Notes のシングルユーザーからマルチユーザーへの移行支援ツールについて理解する
シングルユーザーからマルチユーザーへの移行ツールを使用すると、Notes® のシングルユーザーインストールをマルチユーザーインストールに変換することができます。
- 純粋な Notes シングルユーザーインストールを、同じリリースのマルチユーザーインストールに変換する
- シミュレートされた Notes マルチユーザーインストール (シングルユーザーインストール内で各ユーザーのデータディレクトリを共有ドライブにマップすることで、マルチユーザー環境をシミュレートしたもの) を、同じリリースの真のマルチユーザーインストールに変換する
Notes のマルチユーザーへの移行支援ツールは、用意されている Visual Basic スクリプト (MUMigrationAssistant.vbs) を実行します。このスクリプトは、カスタマイズされた設定ファイル (MUMigrationAssistant.ini) によって制御されます。この設定ファイルを使用すると、独自のデプロイメント環境に合わせて移行をカスタマイズすることができます。スクリプトファイルと設定ファイルはどちらも Notes インストールキットの Utility フォルダにあります。
スクリプトを実行すると、設定ファイルが読み取られ、移行に必要な操作 (ユーザー固有の NOTES.INI 値とレジストリ設定の変更、シングルユーザーインストールからマルチユーザーインストールへの変換) が行われます。スクリプトを実行する前に設定ファイルを編集して、ユーザー固有の詳細 (移行元と移行先のデータディレクトリの場所など) を指定してください。
通常、MUMigrationAssistant.vbs スクリプトのアクションは MUMigrationAssistant.ini 設定ファイルの内容によって制御されますが、このスクリプトは内部的に記述されるため、独自にカスタマイズされたデプロイメント環境をサポートするように直接変更を加えることができます。
Notes 8.5.1 は、データディレクトリが設定可能なマルチユーザーインストールをサポートする最初のリリースです。以前のリリースでは、管理者が Notes シングルユーザークライアントをインストールした後、ユーザーデータディレクトリを共有ドライブにマップする方法で、Notes マルチユーザーインストールをシミュレートする場合がありました。各ユーザーは共有ドライブ上に固有のデータディレクトリを持てるため、結果的にマルチユーザー環境がシミュレートされていました。この移行ツールを使用すると、シミュレートされた Notes マルチユーザーインストールを真の Notes マルチユーザーインストールに変換することができます。
シミュレートされたマルチユーザーインストールを変換する必要がある場合は、このツールを 2 回以上実行することになります。まず、管理者がこのツールを実行して、共通の共有ファイルを移行し、Windows のレジストリ設定を変更します。管理者はさらに、各ユーザーが次に Windows にログインしたときにツールを自動的に実行する Windows ログインスクリプトを作成します。各ユーザーがログインすると、ログインスクリプトによって移行ツールが実行され、設定ファイル内の設定から変更内容が判別されます。