Domino で IMAP をサポートするためにメールファイルを変更する方法
IMAP クライアントは、IMAP が使用できるよう特別に設定された標準の Domino® メールファイルを使用します。登録されている Notes® ユーザーのメールファイルへの IMAP アクセスを有効にすると、そのユーザーは Notes クライアントまたは IMAP クライアントからメールファイルにアクセスできます。
標準の Domino メールファイルでは、メールファイル内のメッセージに関する情報がメッセージのデータベース項目内に保存されます。Notes クライアントは、これらの項目に保存されている情報を読み込んだり変換したりできますが、IMAP クライアントはできません。IMAP クライアントをサポートして IMAP 固有の情報を保存するには、Domino メールファイルに特別な IMAP データベース項目を追加する必要があります。
IMAP は独自の属性セット内にメッセージに関する情報を保存します。Domino メールファイルを IMAP で使用するには、メールファイル内の Notes/Domino 項目を IMAP 属性に変換する必要があります。また、今後メールファイルに配信されるすべてのメッセージで属性情報が IMAP 形式で保存されるようにメールファイルを設定する必要があります。
IMAP クライアントが Domino メールファイルにアクセスできるようにするには、メール変換ユーティリティを実行します。変換処理によって、メッセージ ID やフォルダのロケーションなど各メッセージに関する情報がメッセージの IMAP 属性に格納され、今後メッセージが配信される際にこれらの IMAP 属性を追加するようルーターに通知するフラグがメールファイルに設定されます。
ユーザーが IMAP サービスにログインする前に、メール変換ユーティリティを手動で実行してメールファイルを変換することも、ユーザーが最初にログインしたときに自動的にメールファイルが変換されるように IMAP サービスを設定することもできます。
クライアントによるメッセージヘッダーのダウンロードのパフォーマンスを向上させるために IMAP 属性を追加する
IMAP クライアントが IMAP 対応のメールファイルを開く場合、メッセージヘッダーの表示を可能にするための情報を要求する FETCH コマンドを IMAP クライアントがサーバーに発行します。ルーターは、IMAP クライアントによるメッセージヘッダーのダウンロードのパフォーマンスを向上させるために、IMAP 対応のメールファイルに配信されるメッセージに次の IMAP 属性を追加します。
$Content_Type
IMAP_BodyStruct
IMAP_RFC822Size
これらの属性には、メッセージの MIME コンテントタイプ、構造、サイズに関するサマリー情報が含まれます。属性が正確にどのように使用されるかは、クライアントによって異なります。ほとんどすべてのクライアントがサイズに関する情報を要求します。また、形式と本文の構造に関する情報を要求するクライアントもあります。これらのサマリー属性が存在する場合、クライアントの FETCH 要求の応答として IMAP サービスがメッセージヘッダーを返すときに、IMAP サービスはメッセージをそれぞれ開いて情報を取得するのではなく、属性の情報を使用して要求に応えます。その結果、サマリー属性が存在しない場合よりも迅速にメッセージヘッダーがクライアントに表示されます。Notes のリッチテキスト形式でメッセージの割合が多い大きなメールファイルの場合に、特に応答時間が短縮されます。
変換ユーティリティを実行してメールファイルで IMAP を使用できるようにした後に、これらの属性をメッセージに追加するには、-h
オプションを使用して変換ユーティリティを再度実行する必要があります。メールファイルでの IMAP の使用を可能にするために最初に実行するメールファイルの変換では、CONVERT を手動で行うか IMAP サービスによって自動的に行うかにかかわらず、メールファイル内の既存のメッセージには IMAP 固有の属性は追加されません。このため、IMAP を使用できるようにする前にメールファイルに追加されたメッセージにはこれらのサマリー属性は含まれません。
ユーザーのユーザー文書で優先するメール保存形式が [MIME 優先] に設定されている場合は、メールファイルで IMAP を使用できるようにした後に、ルーターによってこれらの IMAP 属性がメッセージに自動的に追加されます。ただし、Notes のリッチテキスト形式で保存されているメッセージには追加されません。