Domino® サーバークラスタ内でのメールのフェイルオーバー
HCL Domino® サーバークラスタの設定に応じて、メールは複数ある方法のいずれかでフェイルオーバーします。
クラスタでメールデータベースのレプリカを作成すると、次の場合にフェイルオーバーが発生します。
- ユーザーが開こうとするメールデータベースが使用できない場合
メールのフェイルオーバーは、メールデータベース以外のデータベースの場合と同じように動作します。
- メールサーバーが使用できない状態で、メッセージを送信しようとした場合
メールサーバーが使用できない状態でメッセージを作成した場合でも、ユーザーはメッセージを送信できます。メッセージの配信は別のクラスタサーバーにフェイルオーバーし、このクラスタサーバーで HCL Notes® によってメッセージが送信メールボックスに保存されます。ただし、メッセージを単に保存しただけではフェイルオーバーは発生せず、したがってメッセージが送信者の送信済みフォルダに保存されることもありません。
- ルーターがメールを配信しようとするサーバーが使用できない場合
メールデータベースがあるサーバーが使用できない場合、ルーターは、ユーザーのメールデータベースのレプリカを持つクラスタサーバーにメールを配信しようとします。ルーターは次のようなプロセスで、適切なメールデータベースを見つけます。
ルーターはまず、ローカルサーバーでメール配信のフェイルオーバーが使用できるかどうか、ユーザーのメールサーバーがクラスタ内にあるかどうかを調べます。ローカルサーバーが同じクラスタ内にあり、ユーザーのメールデータベースのレプリカを持っている場合、ルーターはメールをそのデータベースに配信します。ローカルサーバーは同じクラスタ内にあるが、ユーザーのメールデータベースのローカルレプリカがない場合、ルーターは CLDBDIR.NSF を使用してクラスタ内のどのサーバーにレプリカがあるかを調べ、そのサーバーの 1 つにメールを転送します。クラスタ内で使用できるレプリカがない場合、またはレプリカのあるサーバーが使用できない場合、ルーターはメッセージを保持し、フェイルオーバーを使用せずに定期的にユーザーのメールサーバーにメールを配信しようと試みます。
ローカルサーバーがユーザーのサーバーと同じクラスタ内にない場合、ルーターはクラスタ内で使用できる別のサーバーを見つけてそのサーバーにメールを転送します。メールが次のサーバーに到着すると、次のサーバーが前述の処理を行い、これを繰り返すことでメールが配信されます。