クラスタ内でのカレンダー機能の仕組み

HCL Domino® は、カレンダーと空き時間情報データベースのクラスタ化をサポートします。クラスタ化が行われたときは、クラスタ化されていないときと比べ、スケジューリングシステムは少し異なる処理を背後で実行します。ただし、この相違はユーザーには分かりません。

クラスタ化されていない場合、各サーバーにはそのサーバーをメールサーバーとして使用するすべてのユーザーのスケジュール情報を含むデータベースが置かれます。このデータベースは、busytime.nsf というファイル名を持ち、[空き時間情報] データベースとして知られています。クラスタ化されている場合、そのクラスタにメールサーバーを持つすべてのユーザーに対して単一の [空き時間情報] データベースがあります。このデータベースは clubusy.nsf というファイル名を持ち、クラスタにあるすべてのサーバー上のすべての [空き時間情報] データベースに関する情報を含んでいます。クラスタ内のすべてのサーバーに、このデータベースのレプリカがあります。

サーバーをクラスタに追加すると、Schedule Manager はそのサーバーの busytime.nsf データベースを削除し、clubusy.nsf データベースを作成します。次に、クラスタにある他のサーバーとの間でこのデータベースが複製されます。クラスタのユーザーが空き時間を検索する場合、サーバーはまず自身の clubusy.nsf を参照してクラスタのすべてのユーザーの情報を検索します。ユーザーのメールサーバーがクラスタの外にある場合は、空き時間情報を検索する要求がそのサーバーに送信されます。クラスタ外のユーザーがクラスタ内のユーザーに関する情報を要求したとき、そのクラスタ内のユーザーのメールサーバーが使用できない場合はクラスタにある別のサーバーに要求がフェイルオーバーされます。クラスタにあるサーバーの clubusy.nsf に変更が発生すると、クラスタレプリケータはクラスタにある他のサーバーに変更を複製します。

サーバーをクラスタから削除すると、Schedule Manager はそのサーバーから clubusy.nsf を削除し、次にそのサーバーに busytime.nsf を作成します。クラスタにある各サーバーの Schedule Manager は、clubusy.nsf のそれぞれのレプリカから削除情報を消去します。