビジネスアプリケーションやプロセスに反映する必要があれば、構成ディレクトリーを持つサーバーは、その変更に即座にアクセスできます。その変更がローカルに複製されるのを待つ必要はありません。
集中型ディレクトリアーキテクチャを採用する場合は、リモート 1 次ディレクトリーを参照するための十分なネットワーク帯域幅を確保する必要があります。また、フェイルオーバーを行う場合は、ドメイン内で最低 2 個のサーバーをリモート 1 次 Domino® ディレクトリーとして設定することが重要です。