サポートされている配信プロトコル、形式プロトコル、アクセスプロトコル

Domino® HTTP サービスは、Domino® メールデータベースと連携して、HCL iNotes® クライアントなどの HTTP クライアントにメールサービスを提供します。

Domino® は、メッセージを MIME 形式と Notes® のリッチテキスト形式の両方で送信、保存するため、Notes® クライアントはどちらの形式でもメッセージを作成、送信できます。

メールクライアントは、NRPC、IMAP、POP3 を使用してサーバーからメッセージを取得します。また、 iNotes® クライアントなどの Web クライアントは、Domino® HTTP サービスを使用してメールにアクセスします。Notes® クライアントは、NRPC またはインターネットプロトコル (SMTP、IMAP、POP3) を使用してメールを送信、取得します。

メール配信プロトコル

mail.box では、新規メールを受信すると、ルーターによってメッセージの送信先と送信方法が決められます。デフォルトでは、ルーターは Notes® 配信を使用して、メールをサーバー間で転送します。サーバーでローカルインターネットドメインに対して SMTP 配信と Notes® 配信の両方が有効になっている場合、ルーターはメッセージの宛先への配信に使用する最適なプロトコルを選択します。プロトコルのこの選択は、現在のメッセージ形式、受信者のメールファイルを保持するサーバーの Domino® バージョン、受信者のユーザー文書に指定されている優先するメール形式に基づいています。例えば、POP3 受信者のサーバーには MIME 形式のメッセージを SMTP で配信し、Notes® 受信者のサーバーには Notes® のリッチテキスト形式のメッセージを Notes® プロトコルで配信します。

SMTP を使用してメールを配信するよう Domino® を設定することもできます。SMTP 配信を Notes® 配信の代わりに、または Notes 配信に加えて使用できます。ローカル Domino® ドメイン内の宛先だけ、外部インターネットドメインだけ、またはその両方にメールを転送する際に、SMTP を使用するよう Domino® サーバーを設定できます。

サポートされているメッセージ形式

Domino® は、MIME 形式と Notes® のリッチテキスト形式の両方でメッセージを転送、保存します。メッセージの転送形式は、使用される配信プロトコルによっていくぶん異なり、メッセージが宛先のメールファイルに保存される形式とは異なる場合があります。Notes® 配信を使用してメッセージを転送する場合、ルーターはメッセージを MIME 形式または Notes® 形式のいずれかで処理します。SMTP を使用して送信されるメッセージは常に MIME 形式で送信されます。

メッセージの保存に使用される形式は、ユーザーのユーザー文書に指定されている優先する保存形式によって異なります。メールファイルでは、MIME 形式のみ、Notes® のリッチテキスト形式のみ、その両方の形式で、つまりどのような形式かにはかかわらず、受け入れたときのままの形式でメッセージを保存できます。システム管理者は、各ユーザーのユーザー文書で、ユーザーのメールクライアントに適切な、優先する形式が指定されていることを確認する必要があります。たとえば、IMAP クライアントには MIME 形式のメッセージが必要であるため、常に IMAP クライアントからメールにアクセスするユーザーのユーザー文書には、受信メールの優先する形式として MIME が指定されていなければなりません。

ユーザーが必ず、選択したメールクライアントに最適な形式でメッセージを受信できるように、Domino® は必要に応じてメッセージ形式を変換します。ルーターが、サーバー間の転送時に、またはメッセージをユーザーのメールファイルに配信するときに、メッセージを変換する場合があります。Notes® 形式のメッセージを SMTP 経由で送信する必要のある場合、またはユーザー文書内で Notes® リッチテキストを設定している Notes® ユーザーに MIME 形式のメッセージを配信する場合に、転送時の変換が実行されます。例えば、Domino® IMAP サービスと POP3 サービスは、IMAP クライアントまたは POP3 クライアントが Notes® 形式で保存されているメッセージを取得する必要がある場合に、メッセージを変換します。

Notes® 配信はメッセージを MIME 形式で転送できるため、Notes® 配信と SMTP の両方をサポートするネットワーク上では、MIME 形式のメッセージが両方のプロトコルを経由して宛先に送信される場合があります。

常に SMTP を使用してメッセージをサーバーに送信する POP3 クライアントと IMAP クライアントは、MIME 形式でメッセージを作成します。Notes® クライアントは、目的の受信者が必要とする形式に応じて、Notes® のリッチテキスト形式または MIME 形式のいずれかでメッセージを作成します。ユーザーが Notes® クライアントから別の Domino® メールユーザーにメッセージを送信する場合、このクライアントソフトウェアは受信者のユーザー文書に指定されている優先する形式を確認して、送信の形式を決めます。ユーザーが IMAP クライアントなどのインターネットメールクライアントからメールにアクセスするときと同様に、ユーザー文書が、ユーザーのメールファイルではメッセージが MIME 形式で保存されることを示している場合、送信者の Notes® クライアントソフトウェアはその受信者に MIME 形式でメッセージを送信します。

受信者が Domino® ディレクトリーにリストされていない場合、クライアントソフトウェアはアドレスタイプに対応する形式でメッセージを送信します。つまり、jane_doe@renovations.com などインターネットスタイルのアドレスの受信者には MIME 形式でメッセージを送信し、Notes スタイルのアドレス (Jane Doe/Sales/Renovations@Renovations) の受信者には Notes® のリッチテキスト形式で送信します。

メッセージを複数の受信者に送信する場合、Notes クライアントソフトウェアは、必要に応じて MIME 形式と Notes® のリッチテキスト形式の両方でメッセージを作成します。例えば、Notes® クライアント R4 を使用する受信者には Notes® のリッチテキスト形式のメッセージを作成し、POP3 クライアントを使用する受信者には MIME 形式のメッセージを作成します。

SMTP、Notes® 配信、自動メッセージ変換を組み合わせて使用すると、Domino® では柔軟性のあるメール処理の環境を実現できます。たとえば、インターネット標準だけを使用するメールシステムを設定し、ルーターを使用して SMTP で MIME メッセージを配信できます。Notes® メールだけを使用するメールシステムを設定し、ルーターを使用して Notes® 配信で Notes® 形式のメッセージを配信することもできます。また、SMTP と Notes® 配信の両方を使用するメールシステムを設定し、MIME と Notes® 形式のメッセージを送信でき、自動メッセージ変換を使用してクライアントが適切な形式でメールを受信するようにもできます。

メールアクセスプロトコル

Domino® では、IMAP や POP3 のようなインターネットメールアクセスプロトコルをサポートしており、Notes® クライアントへのメールアクセスも可能です。IMAP クライアントと POP3 クライアントは、それぞれのプロトコルサービスに接続して、SMTP サーバーを経由してメールを取得、送信します。Notes® クライアントは、Notes® プロトコルを使用して Domino® メールサーバーに接続し、メールの読み取りと送信を行うことができます。また、IMAP または POP3 を使用して Domino® サーバーまたは UNIX™ の sendmail サーバーなど Domino 以外のメールサーバーのメールにアクセスできます。