ローミングユーザーを理解する

複数の Notes® クライアントから Notes® にアクセスするユーザーは、ローミングユーザーになることによって、ドメイン内のすべての Notes® クライアントから、そのユーザー用にカスタマイズされた設定と個人情報に自動的にアクセスできます。

ローミングユーザーがいずれかの Notes® クライアントからログオンすると、管理者によるユーザーアカウントの設定方法に応じて、ローカルファイルシステム、連絡先アプリケーション、Domino® の ID ボールトから、ユーザーの ID ファイルがアクセスされます。
注: ID ファイルをローミングする場合は、Domino® とファイルサーバーのローミングユーザーの両方で、共有ログインと ID ボールトを利用することをお勧めします。ID ボールトが使用可能になる前の方法である連絡先アプリケーション (以前の個人アドレス帳) に ID ファイルを保存するように設定されたローミングユーザーは、Notes® のシングルログオン (NSL) や共有ログイン機能を使用できません。Notes® シングルログオン (NSL) では、ID ボールトはサポートされません。

ローミングユーザーのデータは、ユーザーのクライアントシステムとローミングサーバー (ユーザーのローミング対応ファイルがあります) の間で複製されます。ユーザーのローミング対応ファイルには、連絡先、ブックマーク、ノートブックまたはジャーナル、フィード購読、ローミング対象の Eclipse プラグインデータと設定を格納するローミングデータが含まれます。ユーザーがそれらのファイルで行ったすべての変更はローミングサーバーに複製され、ローミングユーザーはすべての Notes® クライアントで同じデータを利用できます。

Notes® Standard 版クライアント設定の場合、ローミングユーザーは Domino® サーバーのローミングまたはファイルサーバーのローミングのいずれかを利用できます (両方を利用することはできません)。ユーザーを Domino® サーバーローミングユーザーとして登録する場合は、登録プロセスを使用します。ローミング設定ポリシー文書を使用して、ファイルサーバーのローミング用に Notes® Standard 版設定ユーザーを設定します。

ユーザーを Domino® サーバーローミングへアップグレードしたり、Domino サーバーローミングからダウングレードしたりする場合は、Domino® Administration クライアント ([ユーザーとグループ]) で使用可能なローミングツールを使用します。ファイルサーバーローミングへアップグレードしたり、ファイルサーバーローミングからダウングレードしたりする場合は、ポリシーを使用します。特定のクライアントについて、NOTES.INI 設定を使用してローミングユーザー機能のカスタマイズを実行することもできます。関連情報にある、ローミングユーザー機能の無効化と有効化についての技術情報を参照してください。

ローミング・ユーザーの場合、[ファイル] > [セキュリティ] > [ID の切り替え] を選択したり、別の ID に切り替えるロケーション文書を選択したりして、ユーザー ID を切り替えることはお勧めしません。ユーザー ID を切り替えると、ユーザーがローミングからダウングレードされてしまうことがあります。これは、特に切り替えの対象となっている ID が別のローミングユーザーの 1 次 ID ファイルである場合に起こります。複数ユーザーのインストールでは、ローミング用に有効にされた各ユーザー ID に、独自の関連付けられた Windows ログインプロフィールが必要です。