マルチユーザーインストールまたはアップグレード用のカスタムデータディレクトリを指定する
Windows™ または Citrix XenApp での Notes® のマルチユーザーインストールまたはアップグレード時に Notes® カスタムデータディレクトリを設定できます。
このタスクについて
Notes® インストーラと Notes® プログラムにより、マルチユーザーインストール内でのデータディレクトリ (共有ファイル用のデータディレクトリとユーザーファイル用のデータディレクトリ) が指定されます。
このコマンドラインフィーチャーにより、マルチユーザー Notes® クライアントをインストールする管理者は、共通データ (テンプレートなど) と後続の各ユーザーの個人用データ (連絡先、ブックマーク、notes.ini など) が配置される場所を指定できます。通常のマルチユーザーインストールでは、これらの配置先のパスは C:\Documents and Settings になります。
このコマンドラインオプションを使用すると、MSI プロパティを使用する Notes® のインストールコマンドラインや MSI 変換ファイルから、共有データディレクトリやユーザー固有のデータディレクトリを一意に指定することができます。
マルチユーザーインストールまたはアップグレードでカスタムデータディレクトリを指定するためのコマンドラインオプションは、次のとおりです。
- MULTIUSERBASEDIR
ユーザーデータファイルのルートを指定します。レジストリの DataPath に対応します。
このオプションは、環境変数の拡張をサポートします。たとえば、ユーザー固有の場所を指定する場合は、
!USERNAME!
変数を使用します。より一般的に使用される
&
文字ではなく、!
文字を使用します。 - MULTIUSERCOMMONDIR
共有データファイル (テンプレートなど) のルートを指定します。レジストリの CommonDataPath に対応します。
このオプションも、環境変数の拡張をサポートします。
注: CommonDataPath は、この機能用に作成された新しいレジストリキーです。この機能を使用しない場合は、作成されません。 - CITRIX=1
32 ビットまたは 64 ビットの Windows™ 2003 または Windows™ 2008 サーバーに対応した Citrix でのインストールを指定します。
マルチユーザーインストールまたはアップグレードを実行する際に Notes® のカスタムデータディレクトリを設定する場合は、Notes® インストールキットとともに次のコマンドラインを使用します。
setup.exe /v"SETMULTIUSER=1 MULTIUSERBASEDIR=C:\LocalAppDataUsers\!USERNAME!MULTIUSERCOMMONDIR=C:\LocalAppDataCommon"
共有の notes.ini ファイルが MULTIUSERCOMMONDIR で指定されたディレクトリに作成され、ユーザー固有の notes.ini ファイルのコピーが MULTIUSERBASEDIR で指定されたディレクトリに作成されます。notes.ini の展開パスが HKEY_CURRENT_USER レジストリに書き込まれます。
setup /v"/l*v %TEMP%\verbose.log SETMULTIUSER=1 MULTIUSERBASEDIR=Z:\ MULTIUSERCOMMONDIR=\"C:\Documents and Settings\all users\""
クライアントは HCL\Notes\Data\ を、MULTIUSERBASEDIR に指定された値の末尾に自動的に追加します。この例では、Z:\HCL\Notes\data が実際の MULTIUSERBASEDIR パスになります。
Citrix システムにインストールする場合は、追加の CITRIX=1 プロパティも使用する必要があります。
setup.exe /v "SETMULTIUSER=1 CITRIX=1 MULTIUSERBASEDIR=C:\LocalAppDataUsers\!USERNAME!MULTIUSERCOMMONDIR=C:\LocalAppDataCommon"
新しいリリースへのアップグレードまたは特定のリリース内でのデータディレクトリ内容の移動
このタスクについて
この手順を実行すると、Documents and Settings ディレクトリ内に HCL\Notes\Data サブディレクトリが作成され、Documents and Settings\!USERNAME!\notes\data のすべてのデータファイルが新しいフォルダにコピーされます。パス HCL\Notes\Data が MULTIUSERBASEDIR パスに追加され、ユーザーの個人データディレクトリとして使用されます。以前のインストールのデータディレクトリを再利用する場合、そのデータパスが HCL\Notes\Data で終了している必要があります。
手順
- Notes® をアンインストールします。ただし、ユーザーデータやデータディレクトリなどは削除しません。
- 既存のマルチユーザー NOTES.INI ロケーションをレジストリから削除します。
-
以下のコマンドを実行します。
setup.exe /v"SETMULTIUSER=1 MULTIUSERBASEDIR=\"c:\Documents and Settings\!USERNAME!\" MULTIUSERCOMMONDIR=c:\temp\common"
-
レジストリ設定を、次のように変更します。
- MultiUser=1
- DataPath=c:Documents and Settings%USERNAME %
- CommonDataPath=c:tempcommon
- レジストリ内の DataPath と CommonDataPath の値が、コマンドラインの MULTIUSERBASEDIR と MULTIUSERCOMMONDIR にそれぞれ一致していることを確認します。
- 以前の Notes® データディレクトリの内容を、新しいインストールのデータディレクトリに移動します。
- Notes® を起動し、画面の指示に従ってログインします。以上の処理により、Notes® のすべてのユーザーデータが使用できるようになります。