トランザクションログを準備する

トランザクションログでは、データベースに加えられた変更がすべて取り込まれ、トランザクションログに書き込まれます。記録されたトランザクションは、リソースが利用可能なときや指定された間隔で、一括してディスクに書き込まれます。

このタスクについて

トランザクションログを計画する際は、次のチェックリストを使用してください。

  • ログファイルの空き容量を割り当てる。パフォーマンスの最適化とデータの整合性を確保する専用のコントローラを備えた、RAID レベル 1 のようなミラーリングされた専用の記憶装置を使用します。
  • バックアップ方針を計画する。増分バックアップを使用して、トランザクションログを毎日アーカイブすることを計画します。データベースの週ごとの完全バックアップを計画します。これにより、メディア不良に備えることができます。
  • トランザクションログを使用するサーバーとデータベースを指定する。サーバーのすべてのデータベースで、トランザクションログを有効にすることを検討してください。
  • Domino® と互換性のあるバックアップユーティリティを選択する。バックアップユーティリティでは、Domino® C API ツールキットのバックアップ方法と復旧方法を利用できなければなりません。
  • ニーズに合ったログ形式を選択する。ログ形式には、アーカイブ、循環、線形があります。
  • Domino® サーバーでトランザクションログを設定する

トランザクションログの形式を比較する

このタスクについて

ログ形式は、循環、アーカイブ、線形の 3 種類から選択できます。選択するログ形式は、ディスクサイズとバックアップ方針にも依存します。

循環ログでは、Domino® で一定量のディスク容量 (最大 4 GB) がトランザクションログのために再利用されます。このディスク容量を使い切ると、Domino® では最も古いトランザクションから順に上書きされていきます。容量がいっぱいになったら、データベースでバックアップを実行します。上書きされる前にデータベースの変更を取り込むには、毎日のバックアップ作業が必要になることもあります。これは、サーバーの使用状況によって異なります。データベースの各完全バックアップで必要なログのサイズが 4 GB 未満である場合は、循環ログを使用します。

線形ログは、4 GB 以上に対応している点を除いて、循環ログと同様です。データベースの各完全バックアップで必要なログのサイズが 4 GB を超えている場合は、線形ログを使用し、アーカイブメディアは使用しません。

アーカイブログでは、必要に応じてログファイルを作成します。アーカイブログを使用するとバックアップと復旧が簡素化され、オンラインでのバックアップや部分的なバックアップが可能になります。このログファイルは、アーカイブするまで上書きされません。アーカイブログでは、必要なときにログエクステントを利用できるように、いっぱいになったログエクステントをバックアップするバックアップユーティリティが必要です。バックアップユーティリティを使用しない場合、サーバーはログエクステントの作成を続行し、ディスク容量がいっぱいになってパニックが発生します。

トランザクションログを Domino® 8.5 以降の形式にアップグレードする

このタスクについて

新しいトランザクションログの形式をアップグレードするように、NOTES.INI パラメータを設定できます。Domino® サーバーのディスクブロックサイズが 512 バイト以外の場合、この形式が便利です。起動時に作成されるアップグレード済みログでは、ブロックが入力と出力用に適切に調整されます。

手順

  1. Domino® サーバーをシャットダウンします。
  2. トランザクションログディレクトリの内容を削除します。
  3. サーバーで、NOTES.INI ファイルのパラメータを次のように設定します。
       Create_R85_Log=1
  4. サーバーを再始動します。