ポリシーの動作
匿名ユーザー・ポリシー、デフォルト・ユーザー・ポリシー、カスタム・ユーザー・ポリシーをユーザーまたはグループに割り当てて、特定の HCL®Sametime® 機能へのアクセスを許可したり制限したりすることができます。Sametime は、ポリシーのウェイトとグループのネスト・レベルを使用して、どのポリシーを優先するかを判断します。
ポリシーのタイプ
Sametime は、匿名ユーザー・ポリシーとデフォルト・ユーザー・ポリシーという 2 つの事前定義ポリシーを自動的に割り当てます。また、カスタム・ユーザー・ポリシーの作成もサポートします。
| ポリシー・タイプ | 説明 |
|---|---|
| 匿名ユーザーポリシー |
|
| デフォルトユーザーポリシー |
|
| カスタムユーザーポリシー |
|
ポリシーのウェイト
Sametime のユーザー・ポリシーにはウェイトが設定されています。このウェイトにより、あるポリシーの属性が別のポリシーの属性よりも優先されるかどうかが決まります。高いウェイトを持つポリシーの方が、ウェイトの低いポリシーよりも優先されます。Sametime 製品のポリシー・リスト内でポリシーを上下に移動することにより、ポリシーのウェイトを変更して優先順位を制御することができます。匿名ポリシーのポリシーウェイト (最低のウェイトである 0) とデフォルトポリシーのポリシーウェイト (次に低いウェイトである 1) を変更することはできません。
1 人のユーザーまたは 1 つのグループに複数のポリシーが割り当てられている場合は、ウェイトが最も高いポリシーが Sametime によって適用されます。認証ユーザーについては、完全に一致するユーザー ID が検索され、ウェイトが最も高いポリシーが適用されます。特定のユーザー ID に一致する ID がどのポリシーにも存在しない場合、Sametime は、一致するグループのポリシーのうち、ウェイトが最も高いポリシーを適用します。一致するグループが見つからない場合は、デフォルトのポリシーが適用されます。
ポリシーは、1 次 Sametime コミュニティーからのみ適用されます。他のサーバーコミュニティーのポリシーは、ユーザーのデスクトップにプッシュダウンされません。ユーザーの 1 次 Sametime コミュニティーは、 Sametime サーバー・コミュニティーのプロパティ設定にリストされている最初のコミュニティーです。
ネストされたグループに適用されるポリシー
Sametime でポリシーを適用する際に、ネストされたグループをどのように考慮するかと、ウェイトが最も高いグループを Sametime で検索する際にどのレベルの深さまで検索するかを指定することができます。デフォルトの場合、Sametime は、ネストされたグループを 4 レベルまで検索して、最もウェイトが高いポリシーを判別します。検索の深さの上限は 10 レベル、下限は -1 レベル (ネストなし) です。現在のネスト深度よりも深くネストされたグループにポリシーが割り当てられている場合は、デフォルトのポリシーが適用されます。上位レベルのポリシーを継承しているグループに別のポリシーを直接割り当てた場合、それらのポリシーのウェイトには関係なく、直接割り当てたポリシーの方が継承されたポリシーよりも優先されます。
- Renovations グループには、George と Corporate Communications グループが含まれています。
- Corporate Communications グループには、Fernando と Marketing & Merchandising グループが含まれています。
- Marketing & Merchandising グループには、Betty と Marketing Group が含まれています。
- Marketing Group には、Samantha と Sales グループが含まれています。
- Sales グループには、Anne と Brand Specialist グループが含まれています。
- Brand Specialist グループには、Ted が含まれています。

Renovations 社は、どのユーザー・グループが Sametime の各種機能に対するアクセス権を持つかを制御するためのポリシーをいくつか作成しました。各ユーザーが使用できる実際の機能のセットは、これらのポリシーがどのように重み付けされてネストされているかによって異なります。
例 1: ネストされたグループがポリシーを継承する
ポリシー A が Renovations グループに割り当てられています。ネストレベルは、デフォルトの 4 に設定されています。
George は直接 Renovations グループに属しているため、George はポリシー A に割り当てられます。
Fernando のグループは、Renovations グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Fernando はポリシー A に割り当てられます。
Betty のグループは、Renovations グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Betty はポリシー A に割り当てられます。
Samantha のグループは、Renovations グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Samantha はポリシー A に割り当てられます。
Anne のユーザー・グループは、Renovations グループから、定義された制限である 4 レベルを超えてネストされているため、Anne はデフォルト・ポリシーに割り当てられます。
Ted のユーザー・グループも、Renovations グループから、定義された制限である 4 レベルを超えてネストされているため、Ted はデフォルト・ポリシーに割り当てられます。

例 2: ポリシー・ウェイトの高い方が優先される
ポリシー A のウェイトは 3 で、Renovations グループに割り当てられています。ポリシー B のウェイトは 2 で、同様に Renovations グループに割り当てられています。ネストレベルは、デフォルトの 4 に設定されています。
George は直接 Renovations グループに属しており、ポリシー A の方がウェイトが高いため、George はポリシー A に割り当てられます。
Fernando のグループは、Renovations グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Fernando はポリシー A に割り当てられます。
Betty のグループは、Renovations グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Betty はポリシー A に割り当てられます。
Samantha のグループは、Renovations グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Samantha はポリシー A に割り当てられます。
Anne のユーザー・グループは、Renovations グループから、定義された制限である 4 レベルを超えてネストされているため、Anne はデフォルト・ポリシーに割り当てられます。
Ted のユーザー・グループも、Renovations グループから、定義された制限である 4 レベルを超えてネストされているため、Ted はデフォルト・ポリシーに割り当てられます。

例 3: ウェイトに関わらず、直接割り当てられたポリシーの方が継承されたポリシーよりも優先される
ポリシー A のウェイトは 2 で、Corporate Communications グループに割り当てられています。ポリシー B のウェイトは 3 で、Renovations グループに割り当てられています。ネストレベルは、デフォルトの 4 に設定されています。
George は直接 Renovations グループに属しているため、George はポリシー A に割り当てられます。
Fernando は直接 Corporate Communications グループに属しており、ポリシー A は直接 Corporate Communications グループに割り当てられているため、Fernando はポリシー A に割り当てられます。
Betty のグループは、Corporate Communications グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Betty はポリシー A に割り当てられます。
Samantha のグループは、Corporate Communications グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Samantha はポリシー A に割り当てられます。
Anne のグループは、Corporate Communications グループから、グループ検索ネスト制限である 4 レベルまでの範囲内にあるため、Anne はポリシー A に割り当てられます。
Ted のユーザー・グループは、Renovations グループと Corporate Communications グループの両方から、定義された制限である 4 レベルを超えてネストされているため、Ted はデフォルト・ポリシーに割り当てられます。
