リソースバランシングの動作について理解する
リソースバランシングの動作を設定する際、リソースバランシング時の移動量と精度の度合いとの間でバランスをとります。精度は、許容される移動回数に基づいて、移動がどの程度正しく行われるかを示します。精度の値を大きくすると、リソースはより均一に分散されます。
Domino® Change Control データベース (DOMCHANGE.NSF) の場所を指定することもできます。Activity Trends はデフォルトでサーバーを自動的に選択します。ただし、この場合、サーバー設定文書で Domino Change Manager サーバーを指定している必要があります。ローカルレプリカを使用する場合または、リモートで作業しており Domino Change Control データベースのレプリカがあるサーバーを使用する場合を除き、デフォルトを使用してください。
リソースバランシングでは、データベースアクティビティが 3 種類のビンに分類されます。
- [軽] -- グラフ表示時の最初のビンで、アクティビティ量は最小です。
- [中] -- グラフ表示時の 2 番目のビンで、アクティビティ量は中です。この割合は、他の 2 つのビンの割合に基づいて計算されます。
- [重] -- グラフ表示時の 3 番目のビンで、アクティビティ量は最大です。
リソースバランシングでは、サーバー間でビンのバランスをとろうとするのと同時に、サーバー間で全体のバランスをとろうとします。使用頻度の高いデータベース (トランザクション数が多いデータベース) では変化量も多くなるため、これは重要です。つまり、これらのデータベースは、平均と異なる使用量になることがより頻繁にあります。これらのデータベースは、使用状況に一時的な上昇があるときは大きく上昇し、一時的な低下があるとき大きく低下します。データベースをビンに分類することにより、アクティビティ量の少ない多数のデータベースからアクティビティ量の多い少数のデータベースを選別できます。たとえば、サーバー上の 100 のデータベースのうち、使用状況の 30%を占めるデータベースが 10、他の 30%を占めるデータベースが 65 あるとします。残りの 40%の使用状況は、使用量が中程度の 25 のデータベースで占められています。
ビンに基づいてバランスをとることにより、使用頻度の高いデータベースと使用頻度の低いデータベースの隔たりがサーバー全体で等しく分散されます。その結果、使用パターンが予測可能になって可用性が向上し、リソースをさらに有効に利用できるようになります。
ビンごとの正確な割合は、所属する組織でのデータベースの使用方法とバランスをとるサーバーの種類 (メールサーバーとアプリケーションサーバー) に応じて決定します。一般に、組織のメールサーバーでは、軽いビンのサイズを増やし、重いビンのサイズを減らします。アプリケーションサーバーの場合は、このビンの組み合わせは異なります。
ビンアクティビティのプロフィールチャートを表示し、割合を検討して適切な負荷分散を行うことができます。
サーバーのリソースキャパシティを Activity Trends でどのように分析するかを指定することもできます。デフォルトでは、サーバーキャパシティはリスト内の他のサーバーに基づいて決まります。たとえば、1 倍のトランザクションキャパシティを持つサーバーは、2 倍のトランザクションキャパシティを持つサーバーの半分のトランザクションキャパシティ (CPU) を備えていることになります。ただし、管理者は 1 日あたりのトランザクション数や利用可能な総ディスク容量などの実効値に基づいてリソースのバランスをとることができます。上記の例を使用すると、2 台のサーバーには 10,000 と 20,000 のトランザクションキャパシティがあると指定することになります。一方、実効値に基づいてリソースのバランスをとると管理者が選択した場合、対象となるサーバーに指定したキャパシティは、それらのサーバーが処理可能なものであることが確認されている必要があります。
サーバーのリソースキャパシティを指定するもう 1 つの方法は、サーバーボリュームがどのように決定されるかを指定することです。リソースバランシング時にサーバーボリュームまたはファイルシステムの情報を使用することもできますし、ボリューム情報を無視してすべての容量を均一に扱うこともできます。デフォルトでは、ボリューム情報を使用します。この場合は、サーバー上の総ディスク容量だけではなく、Domino で利用可能な空き容量を構成する各種の物理ボリュームとそのサイズが使用されます。ボリュームバランシングを行うことを推奨します。これによって移動先サーバーの特定ボリュームのディスク空き容量の要件のために、別のサーバーに移動したデータベースの移動先パスが違ってしまうことがあります。