IMAP の内部スレッドの使用を設定する

IMAP サービスは、メッセージを取得しようとする IMAP クライアントと HCL Domino® メールサーバー間の媒介として機能します。IMAP クライアントは Domino® サーバーのメールファイルには直接アクセスできません。代わりに IMAP サービスがプロキシとして機能し、各クライアントからのメッセージ取得の要求をメールサーバーに中継して送ります。メッセージデータをクライアントに返すために、Domino® はメールデータベースを開き、要求された情報を IMAP サービスに回します。次に IMAP サービスは要求されたメッセージ情報をクライアントに送信します。

このタスクについて

IMAP クライアントでユーザーが Domino® IMAP サービスにログインすると、IMAP セッションが開始します。Domino® は、サーバーのメインスレッドプールから各 IMAP セッションに固有のセッションスレッドを割り当てます。このセッションスレッドが、クライアントと IMAP サービス間のすべての通信で唯一のチャネルとなります。セッションの終了時に Domino® は、別のクライアントが使用できるようスレッドをプールに返します。

セッションスレッドは、サーバーの IMAP ポートと直接通信してクライアントの入力データを受け取り、受け取った要求の構文を検証し、要求を IMAP サービスのキューに入れて、IMAP サービスからの応答をクライアントに返します。IMAP サービスからの応答が遅い場合は、クライアントが接続を閉じないように、メインスレッドからクライアントに Keep-Alive メッセージが定期的に送信されます。

Domino® サーバーは、クライアントセッションごとにサービスを提供するために新規スレッドを割り当てるため、1 つの Domino サーバーは複数のクライアントと同時にやりとりできます。クライアントはポートに接続し、そのポートを経由してすべての入出力データを交換します。スレッドにはメモリと CPU 時間が必要です。スレッドプールに含まれる物理スレッドには数に制限がありますが、1 つのスレッドがさまざまなタスクで動作するようスレッドの使用は仮想化されています。つまり、情報を待機しているために 1 つのタスクでアイドルの状態になっている単一スレッドをすぐに別のタスクに切り替えることができます。これによって Domino® はプロセッサの使用を最大化して、メモリの使用を最小限に抑えられます。

接続が要求されるたびに物理スレッドを新規作成する必要がないように、Domino® は使用可能なメモリを最大限に活用します。ただし、IMAP セッションの数が多いと、Domino サーバーに負荷を与える可能性があります。サーバーの負荷が大きいときにクライアントで応答の遅延がある場合は、IMAP セッションの数を制限することを検討してください。

内部 IMAP スレッドプール

このタスクについて

Domino® IMAP サービスには、Domino® でクライアントセッションの作成に使用されるスレッドプールとは別の内部 IMAP スレッドプールが用意されています。使用可能なスレッド数のデフォルト値は、サーバーの物理メモリの量に基づきます。IMAP サービスで使用可能なスレッド数の最小値は 50 で最大値は 400 です。IMAP サービスが適切に機能し続けるようにするには、デフォルトのスレッドプール設定を使用し、設定を変更する場合は資格を有するサポート担当者の指示の下にのみ行うことをお勧めします。

使用可能なスレッドは、メインのセッションスレッドが要求をキューに入れたときにアクティブになります。

1. IMAP スレッドプール内のワーカースレッドの種類

スレッドの種類

説明

デフォルトの最大値

FETCH スレッド

クライアントから検証済みの FETCH コマンドを受け取り、Domino® メールサービスに転送します。

プール全体の 80%

FETCH 応答スレッド

クライアントの FETCH 要求に応えるために、Domino® メールサービスからメッセージデータを転送します。

プール全体の 80%

LOGIN 変換スレッド

メールファイルを IMAP 形式に変換します。

None

IMAP スレッドの使用を指定する

手順

  1. 設定するサーバーのサーバー設定文書が既に存在することを確認します。
  2. Domino® Administrator で、[設定] タブをクリックし、[メッセージング] セクションを展開します。
  3. [設定] をクリックします。
  4. メールを制限するメールサーバーのサーバー設定文書を選択し、[サーバー設定の編集] をクリックします。
  5. [IMAP] > [詳細] タブをクリックします。
  6. [作業者のスレッドプール] セクションで、次のフィールドに必要な情報を設定します。
    2. [作業者のスレッドプール] オプション

    フィールド

    説明

    最大 IMAP スレッド数

    IMAP サービスのスレッドプールで使用可能なスレッドの合計数です。メールファイルを Domino® IMAP 形式にアップグレードするための LOGIN 変換スレッド、クライアントからの検証済みの要求を Domino® メールサーバーに転送するための FETCH スレッド、クライアントからの FETCH 要求への応答としてメッセージデータをメールサーバーから転送するための FETCH 応答スレッドがあります。

    FETCH あたりの最大返答スレッド数

    受け取った FETCH 要求に応えるためのメッセージデータの転送に使用可能なスレッドの数です。デフォルトは 4 です。

    FETCH スレッドが許可される最大数

    IMAP サービスで、クライアントからの FETCH メッセージデータの要求を Domino® メールサーバーに転送するときに同時に使用可能なスレッドの数です。

    FETCH 返答スレッドが許可される最大数

    IMAP サービスで、アクティブな IMAP セッションすべてから受け取った FETCH 要求への応答として Domino® メールサーバーからメッセージデータを返すときに使用可能なスレッドの数です。