ローミングユーザーを移動する

Domino® Administrator を使用して、ローミングユーザーのファイルをサーバー間で移動できます。ローミングユーザーのファイル (journal.nsfbookmark.nsfnames.nsf) を移動する際には、オプションとしてユーザーのメールファイルも移動できます。ユーザーのメールファイルとローミングファイルを移動すると、その変更を処理するために数種類のシステム管理要求が生成されます。

ローミング・ユーザーのファイルを移動するには、Domino® Administrator で [ユーザーとグループ] > [ユーザー] > [ツール] > [移動] を選択します。

ローミングユーザーのファイルを移動する移動先サーバーがローカルドメインにない場合、2 番目の要求として [新規ローミングサーバーのアクセスレベルを上げる] 要求が生成されます。移動先サーバーがローカルドメインにある場合は、[新規ローミングサーバーのアクセスレベルを上げる] 要求は生成されません。

ローミングファイルの移動システム管理要求

ローミングサーバーへのアクセス権チェック

トリガー元: Domino® Administrator で [移動] アクションを開始したとき。

実行場所: ローミングファイルが保存されているサーバー

実行のタイミング: 即時

結果: 古いローミングサーバーと新しいローミングサーバーの間の接続文書が調べられ、両方のサーバーで [管理者] のアクセス権が使用できるように ACL が設定されます。

新規ローミングサーバーのアクセスレベルを上げる

このシステム管理要求は、ユーザーのファイルを移動しようとするサーバーにローミングファイルへのアクセス権がない場合に生成されます。

トリガ: [ローミングサーバーへのアクセス権チェック] システム管理要求が実行され、移動先サーバーにローミングファイルへのアクセス権がなかったとき。

実行場所: Domino® ディレクトリのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 古いローミングサーバーと新しいローミングサーバーに [管理者] のアクセス権が付与されるよう両方の ACL が設定されます。[ローミングユーザーのレプリカの作成] システム管理要求が発行されます。ローミングファイルのシステム管理サーバーが移動先のローミングサーバーに変更されます。

ローミングユーザーのレプリカの作成

この要求は 1 回生成されます。これにより、journal.nsfbookmark.nsfnames.nsf のそれぞれに対する 3 つのレプリカが作成されます。

トリガー元: [ローミングサーバーへのアクセス権チェック] システム管理要求が正常に処理されたとき。

実行場所: ユーザーのローミングサーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 3 つのデータベースが移動先サーバーの新しいレプリカにプッシュされます。[ユーザーレコードのローミングサーバーフィールドのモニター] 要求が発行されます。

ユーザー文書のローミングサーバーフィールドのモニター

トリガー元: [ローミングユーザーのレプリカの作成] 要求が正常に終了したとき。

実行場所: ローミングユーザーファイルの移動先となるサーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: ユーザー文書の更新が認識され、[ユーザー文書のローミングサーバーフィールドの置換] 要求が発行されます。

ユーザー文書のローミングサーバーフィールドの置換

トリガー元: [ユーザー文書のローミングサーバーフィールドのモニター] 要求が正常に終了したとき。

実行場所: Domino® ディレクトリのみのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 新しいローミングサーバー情報が、ユーザー文書の [基本] タブにある [ローミングサーバー] フィールドに追加されます。

新規ローミングサーバーへ変更を反映

この要求は journal.nsfbookmark.nsfnames.nsf の各ファイルに対して 1 回ずつ、合計 3 回生成されます。

トリガー元: クライアントによって新しいローミングサーバーの場所が認知され、レプリケータページが新しいローミングサーバーで更新されたとき。

実行場所: 元のローミングサーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 最後の変更内容が新しいローミングサーバーにプッシュされます。[削除するレプリカ情報の取得] システム管理要求が発行されます。

削除するレプリカ情報の取得

トリガー元: [新規ローミングサーバーへ変更を反映] システム管理要求が完了したとき。

実行場所: 元のローミングサーバー。

実行のタイミング: サーバー文書の [Administration Process] タブの [間隔] の設定に従います。

結果: 各ローミングファイルのレプリカ ID が収集され、[レプリカ削除の承認] システム管理要求が発行されます。

レプリカ削除の承認

この要求は journal.nsfbookmark.nsfnames.nsf の各ファイルに対して 1 回ずつ、合計 3 回生成されます。

トリガー元: [削除するレプリカ情報の取得] システム管理要求が正常に完了したとき。

実行場所: すべてのサーバー

実行のタイミング: 管理者の判断による。つまり、管理者が削除を承認したとき。

結果: [レプリカの削除の要求] システム管理要求が発行されます。

レプリカの削除の要求

この要求は journal.nsfbookmark.nsfnames.nsf の各ファイルに対して 1 回ずつ、合計 3 回生成されます。

トリガー元: [レプリカ削除の承認] システム管理要求を管理者が承認したとき。

実行場所: Domino® ディレクトリのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: サーバー文書の [Administration Process] タブの [間隔] の設定に従います。

結果: [レプリカの削除] システム管理要求が発行されます。

レプリカの削除

この要求は journal.nsfbookmark.nsfnames.nsf の各ファイルに対して 1 回ずつ、合計 3 回生成されます。

トリガー元: [レプリカの削除の要求] システム管理要求が正常に完了したとき。

実行場所: 古いローミングサーバー上のレプリカが削除されます。

実行のタイミング: サーバー文書の [Administration Process] タブの [間隔] の設定に従います。

結果: 古いローミングサーバーからレプリカが削除されます。

メールファイルの移動システム管理要求

メールサーバーのアクセス権チェック

トリガ: ローミングファイルとメールファイルを移動するアクションを実行したとき。

実行場所: ユーザー文書で指定されたメールファイルのホームサーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 古いメールファイルサーバーと新しいメールファイルサーバーの間の接続文書が調べられ、両方のメールサーバーに [管理者] のアクセス権が付与されるように ACL が設定されます。[新規メールファイルレプリカの作成] 要求が発行されます。

新規メールファイルレプリカの作成

トリガ: [メールサーバーのアクセス権チェック] システム管理要求が正常に処理されたとき。

実行場所: メールファイルのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 新しいメールサーバーに古いメールファイルのレプリカが作成されます。[新規メールファイルフィールドを追加] システム管理要求が発行されます。

新規メールファイルフィールドを追加

トリガ: [新規メールファイルレプリカの作成] システム管理要求が完了したとき。

実行場所: Domino® ディレクトリのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: ユーザー文書に [NewMailFile][OldMailFile] の 2 つのフィールドが作成されます。[新規メールファイルフィールドのモニター] 要求が発行されます。

新規メールファイルフィールドのモニター

トリガ: [新規メールファイルフィールドを追加] 要求が正常に完了したとき。

実行場所: 新規メールサーバー

実行のタイミング: ルーターによってメールファイルの新しいメールサーバーが認識されたとき。

結果: 新しいメールサーバーのユーザー文書に新しいフィールドが追加されたこと、ルーターから新しいサーバーにメールを配信できることが確認されます。[メールファイルフィールドの置換] システム管理要求が発行されます。

メールファイルフィールドの置換

トリガ: [新規メールファイルフィールドを追加] システム管理要求が完了したとき。

実行場所: Domino® ディレクトリのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 新しいメールサーバー情報がフィールドに追加されます。新しいフィールドがユーザー文書から削除されます。[古いメールファイル][古いメールサーバー] フィールドを [ユーザー] 文書内のフィールドに配置します。サーバーによって、ユーザー文書のフラグが設定されて、クライアントが更新されます。

新規メールサーバーへ変更を反映

トリガ: [メールファイルフィールドの置換] システム管理要求が完了し、ホームサーバーがクライアントを認証したとき。

実行場所: ホームメールサーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: 最新の変更内容とメールが新しいメールファイルにプッシュされます。[削除するメールファイル情報の取得] システム管理要求が発行されます。

削除するメールファイル情報の取得

トリガ: [新規メールサーバーへ変更を反映] システム管理要求が完了したとき。

実行場所: 古いメールサーバー。

実行のタイミング: 即時

結果: メールファイルのレプリカ ID が検索され、[メールファイル削除の承認] システム管理要求が発行されます。

メールファイル削除の承認

トリガ: [削除するメールファイル情報の取得] システム管理要求が正常に完了したとき。

実行場所: 任意のサーバー。

実行のタイミング: システム管理要求データベースで要求を手動で承認または拒否したとき。

結果: [ファイルの削除要求] システム管理要求が発行されます。

メールファイルの削除の要求

トリガ: [メールファイル削除の承認] 要求を管理者が承認したとき。

実行場所: Domino® ディレクトリのシステム管理サーバー。

実行のタイミング: サーバー文書の [Administration Process] タブの [間隔] の設定に従います。

結果: [メールファイルの削除] システム管理要求が発行されます。

メールファイルの削除

トリガ: [ファイルの削除要求] システム管理要求が完了したとき。

実行場所: 元のメールサーバー。

実行のタイミング: サーバー文書の [Administration Process] タブの [間隔] の設定に従います。

結果: 元のメールサーバーから古いメールファイルが削除されます。