このトピックでは、計画タスクについて概説します。
HCL Domino® を既存の環境に統合する方法を計画する場合は、このロードマップをツールとして使用します。
IBM® i サーバー上での Domino® のインストールとデプロイに関する情報を入手することができます。
最初の HCL Domino® サーバーのインストールと設定を行う前に、サーバーと組織での命名規則とセキュリティーについて計画する必要があります。既存の Domino のインフラストラクチャにサーバーを追加する場合、あらかじめサーバーを登録し、そのサーバー ID とパスワードを有効にしておく必要があります。
最初の Domino® サーバーのインストールと設定を開始する前に、必要なサーバーの機能と物理的なロケーションを検討し、サーバー同士を接続する方法を決定します。
階層名は HCL Domino® のセキュリティーの基礎となるもので、その計画は重要な作業です。階層名を使用すると、社内のサーバーやユーザーを個別に識別できます。サーバーやユーザーを新たに登録する際には、階層名に基づいて認証やシステムへのアクセスレベルが定義されます。また、異なる組織や組織単位のユーザーやサーバーが相互に通信できるかどうかも、階層名によって制御されます。
Domino® ドメインは、同じ Domino ディレクトリーを共有する HCL Domino サーバーのグループです。ドメイン内の Domino サーバーを制御および管理するために、Domino ディレクトリーには、各サーバーのサーバー文書と、各 HCL Notes® ユーザーのユーザー文書が含まれています。
Domino® サーバーのパーティショニングを使用すると、1 台のコンピュータで Domino サーバーの複数のインスタンスを実行できます。そうすると、ハードウェアの費用を削減し、管理するコンピュータの台数を最少化することができます。Domino サーバーを実行する小さなコンピュータを何台も購入するよりも、1 台のよりパワフルなコンピュータを購入し、その 1 つのマシン上で Domino サーバーの複数のインスタンスを実行するほうが、効率的にリソースを活用できます。
認証者 ID と証明書は、HCL Domino® セキュリティーの基礎となるものです。組織の階層名体系内でサーバーとユーザーを正しく配置するには、名前ツリーの各分岐に対して認証者 ID を作成します。認証者は、サーバーとユーザーの登録時に、各サーバー ID とユーザー ID にそれぞれが所属する部署を定義する証明書を「スタンプ」します。同一の名前ツリーに属しているサーバーとユーザーは、互いに通信できます。サーバーとユーザーが別の名前ツリーに属している場合に通信を行うには、相互認証が必要です。
HCL Domino® サーバーのセットアッププログラムを開始する前に、サーバーで設定するサービスとタスクを決定します。
HCL Domino® システムで名前を付ける際には、次のガイドラインを考慮してください。
最初の HCL Domino® サーバーと追加のサーバーをインストールしたら、サーバーを設定して環境を構築します。
サーバー間で、たとえばデータベースの複製やメールの交換などのデータ交換を行うには、サーバーが互いに接続している必要があります。サーバー間の接続は、ローカルエリアネットワーク (LAN) またはワイドエリアネットワーク (WAN) を経由するか、パススルーサーバー (クライアントとその接続先の中間サーバーとして機能するサーバー) を使用するか、インターネットを経由して確立できます。必要に応じて、いつでもサーバー接続文書を作成し、サーバー接続の新規作成や追加を行うことができます。この文書は、必要に応じて修正できます。
HCL Domino® にはさまざまなディレクトリサービス機能が用意されています。
HCL Domino® では、メールシステムのインフラストラクチャを非常に柔軟に構成できるため、内部メッセージと外部メッセージに HCL Notes® 配信または SMTP 配信、あるいはその両方を使用できます。
クラスタを計画する際は現在のパフォーマンスやハードウェアの性能を検討することが重要です。クラスタには、クラスタトラフィックと必要な数のデータベースやレプリカを処理するために十分な CPU 性能、メモリ、ディスク容量が必要です。
HCL Domino® サーバーに対するデフォルトの TCP/IP 設定は、グローバルにバインドされた 1 つの IP アドレスです。つまり、サーバーは、コンピュータ上のすべての NIC の IP アドレスで接続を待機します。同じ TCP ポート経由でサービスを提供する複数の IP アドレスがコンピュータに存在すると、グローバルなバインドは機能しません。
HCL Domino® メールシステムは、次の 3 つの基本コンポーネントで構成されます。Domino メールサーバー、Domino メールファイル、メールクライアントです。Domino メールサーバーは、組織のメッセージングインフラストラクチャのバックボーンであり、インターネットメールサーバーと HCL Notes® メールサーバーの両方として機能します。Domino は、SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)、POP3 (Post Office Protocol version 3)、IMAP (Internet Message Access Protocol)、MIME (Multipurpose Internet Mail Extensions) のサポートを通じて、標準規格に基づいたインターネットメッセージングを提供します。同時に、Domino は、Notes 配信プロトコルの Notes リモートプロシージャコール (NRPC) と Notes リッチテキストメッセージ形式の使用によって Notes メールをサポートします。
HCL Notes® クライアントの計画、インストール、アップグレード、設定を行う場合は、以下の参照情報の一覧を使用します。
Domino® 環境のセキュリティプランニングでは、各種リソースの保護に必要なタスクと機能を理解することが重要です。