Unicode サポートの要件と制限事項
以下に、ASCII 以外の文字を使用する場合の BigFix プラットフォーム V10 の要件と制限事項を示します。
- BigFix のインストール:
- BigFix のコンポーネント (サーバー、リレー、Web レポート) は、ASCII 文字だけが使用されているホスト名を持つシステムにインストールする必要があります。
- このコンポーネントのインストール・パスで使用できるのは、ASCII 文字だけです。
- ライセンス・キー・パスワードは 35 文字以下で、二重引用符を使用できません。
- BigFix V10 へのアップグレード:
- BigFix サーバーを V10 にアップグレードする場合は、手動でアップグレードする必要があります。
- アップグレードが完了すると、ASCII 以外の文字が含まれているパスワードが破損するため、そのパスワードを使用してログインできなくなります。その場合、製品を使用する前に、こうしたタイプのパスワードをリセットする必要があります。破損したパスワードをリセットする際に、引き続き同じパスワードを使用することも、ASCII 以外の文字からなる新しいパスワードを使用することもできます。
- 名前や値に ASCII 以外の文字が含まれている設定を持つ BigFix クライアントをアップグレードすると、問題が発生することがあります。こうした名前や値を持つカスタム設定が存在する場合、V10 にアップグレードした後で、それらの値が引き続き有効な値になっているかどうかを確認してください。
- BigFix の適用環境のエンコードのコード・ページがクライアントのコード・ページと異なっている状態でアップグレードを実行すると、存在しない文字セットが原因で、クライアントのインターフェース上のアクション・メッセージ・タブで入力された ASCII 以外の文字が文字化けして表示される場合があります。この問題を回避するには、
/usr/share/fonts/liberation/fonts.dir
ファイルを編集用に開き、存在しないフォントに対する参照を削除し、このファイルの先頭に記述されているフォントの数を、実際に検出されたフォントの数に修正します。また、特定のローカライズ版のインストール済み環境では、xorg-x11-fonts-misc
というフォント・パッケージを使用すると、存在しない文字セットが指定される場合があることにも注意する必要があります。 - V10 より前のクライアントに非 ASCII 文字を使用する設定がある場合、BigFix サーバーを V10 にアップグレード後、それらの設定をリセットすることが必要な場合があります。
filldb
バッファー・ディレクトリーに、レポート・エンコードの予期しない値を使用するレポートが格納されている場合、BigFix を V10 にアップグレードすると、クライアントのfilldb
プロセスが失敗する場合があります。レポート・エンコードの予期しない値の例: ReportEncoding: hp-roman8。このような場合、そのレポートが格納されているfilldb
バッファー・ディレクトリーをクリーンアップしてから、filldb
を再起動してください。- ライセンス・キー・パスワードは 35 文字以下で、二重引用符を使用できません。
- BigFix プロキシー・エージェント:
名前に特殊文字を含むコンピューター・グループへのサブスクリプションは、BigFix プロキシー・エージェントの管理対象のデバイスによって正しく評価されません。コンピューター・グループ名に特殊文字を使用しないでください。
- BigFix のインターフェース:
- BigFix インターフェースでは、通常、FXF エンコードに属する文字 (
x-bes-fxf-charset
に割り当てられた値) のみ使用することができます。例えば、FXF エンコード以外の文字が名前に含まれているカスタム・サイトを作成しようとすると (ここでは、x-bes-fxf-charset
パラメーターが Windows 1252 で、サイト名がSite_albêrto
だと仮定します。「ê」という文字は、Windows 1250 エンコードに固有の文字です)、BigFix コンソールにエラー・メッセージが表示されます。REST API またはコマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用してこのカスタム・サイトを作成する場合も、同じエラーが発生します。この規則は、ASCII 以外の文字が許可される「オペレーター名」フィールドと「Fixlet の説明 (Fixlet Description)」フィールドには適用されません。 - ASCII 以外の文字がユーザー名に含まれているオペレーターの場合、REST API を使用してログインすると、問題が発生することがあります。REST API クライアントでは、UTF-8 エンコード形式を使用することをお勧めします。
- サーバー、クライアント、ダッシュボード、Web レポートを含め、BigFix の API では、UTF-8 エンコードのみサポートされます。
- ASCII 以外のデータを使用すると、動作が変わる場合があります。例えば、以前のバージョンのクライアントとは異なるエンコードを使用すると、アクション・スクリプトで手動でパーセント・エンコードされたデータがデコードされ、異なるアクション操作が実行されることがあります。
- BigFix インターフェースでは、通常、FXF エンコードに属する文字 (
- ファイル:
- カスタム・サイトの名前で使用できるのは、FXF エンコードに属する文字 (
x-bes-fxf-charset
パラメーターに割り当てられた値) だけです。新しいカスタム・サイトを作成すると、BigFix コンソールと REST API により、FXF エンコードに属していない文字が含まれているすべての入力名がブロックされます。適用環境のクライアントで FXF 以外のローカル OS エンコードを使用すると、ローカル・クライアント・ユーザーに対して、サブスクライブ・ファイルとサブスクライブ解除ファイルの名前が正しく表示されなくなる場合があります。 - カスタム・サイトに追加するファイルの場合、ASCII 文字でファイル名を指定する必要があります。
- カスタム・サイトの名前で使用できるのは、FXF エンコードに属する文字 (
- Linux サーバーと Windows HTTP サーバー:
Linux サーバーと Windows HTTP サーバーの両方で、UTF-8 でエンコードされた未加工の URL と、パーセント・エンコードされた UTF-8 の URL を使用できるようになりました。
- クライアント関連度:クライアント関連度では、FXF エンコードの文字 (
x-bes-fxf-charset
パラメーターに割り当てられた値) がサポートされます。セッション関連度では、Unicode 文字がサポートされます。これは、セッション関連度の場合、すべてのインターフェース (BigFix コンソール、Web レポート、REST API、SOAP API) で UTF-8 エンコードが使用されるためです。以下のセッション関連度インスペクターを使用して、BigFix サーバーの FXF エンコードを取得することができます。fxf character set of <bes server>: string
- 鍵交換:
BigFix クライアントは、認証リレーとの鍵交換に、ASCII 文字だけが使用されているパスワードを含めることができます。
- ログファイル:
- 製品のログ・ファイルは、必ず UTF-8 でエンコードされます。Windows 以外のプラットフォームでは、ログ・ファイルのパスと名前で ASCII 以外の文字を使用することはできません。
- _BESClient_EMsg_File 設定でクライアント・ログの名前やパスを変更する場合は、文字の表示に関する問題を防ぐため、ASCII 文字だけを使用するようにしてください。
- DB2 管理ユーザー・パスワード:
DB2 管理ユーザー・パスワードを設定する場合、使用できるのは ASCII 文字だけです。
- ダウンロードとアップロード:
- Windows クライアントでは、ASCII 以外の文字が使用されている URL の動的ダウンロードが失敗します。こうした問題を防ぐため、ファイル内の URL はパーセント・エンコードされた UTF-8 にする必要があります。 例えば、以下のような URL があるとします。
この場合、以下のように指定する必要があります。/tmp/dòwnlòàd
/tmp/d%C3%B2wnl%C3%B2%C3%A0d
- V9.2 以前の Macintosh クライアントの場合、サーバーのコード・ページに含まれていない ASCII 以外の文字がファイル名に含まれているファイルをアップロードすることはできません。
- ASCII 以外の文字がファイル名に含まれているファイルをダウンロードすることはできません。
- ダウンロードするファイルの名前で ASCII 以外の文字を使用することはできません。
- Windows クライアントでは、ASCII 以外の文字が使用されている URL の動的ダウンロードが失敗します。こうした問題を防ぐため、ファイル内の URL はパーセント・エンコードされた UTF-8 にする必要があります。
- コマンド・プロンプト・プロパティー:
BigFix サーバー・ワークステーション上で、コマンド・プロンプト・プロパティーのフォントをラスター・フォントに設定すると、文字の表示で問題が発生する場合があります。コマンド・プロンプト・プロパティーのフォントは、ラスター・フォント以外の値に設定することをお勧めします。
- これまでのクライアント:
FXF コード・ページ以外のコード・ページで V9.2 以前の BigFix クライアントを使用すると、ファイルのアーカイブ操作を実行できない場合がありますFXF コード・ページに存在しない文字がアーカイブ・ファイル名に含まれている場合、アーカイブ操作を実行すると、そのファイルがターゲット・ディレクトリーで使用できなくなります。
- サーバー・システム・ロケール:
サーバー機能の漏えいを回避するため、BigFix サーバーのシステム・ロケールを変更しないでください。
- Web レポート・サーバー:
Web レポートでは、異なる FXF エンコードを使用するデータ・ソースを集計できません。例えば、Windows-1252 のデータ・ソースと Shift-JIS のデータ・ソースを、Web レポート・サーバーの同じインスタンス内で集計することはできません。
- Fixlet デバッガー (QnA) ツールおよび QnA コマンド・ライン:
- Fixlet デバッガーのグラフィック明細ウィンドウにレンダリングできるのは、256 個の固有のテキスト文字のみです。サポートされる範囲外の関連度テキスト文字は、前景色と背景色を反転させた「X」に置換されます。
- QnA ツールで ASCII 以外の文字を使用する場合は、ワークステーションのコマンド・プロンプト・プロパティーで使用するフォントが、ASCII 以外の文字に対応する値に設定されていることを確認してください。この値に設定されていないと、文字が正しく表示されない場合があります。または、ASCII 文字だけを使用するようにしてください。
- クライアントの設定:
BigFix V10 の UNIX クライアントと Linux クライアントの名前を設定する場合、以下の 3 つの文字を含めることはできません。「]」(右大括弧)、「\」(バックスラッシュ)、「=」(等号) の 3 つの文字はいずれも含めることができません。設定名にこれらの文字のいずれかを使用しても「設定の追加 (Add Setting)」は成功したように見えますが、その設定は失われるか、破損します。近隣の設定にも良くない影響が及ぶ可能性があります。
- BES サポート:
- BigFix を韓国語でインストールすると、Fixlets は正しく表示されません。例えば、「アクションの実行」ドロップダウンは空白になります。この回避策として、韓国語以外の言語で BigFix を再インストールして新しいマストヘッドを作成するか、カスタム・サイトを作成して BES サポート・サイトからカスタム・サイトにタスク、Fixlets、解析をコピーします。
- タスク (2283-WARNING: BES Client has local codepage limiting content) がクライアントに関連する場合、クライアントのローカル・コード・ページにはいくつかの制限があり、このコード・ページはサーバーのコード・ページと共通ではないため、理解できるのは ASCII のみである場合があります。この場合は、クライアント・サービスを再起動するだけで問題が解決することがあります。一部のプラットフォームでは、デフォルトのインストールは ASCII (AIX など) でのみ実行可能なため、回避策として、Unicode 言語機能をインストールする必要があります。