外部ドメイン参照を設定する
ローカルの HCL Domino® ドメイン外のサーバーにあるデータベースを開く必要がある HCL Notes® ユーザーは、接続文書がローカルの連絡先、またはターゲットサーバーへの到達方法を記述したホームサーバー上の Domino® ディレクトリーに存在する場合にのみ、そのデータベースを開くことができます。Notes® ユーザーがさらに簡単に自分のドメイン外のサーバーに接続できるようにするには、外部ドメインネットワーク情報 (EDNI) 文書を Domino® ディレクトリーに作成します。
このタスクについて
EDNI 文書は、GETADRS と呼ばれるサーバータスクと連携してアドレス情報を別の Domino® ドメインからインポートします。これによって、Notes® ユーザーは外部ドメインのサーバーに接続できるようになります。EDNI 文書では、ユーザーの接続先のサーバーを含む外部の Domino® ドメインと接続情報用のプロトコルを指定します。多くの場合、文書を必要とするプロトコルは TCP/IP だけです。ローカルドメインで情報を要求するサーバー (Requesting Server) と情報を提供する外部ドメインのサーバー (Information Server) も指定します。
情報を収集するには、要求サーバーが GETADRS プログラムを実行し、そのプログラムが指定の情報サーバーに対し、外部 Domino® ドメイン内のサーバーのリストを求めます。GETADRS は取得したアドレス情報を AdminP 要求に返し、処理できるようにします。システム管理サーバーが要求を処理すると、元の EDNI 文書への返答文書として Domino® ディレクトリーに情報を配置します。
AdminP がサーバーのアドレス情報をローカルの Domino® ディレクトリーに追加すると、外部ドメイン内のサーバー上のデータベースを開こうとしているユーザーはこの文書の情報を使用して、接続文書を要求せずに接続を確立できるようになります。
EDNI 文書を使用すると、複製や配信を必要としない接続文書が不要になるため、Domino® ディレクトリー内の接続文書の数を削減できます。
EDNI 文書を作成する前に、そのドメインの接続情報が利用できるかどうかを確認します。例えば、外部ドメインのサーバーに複数の TCP/IP ポートがある場合は、EDNI 文書に返されるホスト名とアドレスが、使用できるポートのアドレスではないこともあります。プロトコルにはそれぞれ独自の制限があるため、ネットワークのシステム設定を使用して外部ドメインの参照機能を十分に調査、テストした上で、そのドメインを使用するようにしてください。
ドメイン間で情報を共有するには、情報を要求する Domino® ドメインが外部ドメインと相互認証されている必要があります。
要求サーバーは外部ドメインのサーバー文書から情報を収集するため、サーバー名をうまく参照するには、これらのサーバー文書が正しく設定されている必要があります。たとえば、完全修飾ホスト名や IP アドレスを持つ文書の場合は問題なく参照できますが、サーバーの共通名しか持たない文書の場合は、その共通名が完全なホスト名でない限り参照に失敗する可能性があります。
外部ドメインサーバー参照からのデータは、サーバーアドレスのクライアント要求だけを解決します。このデータはクライアントのサーバーリスト要求に対してはサーバー名を追加しません。
外部ドメインネットワーク情報文書は次のように設定します。
手順
- ローカルドメインが外部ドメインと相互参照されていることを確認します。
- Domino® Administrator で、[設定] タブをクリックします。
- [サーバー] フォルダを開き、[外部ドメインネットワーク情報] をクリックします。
- [外部ドメインネットワーク情報の追加] をクリックします。
- 以下のフィールドに入力し、[保存して閉じる] をクリックします。
表 1. 外部ドメインを追加するためのオプションと説明 フィールド
説明
要求サーバー
外部ドメイン情報を要求するローカルドメインサーバー名。このサーバーは GETADRS タスクを実行して外部ドメイン内の情報サーバーから情報を取得します。
情報サーバー
要求サーバーが情報を取得する外部ドメインサーバー名。
照会ドメイン
外部ドメイン名。
照会するプロトコル
照会する外部ドメインのプロトコル名。両方のドメインで使用されるプロトコルのみを指定します。
- 要求サーバーで GETADRS プログラムを実行します。GETADRS は、次のいずれかの方法を使用して実行します。
- 次のように入力して、サーバーコンソールから手動でプログラムを実行します。
LOAD GETADRS
- プログラムを定期的なタスクとして実行するためのプログラム文書を作成します。GETADRS を定期的タスクとして実行すると、ローカルの Domino® ディレクトリー内の情報と、外部ドメインからの更新との同期が常に取られます。
- GETADRS を要求サーバーの NOTES.INI ファイルにある
ServerTasks
またはServerTasksAt
の行に追加します。ServerTasks のタスクはサーバーの起動時に実行され、ServerTasksAt のタスクは指定の時間に実行されます。
GETADRS が外部ドメインから情報を取得すると、EDNI に指定されているプロトコルごとに、AdminP は外部ドメインネットワークアドレス文書を元の EDNI への返答文書として作成します。各返答文書には、そのプロトコルを使用する、照会先ドメイン内の各サーバーの名前とアドレスが含まれています。
デフォルトでは、AdminP は GETADRS が返した情報を処理して、サーバー文書に指定されている間隔で外部ドメインネットワークアドレス文書を作成します。Tell コマンドを使用して AdminP を手動で実行し、要求をただちに処理するよう強制することもできます。
- 次のように入力して、サーバーコンソールから手動でプログラムを実行します。