Microsoft Hyper-v クラスターのオペレーティング・システム・サーバーのパッチ適用の自動化

Server Automation を使用して、Microsoft Hyper-V クラスターのオペレーティング・システム・サーバーのパッチ適用を、データ可用性グループの操作に影響を与えることなく自動化できます。Server Automation により、パッチ適用の際にクラスターを管理する複数の Tasks を使って、パッチ適用プロセスを自動化できます。Tasks はノードを一時停止し、すべての仮想マシン、グループ、リソースをノードから移動して、パッチ適用のためにノードの準備を整えます。その後、必要なパッチが自動化フローの一環でオペレーティング・システムに適用されます。オペレーティング・システムにパッチが適用された後、自動化フローによりノードはパッチ適用前の元の状態に戻されます。

始める前に

  • パッチを適用する各エンドポイントに制御スクリプトをインストールする必要があります。Server Automation タスク 110 Install Windows Cluster Control Application を使用して、制御スクリプトをインストールします。
  • パッチを適用する各ノードに Powershell 機能がインストールされている必要があります。デフォルトで Microsoft Server の 2008 リリース 2 以降のすべてのインスタンスにインストールされています。ただし、コア・インストールは例外です。コア・インストールの場合は、以下のリンクを使用して Powershell をインストールします。

このタスクについて

自動パッチ適用フローには、2 つのフェーズがあります。最初のフェーズでは、1 つのノードまたはノードのグループにパッチが適用されます。2 番目のフェーズでは、ノードのグループの 2 番目のノードにパッチが適用されます。このようにパッチの適用を管理することにより、クラスターは常に作動状態を保ちます。フェーズ 1 では Tasks のシーケンスを実行して、クラスター内の 1 番目のノードまたはノードのグループのパッチ適用を管理します。その後、クラスター内の 2 番目のノードで同じステップを繰り返します。以下のオペレーティング・システムがサポートされています。
  • Windows 2012
  • Windows 2012 リリース 2
  • Windows 2008 リリース 2 以降

パッチ適用プロセスを自動化するには、自動化プランを実行します。自動化プランにはいくつかのステップが含まれており、各ステップはパッチ適用プロセスのステージを表しています。新しい自動化プランを作成できるほか、すぐに使用できるサンプル・プランのステップの一部を変更するなどして、既存の計画を修正したりもできます。

手順

  1. Task ID 117 Pre-patching Task for clustered Microsoft HyperVisor Servers をステップ 1 としてプランに追加します。プランを実行する際に、クラスター内の最初のノードまたはノードのグループを対象とします。
    この Task は以下の機能を実行します。
    1. クラスター内のすべてのグループと仮想マシン (どのノード上にあるか、クラスター内の各リソースの状態を含む) の詳細を示したファイルを作成します。クラスターに空のグループ (リソースのないグループ) がある場合は、これらのグループの詳細を示す 2 つ目のファイルを作成します。
    2. ノードを一時停止します。
    3. 仮想マシンの移動先として使用できる他のノードがあるかどうかを確認します。他のノードが使用可能な場合は、選択した方法 (ライブマイグレーションまたはクイックマイグレーション) を使用して仮想マシンが移動されます。仮想マシンが現行ノードでのみオンラインになるように設定されている場合 (他の所有者候補が設定されていない場合)、仮想マシンはオフラインになります。仮想マシンに他の所有者候補がいても、これらの所有者が使用可能でない場合は、Task は仮想マシンをノードから移動できず失敗します。
    4. 他の使用可能な所有者がいるグループを移動します。グループを引き受けられる他の所有者がいない場合、Task は失敗します。現在のノードでのみオンラインになるように設定されたグループ (グループの潜在的な所有者として設定されたターゲット、またはグループ内の 1 つ以上のリソース) はオフラインになります。
    5. 空のグループをオフラインにします。
    6. ノードが一時停止していること、アクティブなグループが残っていないこと、サーバー・オペレーティング・システムのパッチ適用に適した状態であることを確認します。
    注: この Task では Task が実行される前にオフラインだったグループは移動されません。
  2. 必要なオペレーティング・システム・パッチ適用 FixletTaskBaseline をプランの 2 番目のステップとして追加します。プランを実行する際に、クラスター内の最初のノードまたはノードのグループを対象とします。
  3. Server Automation Task 126 Restart Endpoint and Wait for Restart to Complete を追加して、クラスター内の 1 つ目のノードまたはノード・グループを再起動します。プランを実行する際に、クラスター内の最初のノードまたはノードのグループを対象とします。
  4. パッチ適用後 Task 129 Post Patching task for Microsoft Server Clusters (Server 2008 R2 onwards including Hyper-V Clusters) を追加して、ノードを元の状態に戻します。この Task が正常に実行されると、クラスター内の最初のノードにパッチが適用されて、バックアップと実行が行われます。プランを実行する際に、クラスター内の最初のノードまたはノードのグループを対象とします。
    この Task は以下の機能を実行します。
    1. ノードを再開します。
    2. クラスター詳細ファイルがターゲット・エンドポイントで検出された場合、Task はこのファイルを確認し、仮想マシンおよびグループがパッチ適用中にノードから移動されていた場合は、それらをノードに戻します。その後、Task はパッチ適用前にグループの唯一の所有者としてターゲット・ノードを持っていた空のグループをオンラインに戻します。
  5. さらに 4 つのステップをプランに追加して、2 番目のノードまたはノードのグループに対してステップ 1 から 4 を繰り返します。これらの各ステップにおいて、クラスター内の 2 番目のノードを対象にする必要があります。