サーバー可用性限界値を選択する
クラスタでワークロードを均衡させる際には、各サーバーでサーバー可用性限界値を設定することが重要なポイントになります。設定したサーバー可用性限界値が高すぎると、不必要なフェイルオーバーが発生することになります。また可用性限界値が低すぎると、パフォーマンスの低下を招き、別のサーバーに切り替えたほうが良好なパフォーマンスが得られることになります。
このタスクについて
次の手順を使用して、サーバー可用性限界値の適正値を決定します。
手順
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負荷が通常の値から大きな値の範囲にある期間では、次の方法のいずれかを使用して、サーバー可用性インデックスを確認します。
- Domino® Administrator または Web サーバー管理クライアントで、目的のサーバーを現在のサーバーにします。次に、 タブをクリックします。統計リストで、[サーバー] を展開します。
- Domino® Administrator のサーバーペインで、[すべてのサーバー] または [クラスタ] のいずれかを展開します。目的のサーバーを右クリックして、[サーバーのプロパティ] を選択してから、[クラスタ] タブをクリックします。
- サーバーコンソールで、「show cluster」と入力します。
- サーバーコンソールで、キーボードから「show stat server」と入力します。注: 次の 2 つの方法を使用する前に、統計レポートを有効にする必要があります。
- Domino® Administrator または Web サーバー管理クライアントで、 タブをクリックします。タスクペインで、 を展開します。結果ペインで、必要なモニタリング結果文書を開きます。
- モニタリング結果データベース (STATREP.NSF) を開いて、 ビューを参照します。
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上で確認した結果を基にして、初期可用性限界値を設定します。この値を設定するときには、次の点に注意してください。
- 確認した使用量の最低 25% の値を指定してください。
- 値を小さくすればするほど、他のサーバーからのフェイルオーバーに対応するための予約容量が増えます。
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他のクラスタ統計を調べて、ワークロードが適切に均衡しているか確認します。次の表に、ワークロードが均衡しているか確認する際に役立つ統計をいくつか示します。
表 1. クラスタ統計 統計名
説明
Server.AvailabilityIndex
サーバー可用性インデックスの現在値。この値の範囲は 0 から 100 までです。0 の値は、サーバーで使用可能なリソースがないことを示します。100 の値は、サーバーが完全に使用可能であることを示します。
Server.ExpansionFactor
現在の拡張係数。この数値は、可用性インデックスの計算に使用します。値 1 は、サーバーがそのサーバーの最短時間でトランザクションを完了していることを示します。64 の値は、トランザクションの完了に最短時間の 64 倍の時間がかかることを意味します。デフォルトでは、拡張係数 64 は、全負荷がかかっているサーバーであることを示し、可用性インデックスが 0 になります。NOTES.INI 設定
Server_Transinfo_Range
を使用して、全負荷がかかっているサーバーを示す拡張係数を変更できます。Show AI サーバーコマンドを使用すると、可用性インデックスの推奨値を取得できます。
Server.Cluster.OpenRedirects.LoadBalance.Successful
ビジー状態のサーバーが、別のクラスタメンバーにクライアントを正常にリダイレクトした回数。
Server.Cluster.OpenRedirects.LoadBalance.Unsuccessful
ビジー状態のサーバーが、別のクラスタメンバーにクライアントをリダイレクトできなかった回数。リダイレクト先のサーバーがビジー状態であるなどで使用できない場合に、サーバーはリダイレクトに失敗します。
Server.Cluster.OpenRequest.ClusterBusy
すべてのクラスタサーバーがビジー状態にあるときに、ビジー状態のサーバーが、クライアント要求のリダイレクトを試行した回数。
Server.Cluster.OpenRequest.LoadBalanced
サーバーがビジー状態にあるときに、ユーザーがそのサーバーのデータベースを開こうとした回数。
これらの統計は、サーバーを起動した時点からの累積です。
- クラスタにある全サーバーについて、これらの統計を比較します。
- ワークロードが均衡していないと思われるサーバーで、サーバー可用性限界値を調整します。