配信の接続コストを変更する
HCLNotes® 配信によって配信コストが各接続に割り当てられ、このコストを基にサーバー間で最も効率的にメールを配信できる経路が選択されます。ルーターは、コストに関する情報を計算し、ルーティングテーブルに保存します。送信側サーバーと受信側サーバー間でメールを配信するルートが複数ある場合は、ルーターはルーティングテーブルにある配信コスト情報に基づいてメッセージの最小コストを計算します。
このタスクについて
ルーターは、サーバー文書、ドメイン文書、接続文書の情報を基に、ルーティングテーブルを作成します。LAN 接続はコストが低く、ダイヤルアップモデム接続はコストが高くなります。デフォルトでは、LAN 接続はコスト 1 に、ダイヤルアップモデム接続はコスト 5 にそれぞれ設定されています。
注: ダイヤルアップモデム (X.PC) 接続は、Domino® 8.5 よりも前のリリースでのみサポートされています。引き続き Domino Administrator 8.5 を使用してモデムサポートを設定して維持できますが、これは 8.5 よりも前のリリースが実行されているサーバー上でのみ行えます。
サーバー接続が切断されたりネットワーク障害が発生した場合は、ルーターは代替経路を選択して、障害が発生した経路のコストを増やします。
ルーターが経路を選択する仕組み
ルーターは以下の計算に基づいて経路を選択します。
- ルーターが最小コストの経路を計算して選択します。
- 応答がなかったりネットワークのタイムアウトが発生したりして、最小コストの経路が使用できない場合は、ルーターが初期の経路のコストを 1 つ増やします。たとえば、サーバー A とサーバー B との間の LAN 接続の初期コストが 1 で、転送の試行中に接続エラーが発生した場合は、ルーターはサーバー A とサーバー B 間の LAN 接続のコストを 2 に増やします。
- サーバー間のメールの転送をルーターが次に試行するとき、ルーターは再度これらのサーバー間の最小コストを調べます。コストが同じで中継数が少ない代替経路がある場合は、ルーターは代替経路を選択します。たとえば、サーバー A とサーバー B 間に 2 つの経路があり、どちらの経路もコストの合計が 4 だとすると、ルーターはそれぞれの経路で中継数を調べます。一方の経路の中継数が 3 なのに対し、もう一方の経路の中継数が 2 の場合は、コストが同じであるため、中継数が 2 の経路が選択されます。
ルーターは、次の場合に接続コストをリセットします。
- 障害の発生したサーバーからがインバウンドの接続を受信したとき
- 動的なコストのリセット間隔が経過したとき
- ルーターを停止して再起動したとき
デフォルトの配信コストをオーバーライドする
このタスクについて
接続の配信コストのデフォルト設定を変更できます。この設定は、異なる Notes 名前付きネットワークのサーバー間の接続でのみ変更できます。接続に関するデフォルトの配信コストを変更する場合、システムに詳しい HCLDomino システム管理者が変更するようにしてください。配信コストを適切でない値に変更すると、配信のループが作成され、ルーターが代替経路を選択できなくなります。