Microsoft Exchange 2010 以降のデータ可用性グループを実行するサーバーのパッチ適用
Server Automation タスクを使用して、Microsoft Exchange 2010 と Exchange 2013 (Exchange 2013 SP1 以降のバージョン) のデータ可用性グループ (DAG) を実行するオペレーティング・システムにパッチを適用しつつ、DAG の可用性を維持できます。さまざまなタスクとサービスを使用して、オペレーティング・システムにパッチを適用します。このタスクは Exchange 2010 と Exchange 2013 に備わっている Microsoft Exchange スクリプトの実行を自動化します。自動化プランでこれらのタスクを実行し、基盤となるオペレーティング・システムへのパッチ適用のカスタム・タスクと組み合わせ、パッチ適用プロセス全体を自動化できます。
始める前に
- Exchange 2013 の場合、Exchange 2013 Service Pack 1 以降のバージョンがサポートされています。Exchange 2010 はすべてのバージョンがサポートされています。
- パッチ適用ステップを実行する前に、制御スクリプトをインストールする必要があります。タスク
110-Install Windows Cluster Control Applicationを使用して、制御スクリプトをインストールします。 - IBM Exchange Cluster Manager サービスがインストールされている必要があります。タスク
123 Install IBM Exchange Cluster Manager Serviceを使用して、サービスをインストールします。 - .Net Framework 4.0 が各ノードにインストールされている必要があります。Fixlet
40301 UPDATE: Microsoft .NET Framework 4.0 Available -Site-Patches for Windowsを使用して、各ノードで .Net Framework 4.0 をインストールまたは更新します。
このタスクについて
自動化プランで実行されるスクリプトは、Microsoft が提供します。これらのスクリプトの詳細については、以下の Microsoft リソースをご参照ください。
Server Automation テンプレートのサンプル・プランを使用し、テンプレートを変更してパッチ適用の Fixlet を追加できます。Exchange 用の Server Automation テンプレートのサンプル・プランは、Fixlet ID 133、134、136、170、171 です。推奨される自動化プランのパッチ適用プロセスは次のとおりです。クラスター内の最初のノードについてステップ 1 から 4 を実行し、次にクラスター内の他のノードについて同様のステップを繰り返します。- http://technet.microsoft.com/en-us/library/ee861125(v=exchg.141).aspx
- http://technet.microsoft.com/en-us/library/dd298065(v=exchg.141).aspx
| タスク | 説明 |
|---|---|
タスク ID 125 - Exchange 2010 and 2013 Start DAG (Database Availability Groups) Maintenance Task |
startDagservermaintainence.ps1 Powershell スクリプトをターゲット・エンドポイントに対して実行します。ノード上のアクティブな DAG がエンドポイントから移動します。エンドポイントは paused 状態となります。クラスター・グループがエンドポイントに存在する場合は、そのクラスター・グループも別のノードに移動されます。DatabaseCopyAutoActivationPolicy はこのスクリプトの実行後にブロックされるよう設定されています。このスクリプトでは、Exchange 2010 グループ以外はノードから移動されません。このスクリプトがエンドポイントに対して実行される際、エンドポイントはパッチまたはカスタム Fixlet が実行できる状態になっています。 |
タスク ID 127 - Exchange 2010 and 2013 Stop DAG (Database Availability Groups) Maintenance Task |
stopDagservermaintainence.ps1 Powershell スクリプトをターゲット・エンドポイントに対して実行します。このスクリプトはノードを再開し、DatabaseCopyAutoActivationPolicy をエンドポイントの各データベースに対して制限なしに設定します。このスクリプトの実行後に、ノードにフェイルバックされるグループはありません。 |
タスク ID 128 - Rebalance Active Databases Task Exchange 2010 and 2013 DAG (Database availability Groups) Task |
RedistributeActiveDatabases.ps1 Powershell スクリプトをターゲット・エンドポイントに対して実行します。このスクリプトは DAG で使用可能なすべてのノード全体でアクティブなデータベースを再配布します。このスクリプトは、BalanceDbsByActivationPreference スイッチを使用します。すべてのパッチ適用が完了した後にサーバー間で DAG を再配布する場合に、エンドポイントの 1 つに対して自動化プランの最後でこのタスクを実行できます。 |
タスク ID 163 - Check Status and Start Services on Microsoft Exchange |
このタスクは任意です。このタスクが実行するスクリプトは、ターゲット・エンドポイントでユーザーが選択した Microsoft Exchange サービスの実行状況を確認します。このスクリプトはデフォルトで、エンドポイントで Running または Pending Restart の状態にない選択済みサービスを開始しようとします。すべての選択済みサービスが Running 期間内に Services startup timeout 状態に変わらなければ、このタスクは失敗します。このタスクの制約と使用方法についての詳細は、「ファイル共有監視にアクセス可能かどうかを確認」をご参照ください。 |
タスク ID 164 - Check File Share Witness status on a Microsoft Windows cluster |
このタスクは任意です。このタスクが実行するスクリプトは、ターゲット・ノードがファイル共有監視と通信できるかどうかを確認します。また、ファイル共有監視用に構成されているファイル共有がターゲット・エンドポイントからアクセス可能かどうかも確認します。このタスクの制約と使用方法についての詳細は、「ファイル共有監視にアクセス可能かどうかを確認」をご参照ください。 |
手順
- タスク ID 125
Exchange 2010 and 2013 Start DAG (Database Availability Groups) Maintenanceをプランに追加します。 - パッチ適用の Fixlet をプランに追加します。
- パッチ適用の Fixlets の完了後に再起動が必要な場合は、Server Automation Fixlet ID 126
Restart Endpoint and Wait for Restart to Completeをプランに追加します。注: クラスターにファイル共有監視が構成されている場合は、Check File Share Witness status on a Microsoft Windows clusterステップの後にオプションとしてタスク ID 164Restart Endpoint and Wait for Restart to Completeを計画に追加できます。この任意のタスクを使用する場合は、タスクの説明で使用方法と前提条件に関する情報を確認し、「ファイル共有監視にアクセス可能かどうかを確認」をご参照ください。また、プランに別のステップを追加して、Microsoft Exchange 上の状況を確認し、サービスを開始することもできます。このステップを追加する場合は、タスク 163Check Status and Start Services on Microsoft Exchangeを追加してください。これらのタスクを両方とも追加する場合は、Restart Endpoint and Wait for Restart to Completeステップの後にタスク 163 を追加してください。 - タスク ID 127
Exchange 2010 and 2013 Stop DAG (Database Availability Groups) Maintenanceをプランに追加します。 - 4 つ以上のステップをプランに追加し (任意のステップの追加状況によって異なります)、クラスター内の追加ノードごとにステップ 1 から 4 を繰り返します。
- プランを実行します。