AppScan 360° 分散環境のセットアップ
AppScan 360° をインストールする前に、最適なデプロイメント環境を設定します。
HCL ID
HCL ID により、アカウントに有効なライセンスと、ソフトウェアおよびサポートへのアクセス権が関連付けられます。HCL ライセンス、ダウンロード・ポータル、HCL Harbor へのアクセスに必要です。
HCL ID の作成とライセンスおよびソフトウェアへのアクセスの詳細については、この資料を参照してください。
Linux システム
デプロイメントを開始するには、Ubuntu Linux システム (バージョン 24.04 以降) が必要です。実際のデプロイメントは、リモート Kubernetes クラスターにデプロイできますが、デプロイメントはこの Linux マシンから開始されます。システムに Bash シェルと openssl がインストールされていて、指定された SQL サーバーに接続できる必要があります。
inotify インスタンスの数を増やします。fs.inotify.max_user_instances=524288を /etc/sysctl.conf に追加します。- ノードをリブートして、変更を有効にします。
ローカル・コンテナー・サービス (Docker)
Docker は、イメージをリモート・レジストリーにプッシュできるローカル・コンテナー・サービスです。これは、HCL ライセンスおよびダウンロード・ポータルからダウンロードしたアーカイブ・ファイルから AppScan 360° プラットフォームおよび AppScan 修復アドバイザリー をインストールする際に必要です。
Kubectl
Kubectl は、リモート Kubernetes クラスターとの通信に使用されます。
Kubectl のインストールおよび構成の詳しい手順については、こちらをご覧ください。
Helm 3
Helm 3 は、Kubernetes アプリケーションを容易に設定および使用できるようにするための一連のリソースです。
Helm CLI のインストールの詳しい手順については、こちらをご覧ください。
Linux とコンポーネント・サービス間の通信を確認する
> kubectl versionまたは> kubectl get nodesDocker 接続を検証するには、次のコマンドを実行します。
> docker version
> helm versionKubernetes クラスター
このクラスターは、AppScan 360° プラットフォーム・エージェント・コンテナーが存在し、活用される場所です。
ReadWriteMany をサポートするストレージ・プロバイダーが必要です。longhorn のようなカスタム・ストレージ・プロバイダーを使用する場合は、ReadWriteMany をサポートしていることを確認します。
さらに、永続ボリュームにアクセスするポッドの適切なファイル許可とセキュリティーを確保するために、Kubernetes CSI ドライバーに fsGroup セキュリティー・コンテキスト・サポートがあることが必要です。
ingress コントローラー
HTTPS バックエンド・プロトコルをサポートする ingress コントローラーをデプロイします。
推奨される ingress コントローラーは、NGINX (バージョン 1.11.5 または 1.12. 1 以降) です。ただし、適切な ingress コントローラーが既にクラスターに存在する場合、新しいコントローラーをインストールする必要はありません。
-
proxy-body-size: 2g -
proxy-connect-timeout: 3600 -
proxy-read-timeout: 3600 -
proxy-send-timeout: 3600 -
enable-access-log-for-default-backend: true -
ssl-redirect: true -
use-http2: true -
use-forwarded-headers: true -
compute-full-forwarded-for: true
cert-manager
Cert-manager をインストールして設定します。
メトリック・サーバー
Kubernetes 組み込み自動スケーリング・パイプライン用コンテナー・リソース・メトリックの拡張性があり効率的なソース。
MSSQL
MSSQL は、リレーショナル・データベース管理システムです。
SSO (LDAP Active Directory/Open ID Connect)
Active Directory は、ネットワーク内のすべてのユーザーとコンピューターを認証および承認し、ネットワーク・アクセスのセキュリティー・ポリシーを割り当てて適用します。
Open ID Connect は、OAuth 2.0 の上位にある認証層であり、クライアントは認証サーバーによって実行された認証に基づいてエンドユーザーの ID を検証し、さらに相互運用可能で REST のような方法でエンドユーザーに関する基本的なプロファイル情報を取得できます。
ネットワーク
ネットワークは暗号化され、ネットワーク・ポリシーをサポートする必要があります。
ストレージ
AppScan 360° は、2 種類のストレージを使用します。必要なストレージ・スペースは、スキャンの回数とスキャン対象のアプリケーションのサイズによって異なります。ガイドラインとして、1 回のスキャン実行に必要なストレージの平均サイズは、以下のとおりです。
- MSSQL サーバー DB ストレージ: 150 KB
- ファイル・ストレージ: 10 MB
| スキャン実行数 | 1,000 | 100,000 | 1,000,000 |
|---|---|---|---|
| MSSQL サーバー・ストレージ | 150 MB | 15 GB | 150 GB |
| ファイル保管 | 10 GB | 1 TB | 10 TB |
古いスキャンを手動で削除すると、スペースを節約できます。
CPU とメモリー
CPU とメモリーの要件は、ユーザー数と予想されるワークロードによって異なります。
デフォルトでは、Kubernetes ジョブはスキャンごとに最小リソースを割り当てます。場合によっては、ユーザーのアクティブな状態、使用する自動化の程度、アプリケーションのサイズ、スキャンの頻度などの要因により、スキャンを正しく実行するためにさらに多くのリソースが必要になることがあります。リソースが利用可能であると仮定すると、ポッドは定義された最大リソースまでのスケールアップを試みます。スケールアップするのに十分なリソースがない場合、一部のスキャンが失敗する可能性があります。
成功を最大限に高めるには、必要に応じてシステムを拡張できる十分なリソースを提供します。リソースの割り当ては、同時スキャンの数に基づいて行われます。AppScan 360° プラットフォーム・リソース
AppScan 360° プラットフォームのみを実行している場合:| メモリー | CPU (vCore) | ||
|---|---|---|---|
| ASCP | |||
| 最小 | 42 GB | 10 | |
| 最大 | 48 GB | 12 | |
リソースのスキャン中
スキャンを実行する場合のその他のリソース:
| メモリー | CPU (vCore) | ||
|---|---|---|---|
| 動的分析スキャン: シングル・スキャン | |||
| 最小 | 3 GB | 2 | |
| 推奨 | 4 GB | 3 | |
| 動的分析スキャン: 5 件の同時スキャン | |||
| 最小 | 15 GB | 10 | |
| 推奨 | 20 GB | 15 | |
| 動的分析スキャン: 10 件の同時スキャン | |||
| 最小 | 30 GB | 20 | |
| 推奨 | 40 GB | 30 | |
| 静的分析スキャン: シングル・スキャン | |||
| 最小 | 16 GB | 2 | |
| 最大 | 28 GB | 4 | |
| 静的分析スキャン: 5 件の同時スキャン | |||
| 最小 | 80 GB | 10 | |
| 最大 | 140 GB | 20 | |
| 静的分析スキャン: 10 件の同時スキャン | |||
| 最小 | 160 GB | 20 | |
| 最大 | 280 GB | 40 | |
| ソフトウェア・コンポジション分析 (SCA) スキャン: 単一スキャン | |||
| 最小 | 10 GB | 4 | |
| 推奨 | 20 GB | 10 | |
| ソフトウェア・コンポジション分析 (SCA) スキャン: 5 件の同時スキャン | |||
| 最小 | 50 GB | 20 | |
| 推奨 | 100 GB | 50 | |
| ソフトウェア・コンポジション分析 (SCA) スキャン: 10 件の同時スキャン | |||
| 最小 | 100 GB | 40 | |
| 推奨 | 200Gb | 100 | |
- 上記のシングル・スキャンに必要なスキャン・リソースを、予想される同時スキャンの数で掛け、その結果を AppScan 360° プラットフォーム・リソースに足してください。例:
- 5 件の同時スキャンの最小リソースは、122GB メモリーと 20 CPU です (AppScan 360° プラットフォーム用に 42GB + スキャン用に 80GB および AppScan 360° プラットフォーム用に 10 CPU + スキャン用に 10 CPU)。
- 12 件の同時スキャンの最小リソースは、234GB メモリーと 34 CPU です (AppScan 360° プラットフォーム用に 42GB + スキャン用に 192GB および AppScan 360° プラットフォーム用に 10 CPU + スキャン用に 24 CPU)。
- AppScan 360° プラットフォームのインストール中に発行された AppScan 360° ライセンスの数が十分であることを確認します。
- 複数のスキャンを同時に稼働させることができる Kubernetes の設定とリソースの可用性を定義します。
- 25 件を超える同時スキャンはお勧めしません。
各サービスの最大数は、予想されるピーク・スキャン・ロード・プロファイル、つまり、送信されるスキャンのピーク数、ソース・コード/バイナリーのスキャンの比率、および IRX のスキャンの比率によって異なります。これらが不明なために、最初のデプロイメントでは最適な設定を定義できない場合があります。HCL AppScan 360° 設定は実際のスキャン負荷に基づいて調整できます。
データベース
- データベースのインストール、管理、バックアップ、メンテナンス、およびライセンスは、ユーザーの責任です。
- MSSQL Server 2019 以降がサポートされています。
- HCL AppScan 360° をインストールする前に、1 人のユーザーに
db_creator許可を設定してください。
ブラウザー
- Chrome
- Safari
- Edge
- Firefox
認証プロバイダー
| 管理者 | アプリケーション・マネージャー | |
| ユーザー名 | Admin | User |
| パスワード | Admin12! | User123! |
追加のユーザーをオンボーディングするには、HCL AppScan 360° に Microsoft Active Directory が必要です。
画面解像度
HCL AppScan 360° の推奨画面解像度は、1920 x 1080 です。
アクセス・ポイント
| コンポーネント | Ingress URL |
|---|---|
| ユーザー・ポータル | https://<CK_CONFIGURATION_DISCLOSED_SITE_URL> |
| ユーザー API | https://<CK_CONFIGURATION_DISCLOSED_SITE_URL>/api |
| ユーザー API (Swagger) | https://<CK_CONFIGURATION_DISCLOSED_SITE_URL>/swagger |