カスタムパスワードポリシー
情報保護やデータの機密性に関する法律には、ID を検証するための安全なパスワードの選択基準として特殊な要件が盛り込まれています。これらの法律をユーザーが遵守できるように、HCLDomino® ではポリシーでパスワードを制限できます。管理者はこの新機能を使用して、企業または政府の一連のセキュリティ要件にほぼ適合するパスワード要件を強制的に適用することができます。
カスタムパスワードポリシーの作成と適用は、セキュリティポリシー設定文書で行います。
カスタムパスワードポリシーにより、管理者はユーザーのパスワードに対して次の条件を制限または禁止することができます。
- パスワードの一部にユーザー名を使用する
- 同じ文字を繰り返す
- 一意な文字
- 次に示すような特殊文字 (句読文字) を使用する:
! " # % & ' ( ) *, . / : ; ? @ [ \ ] _ { }
- 数字、大文字、小文字を混在させる
- パスワードの先頭または末尾に特定タイプの文字を使用する
- 小文字以外の文字の組み合わせ
カスタムパスワードポリシーはすべてのユーザーに適用できますが、最初のログイン時にパスワードの変更を要求することができるのは、登録時にこのポリシーを適用した新規ユーザーだけです。既に登録済みのユーザーは、ポリシーが適用された後にログインしてもパスワードの変更を要求されません。
ポリシーが新規ユーザーに適用された場合、このユーザーは最初の使用時にパスワードを変更するためのダイアログを表示するには、サーバー認証を行わなければなりません。
ユーザーが最初にホームサーバーへの認証を行ったとき、カスタムパスワードポリシーが Notes® ID ファイルにダウンロードされます。ID ファイルに保存されたポリシー設定は、次にユーザーが HCLNotes クライアントにログインしたときにユーザーのパスワードに適用され、ユーザーは最初の使用時にパスワードを変更するよう要求されます。
ユーザーがポリシーに従ってパスワードを変更しない場合、またはパスワードを変更するためのダイアログをキャンセルした場合、ユーザーにはパスワードがポリシー要件に適合していないことを示すエラーメッセージが返され、Notes クライアントはシャットダウンされます。
カスタムパスワードポリシーでは、あまり多くの有効性チェックは行われません。管理者は、どんなパスワードも要件を満たせないようなポリシー (たとえば、最大長さ = 4、最小長さ = 8 ) を作成することも可能です。管理者は、導入するパスワードポリシーが有効で、実装可能であることを確認する必要があります。
制約事項
カスタムパスワードポリシー設定には、次のような機能はありません。
- ランダムなパスワードの生成 (ユーザー登録とユーザーセキュリティのどちらからも) をサポートする
- 複数パスワードによって保護されている ID に適用する
- スマートカードによって保護されている ID に適用する