Domino® Diagnostic Probe を開始する

Domino® Diagnostic Probe (DDP) は、コマンドプロンプトから開始され、Domino® サーバープロセスではなく、スタンドアロンプロセスとして実行されます。

始める前に

Domino® を搭載した Eclipse OpenJ9 Java を使用する必要があります。この調査は、SUN Java ではサポートされません。

注意: この調査の実行中に Domino® サーバーを再起動しないでください。この調査をシャットダウンした後で、Domino® サーバーを再起動してください。そうでないと、シャットダウン中に特定の Domino® プロセスがハングする可能性があります。(ハングしたプロセスは最終的にクリーンアップされ、NSD が作成されます。)

このタスクについて

この調査では、Domino® サーバーの ID を使用して、セッションと -database [-d] パラメータで指定されたデータベースを、-polling [-p] パラメータのポーリングの頻度で指定された n 秒ごとに開こうとします。この調査がデータベースを開くのに要する時間が -threshold [-t] パラメータで指定された時間を超えると、NSD プログラムが起動されて診断データを収集します。NSD ログファイルが domino_data_directory\IBM_TECHNICAL_SUPPORT ディレクトリで生成されます。この調査には、以下の手順の中の表に示したオプションのパラメータも指定できます。

手順

  1. 調査を使用してモニターする各データベースについて、そのデータベースを開き、[ファイル] > [アプリケーション] > [アクセス制御] を選択します。
  2. [アクセス制御リスト] で、Domino® サーバー名を追加した後ハイライトして、[属性][種類][指定なし] に変更します。アクセス制御リストを保存します。
  3. Windows または UNIX 上で調査を実行する場合は、デフォルトで調査がインストールされる Domino® プログラムディレクトリに、dbopen.jar が存在していることを確認します。
  4. コマンドプロンプトから、サーバーの NOTES.INI があるディレクトリ (通常、UNIX の場合はデータディレクトリ、Windows の場合はプログラムディレクトリ) に切り替えます。コマンドプロンプトで、次の表に示す構文例を使用して調査を開始します。
    1. Windows および UNIX 上での Domino® Diagnostic Probe のコマンド
    プラットフォーム コマンド構文
    Windows jvm\bin\java -jar dbopen.jar -d mail\domprobe.nsf -t 3 -p 30 -nsdoptions "-nomemcheck" -outfile C:\Domino\data\IBM_TECHNICAL_SUPPORT\DomPerfMon.txt
    注: Windows 2008 を使用する場合は、jvm/bin/java.exe のファイルプロパティの [互換性] タブで、[管理者としてこのプログラムを実行する] を設定してください。
    UNIX (データディレクトリ) /opt/ibm/lotus/bin/java -jar /opt/ibm/lotus/bin/dbopen.jar -d mail/domprobe.nsf -t 3 -polling 45 -nsdoptions "-stacks" -outfile domperfmon.log
    注: UNIXIBM® i プラットフォームのコマンド例では、大文字と小文字が区別されます。調査では、名前でサーバーに接続します。
  5. IBM i で調査を実行するには、次の手順で QShell (STRQSH) を使用します。
    注: UNIXIBM® i プラットフォームのコマンド例では、大文字と小文字が区別されます。調査では、名前でサーバーに接続します。IBM® i では、「TCP/IP の構成 (CFGTCP) (Configure TCP/IP (CFGTCP))」コマンドを使用し、「TCP/IP ホストテーブルエントリーの処理 (Work with TCP/IP host table entries)」(オプション 10) を選択してホストテーブルを表示します。必要な場合は、「TCP/IP ホスト・テーブルエントリの追加 (ADDTCPHTE) (Add TCP/IP Host Table Entry (ADDTCPHTE))」を使用して、サーバー名と IP@ をホストテーブルに追加します。
    1. 次の RUNDOMCMD コマンドを使用して、QShell を開始します。servernameDomino® サーバーの名前に置き換えてください。 RUNDOMCMD SERVER(servername) CMD(STRQSH) BATCH(*NO)
    2. サーバーのデータディレクトリに移動します (例: cd /domino/data)。
    3. 次のコマンドを使用して (1 行に入力します)、調査を開始します。filename.nsf を、評価対象となるデータベースのファイル名に置き換えてください。 /QOpenSys/usr/bin/java -Djava.library.path=/QIBM/ProdData/LOTUS/domino100001 -jar /QIBM/ProdData/LOTUS/domino100001/dbopen.jar -database mail/filename.nsf
  6. オプション: 調査のオプションのパラメータを必要に応じて指定します。次の表に示す、-database [-d] パラメータを除くすべてのパラメータは、オプションのパラメータです。
    2. Domino® Diagnostic Probe ユーティリティのオプション
    パラメーター デフォルト 目的
    -database [-d] (必須) なし 開くデータベース。例: mail/test.nsf
    -threshold [-t] 30 データベースを開くのに要する時間がこのしきい値を超えた場合、NSD を実行します。値は秒単位で指定します。
    -polling [-p] 60 データベースを開くためにポーリングする頻度 (秒単位)。
    -nsdoptions すべて NSD に渡すオプション。引用符で囲む必要があります。例: "-nomecheck -stacks"。デフォルトの 「ALL」 を使用すると、次のすべてのコマンドを実行します。DUMP、MEMCHECK、PERF、HANDLES、WALKMEM、PS。

    使用可能なすべての NSD パラメータを表示するには、nsd -help と入力します。

    -outfile なし 指定されたログファイル (例: c:\temp\DDPlog.txt) と表示に出力します。ファイルパスに「スペース」文字が含まれる場合は、ファイル名を二重引用符で囲む必要があります。パスを指定しない場合、ファイルは Domino® プログラムディレクトリ内に作成されます。以降の実行時に既存のログファイルを指定した場合、出力はそのログファイルの末尾に追加されます。
    -help - ヘルプテキストを表示します。

タスクの結果

Domino® サーバーコンソールには、サーバーによって開かれたセッションと閉じられたセッションが表示されます (ポーリングサイクルごとにサーバーによって 1 つのセッションが開かれます。Domino® サーバー上で新しいセッションが開くたびに、前のセッションは閉じます)。調査の出力は、ローカルのコマンドウィンドウとログファイルにも (指定されている場合) 出力されます。データベースを開く時間が指定したしきい値を超えると、NSD が作成されます。NSD が完了すると、NSD の完了とログの再開を示すメッセージが表示されます。

診断調査セッションに対する Domino サーバーコンソールの出力例

07/12/2010 04:45:48 PM  Opened session for vlap2/vTest (Release 8.5.2 [Build 379])
07/12/2010 04:45:48 PM  Closed session for vlap2/vTest Databases accessed:     1   Documents read:     0   Documents written:     0 
07/12/2010 04:45:49 PM  Opened session for vlap2/vTest (Release 8.5.2 [Build 379])
07/12/2010 04:45:49 PM  Closed session for vlap2/vTest Databases accessed:     1   Documents read:     0   Documents written:     0
07/12/2010 04:45:54 PM  Opened session for vlap2/vTest (Release 8.5.2 [Build 379])    
07/12/2010 04:45:54 PM  Closed session for vlap2/vTest Databases accessed:     1   Documents read:     0   Documents written:    0
07/12/2010 04:45:59 PM  Opened session for vlap2/vTest (Release 8.5.2 [Build 379])
07/12/2010 04:45:59 PM  Closed session for vlap2/vTest Databases accessed:     1   Documents read:     0   Documents written:     0
注: 調査がシャットダウンされると、調査のセッションはすべて閉じられます。この調査により次のメッセージが出されると、セッションは終了します。Shut down of probe complete.

DDP セッションに対するコマンドプロンプトのアクティビティ例

[C:\Domino] jvm\bin\java -jar dbopen.jar -d mail\domprobe.nsf -threshold 3 -polling 45 -nsdoptions "-nomemcheck" -outfile C:\Domino\data\IBM_TECHNICAL_SUPPORT\perfmon.txt
11/09/2009 5:46:10 AM Opening database mail\domprobe.nsf has taken 3.001 seconds. This exceeds the set threshold of 3.0 seconds.

DB を開くのにしきい値の 3 秒を超えたため、NSD は即座にキックオフされました。

11/09/2009 5:46:10 AM Running NSD...  

NSD の作成中です。

11/09/2009 5:47:44 AM NSD completed with exit status 0 

NSD が完了しました。

11/09/2009 5:47:45 AM Opening database mail\domprobe.nsf took a total of 4.001 seconds

NSD が完了すると、DDP はデータベースを開くための合計時間を記録します (この場合は 4.001 秒)。NSD は、データベースを開くのが遅れた時点 (3.001 秒の時点) でサーバーの状態を取得しました。

11/09/2009 5:48:33 AM Opening database mail\domprobe.nsf has taken 3.001 seconds. This exceeds the set threshold of 3.0 seconds.
11/09/2009 5:48:33 AM Running NSD...
11/09/2009 5:48:59 AM NSD completed with exit status 0
11/09/2009 5:49:00 AM Opening database mail\domprobe.nsf took a total of 5.354 seconds

この場合、データベースを開くのに 5.354 秒かかりました。

...
Quit

管理者は調査を停止するために quit コマンドを発行しました。調査を停止するには quit を使用する必要があります。

11/09/2009 5:51:42 AM Shut down in progress...

調査のシャットダウンが始まります。

11/09/2009 05:52:18 AM Shut down complete.
 Shut down of probe is complete. It can take several minutes to complete shut down if an NSD is in progress.