トラブルシューティング

問題が発生した場合は、該当するログ・ファイルに記載されているメッセージを参照して、問題の原因を特定することができます。ログ・ファイルには、エラーの解決方法が記載されています。

ログ・ファイル

トラブルシューティングの精度を上げるために、エラー報告とエラー処理をより明確に示すことで、ロギングを強化しています。

SCCPlugin.log
SCC ダウンロード・プラグインの実行に関連するダウンロードの結果をリストします。情報量はロギング・レベルによって異なります。
このログの場所は以下のとおりです。
  • Windows システムの場合: %PROGRAM FILES%\BigFix Enterprise\BES Server\DownloadPlugins\SCCProtocol
  • Linux システムの場合: /var/opt/BESServer/DownloadPlugins/SCCProtocol
以下のログ・ファイルが、ディレクトリー /var/opt/BESClient/EDRDeployData のクライアント・フォルダーにあります。
EDR_DeploymentResults.txt
EDR 適用の結果と Zypper 出力が記録されます。このログ・ファイルには、標準リポジトリーと SMT のどちらに対して通常の Zypper プロセスが使用されているかが記録されます。
register-repo.log
SLE カスタム・リポジトリー管理ダッシュボードのリポジトリー登録アクションの実行結果が記録されます。
register-SMT.log
SLE カスタム・リポジトリー管理ダッシュボードの SMT 登録アクションの実行結果が記録されます。
unregister-repo.log
SLE カスタム・リポジトリー管理ダッシュボードのリポジトリー登録解除アクションの実行結果が記録されます。
unregister-SMT.log
SLE カスタム・リポジトリー管理ダッシュボードの SMT 登録解除アクションの実行結果が記録されます。
snapper_rollback.log
「SLE Btrfs スナップショット管理」ダッシュボードで使用できる Btrfs スナップショットのロールバック機能が記録されます。

ダウンロード・プラグインのロギング・レベル

ロギング・レベルは、SCC ダウンロード・プラグインがログ・ファイルに書き込む詳細情報の量を決定します。%PROGRAM FILES%\BigFix Enterprise\BES Server\DownloadPlugins\SCCProtocol\plugin.ini ファイルでロギング・レベルを設定します。

注: ロギング・レベルの値では、大/小文字が区別されます。

以下のロギング・レベルは、ログに記録される情報量が少ない順にリストされています。

ERROR
ダウンロード・プラグインの実行に関連するエラーが出力されます。このようなエラーは、致命的エラーが発生する直前であることを示している場合があります。
WARNING
ダウンロードの失敗と、失敗の理由に関する情報が出力されます。
INFO
ダウンロードの進行状況とダウンロードの成功に関する一般情報が、最小限のトレース情報とともに出力されます。
DEBUG
問題のトラブルシューティングに使用される詳細情報が出力されます。これは、使用可能なレベルの中で最も詳細なレベルです。
注: ロギング・レベルを DEBUG に設定すると、ログに記録する情報の量が増えるため、パフォーマンスに影響が及ぶ可能性があります。ロギング・レベルを DEBUG に上げるのは、問題を調査するときだけにとどめる必要があります。

EDR_DeploymentResults.txt ファイルに記録される一般的な <type> タグのエラー

EDR_DeploymentResults.txt ファイルに記録される最も一般的な <type> タグのエラーを以下に示します。

No solution (noSolution)
このエラーは、対象のパッケージとシステム上の既存のパッケージが競合しているために、要求された対象のパッケージをシステムにインストールできないことを示しています。
Incomplete baseline (incompleteBaseline)
このエラーは、サード・パーティーのパッケージが依存関係を満たしているが、リゾルバーによって認識されていない場合に表示されることがあります。

<type>incompleteBaseline</type> タグが EDR_DeploymentResults.txt ファイル内にあり、<name>name of RPM</name> タグが /var/opt/BESClient/EDR_UnsupportedPackages.txt ファイル内にない場合は、RPM を個別にインストールする必要があります。

ただし、RPM が EDR_DeploymentResults.txt ファイル内に存在する場合は、サポート対象のバージョンにダウングレードする必要があります。EDR_DeploymentResults.txt ファイルの <sanityCheckError> タグを使用して、サポート対象の RPM のバージョンを確認できます。サポート対象バージョンの RPM がインストールされていない場合、システムにパッチを適用することはできません。

Forbidden package list error (packageInForbiddenList)
このエラーは、適用禁止パッケージ・リストに登録されている、ターゲット上のパッケージが原因で発生します。Fixlet を正常に実行するには、適用禁止パッケージ・リストからそのパッケージを削除する必要があります。
Empty solution (EmptySolution)
このエラーは、指定された情報セットを持つソリューションをリゾルバーが検出できなかったことを示しています。たとえば、システム上にインストールされているパッケージや、これからインストールするパッケージなどです。このエラーを解決するには、可能な限り標準のシステム設定にすることをお勧めします。追加のサード・パーティーのソフトウェアをインストールし、基本オペレーティング・システムからパッケージを削除すると、すべての依存関係をリゾルバーで解決するのがさらに難しくなります。代わりに、ネイティブ・ツール・サイトを使用することをお勧めします。

カスタム・リポジトリーがベンダーのミラーではない場合に発生する問題

ベンダー・サイトのミラーではないカスタム・リポジトリーを使用する場合、インストールの中でデフォルトの gpgcheck が行われる可能性があります。そのリポジトリーには GPG 署名ファイルが含まれていない場合があります。それらのファイルは認証性がチェックされず、インストールの失敗の原因となる可能性があります。

この問題を解決するには、必ず「SLE カスタム・リポジトリー管理」ダッシュボードへのエンドポイントの登録時に gpgcheck=0「追加フィールド (Additional Fields)」に追加してください。

ミラー・サーバーに接続できない

ミラー・サーバーに接続できない理由として考えられるものの 1 つに、認証エラーがあります。%PROGRAM FILES%\BigFix Enterprise\BES Server\DownloadPlugins\SCCProtocol (Windows システム) と /var/opt/BESServer/DownloadPlugins/SCCProtocol (Linux システム) に SCCPlugin.log があることを確認します。

認証で問題が発生した場合、以下のログ例に示すように、通常はエラー・コード 401 がログに記録されます。
Searching package details...
URL: https://scc.suse.com/connect/organizations/repositories?page=1 | 
STATUS: 401 Incorrect Login Credentials for 
https://scc.suse.com/connect/organizations/repositories?page=1
Could not find token for authentication to mirror URL.

この問題を解決するには、ダウンロード・プラグインを再構成して、ミラー・サーバーの資格情報 (組織の資格情報) に誤りがないことを確認してください。組織のミラー資格情報は、SUSE Customer Center または Novell カスタマー・センターから入手できます。これらの資格情報は同じです。詳しくは、『ミラー資格情報 (Mirroring Credentials)』を参照してください。

Novell アカウントのロックアウト

アカウント・ロックアウトはよくあることですが、一時的なものです。アカウントからロックアウトされた場合は、Novell サポートに連絡してください。

アカウント・ロックアウトの理由の 1 つとして、資格情報が無効であることが考えられます。必ず、ダウンロード・プラグインの登録または構成時に、Novell から取得したミラー・サーバーの資格情報を使用するようにしてください。ミラー資格情報とは、SUSE Customer Center または Novell カスタマー・センターでリストされる組織の資格情報です。詳しくは、『ミラー資格情報 (Mirroring Credentials)』を参照してください。

カスタム・サイトから Fixlet を適用する際のエラー

Fixlet サイト名は、Fixlet の関連度内でハードコーディングされています。これは、関連度で指定できる値は 1 つだけであるためです。カスタム・サイトから Fixlet を適用すると、その Fixlet が失敗します。これは、その Fixlet が元の Fixlet サイトをまだ参照しているためです。この問題を解決するには、すべての関連サイトを取得できるように、元の Fixlet サイトに対してエンドポイントをサブスクライブする必要があります。

元の Fixlet サイトに対してサブスクライブせずに、カスタムの Fixlet を正常に適用できるようにするには、以下の手順を実行します。
  1. 必要なサイト・ファイルのカスタム・コピーを作成します。
  2. 必要なサイト・ファイルを、カスタム・サイトまたはオンラインでホストします。
  3. カスタムの Fixlet ファイルを適切に変更します。

カスタム・リポジトリーを使用するパッケージのインストールが失敗した

このエラー・メッセージが表示される場合: Install Failure: zypper -n install - Error:

問題をトラブルシューティングするために、以下の手順を検討します。
  1. カスタム・リポジトリーが有効になっていることを確認します。確認するには、「パッチ・サポート」サイトの「カスタム・リポジトリー・サポートの無効化 - SUSE Linux Enterprise」タスク (ID#16) がエンドポイントに関連している必要があります。
  2. エンドポイントには、必要なリポジトリーがなければなりません。確認するには、zypper repos を実行します。
  3. 最新のサイトが集められていることを確認します。
  4. サイトから Fixlet を実行して、アクションが完了したら、以下のログを収集します。
    • クライアント・ログは、/var/opt/BESClient/__BESData/__Global/Logs にあります。
    • EDR_DeploymentResults.txt ログは、/var/opt/BESClient/EDRDeployData にあります。
  5. EDR_DeploymentResults.txt ログ・ファイルに、Zypper コマンドが InstallPackages.sh -f の後の各ストリングをインストールするパッケージと解釈していることが示されている場合、その bc パッケージがエンドポイントにインストールされているかどうか確認します。確認するには、以下のコマンドのいずれかを実行します。
    which bc
    または
    rpm -q bc

欠落した前提条件パッケージ

エンドポイントが必要なユーティリティーと共にインストールされていない場合、パッチ適用の問題が発生する可能性があります。エンドポイントに zlib および zypper パッケージがインストールされていることを確認してください。

SCC ダウンロード・プラグインで発生する可能性のある問題

キャッシュに書き込みを行うための十分な権限がない
症状: SCC ダウンロード・プラグインがパッケージをキャッシュしようとすると、ダウンロード・プラグインのログ (デフォルトでは <BES Server Directory>\DownloadPlugins\SCCProtocol にあります) に以下のメッセージが出力されます。 ERROR : Insufficient permissions to write cache. Please check your plugin cache directory permissions.
原因: ダウンロード・プラグインがリポジトリー・メタデータをキャッシュしようとしているディレクトリーに書き込みを行うための権限が、BigFix サーバー・アカウントにありません。
問題の解決: ダウンロード・プラグインのキャッシュ・ディレクトリーの権限を確認してください。BigFix サーバーのユーザー (Windows では「管理者」、Linux では「root」) が、キャッシュ・ディレクトリーに書き込みを行うための権限を保持していることを確認してください。
キャッシュ・ドライブが存在しない
症状: SCC ダウンロード・プラグインがパッケージをキャッシュしようとすると、ダウンロード・プラグインのログに以下のメッセージが出力されます。 ERROR : Cache device not ready.
原因: ダウンロード・プラグインのキャッシュ・ディレクトリーが、BigFix サーバー上に存在しないドライブを指しています。
問題の解決: plugin.iniファイルを更新して、正しいキャッシュ・パスを指すようにしてください。
キャッシュ・ドライブが満杯
症状: SCC ダウンロード・プラグインがパッケージをキャッシュしようとすると、ダウンロード・プラグインのログに以下のメッセージが出力されます。 ERROR : Insufficient space left on cache device.
原因: キャッシュの書き込み先ドライブが満杯です。
問題の解決: キャッシュ・デバイス上の空きディスク・スペースを増やしてください。
パッケージが見つからない
症状:ダウンロード・プラグイン・ログに ERROR CODE 252: Package is not found in the reposource. というメッセージを出力されます。
原因: このようなエラーが発生する原因には多くのものが考えられます。以下にその一部を示します。
  • Novell がリポジトリーからパッケージを削除した。
  • パッケージが置き換えられた。
  • メタデータに関する問題がエンドポイントにある。
  • サード・パーティー・パッケージの間に相互依存関係がある。
問題の解決: EDR ログ (/var/opt/BESClient/EDRDeployData) とクライアント・ログ (/var/opt/BESClient/__BESData/__Global/Logs) をエンドポイントから取得して、HCL BigFix のサポートに連絡してください。

ネットワーク構成が原因のダウンロード・エラー

プロキシーやファイアウォールなどのネットワーク構成が、SCC ダウンロード・プラグインまたは SCC ダウンロード・キャッシャーがアクセスする URL を通過するトラフィックを妨げることにより、ダウンロードが失敗する場合があります。

そのような問題が発生した場合、以下の構成を確認してください。
  • BigFix サーバーのホワイトリスト (<BigFix server installation>\Mirror Server\Config\DownloadWhitelist.txt) には、次の項目が含まれている必要があります。
    SCCProtocol://.*
  • 以下の URL が、BigFix サーバー、および SCC ダウンロード・キャッシャーを実行しているエンドポイントからアクセス可能でなければなりません。
    • https://scc.suse.com:443
    • https://updates.suse.com:443
    • http://sync.bigfix.com:80

プリフェッチ・プラグインのエラー

アクション・スクリプトの execute prefetch plug-in が含まれる行で失敗した Fixlet でアクションを実行した場合、同じプリフェッチ・プラグインに対するすべてのアクション・スクリプトからのそれ以降の呼び出しが、そのエンドポイントで失敗する可能性があります。スクリプトがブラックリストに登録された可能性があり、プリフェッチ・プラグインがエラーになります。

確認するには、クライアント・ログを調べます。プリフェッチ・プラグインを実行する Fixlet アクションに対して、以下のメッセージのいずれかが見つかります。
execute prefetch plug-in' didn't complete within 300 seconds. Black listing plug-ins 
matching the sha1 hash of 'name of 'bash' until agent is restarted. 
Execute prefetch plug-in attempting to reuse plug-in which took too long earlier. 
この問題を解決するには、以下のアクションを実行します。
  1. BigFix クライアントを再始動して、ブラックリストをクリアします。
  2. _BESClient_ActionManager_PrefetchPlugInTimeoutSeconds クライアント構成設定に、パッチで依存関係をインストールして解決するための十分な時間を設定します。このクライアント設定は、クライアントがスクリプトをブラックリストに登録する前に待機する時間を示します。パッチ・サポート・サイトで使用できる「プリフェッチ・プラグインのタイムアウトの変更 (Change Timeout for Prefetch Plugins)」タスクを使用して、この設定を 30 分 (1800 秒) に設定できます。
    注: _BESClient_ActionManager_PrefetchPlugInTimeoutSeconds 設定は、エンドポイントおよびインストール中の Fixlet によって異なります。最適な値を求めるには、最も遅いエンドポイントで設定を 3,000 秒などの高い値に設定し、大きな Fixlet を実行して所要時間を確認します。その時間に 2 を乗算した値を使用できます。あるいは、推奨値ではうまくいかない場合は、クライアント設定を 600 秒に設定し、適宜調整していきます。

/var を noexec としてマウントした場合のエラー

使用可能なすべての Fixlet は、デフォルトでは、エンドポイント上のパーティションである /var ディレクトリーから直接実行される実行可能ファイルを使用します。/varnoexec オプションを使用して設定されている場合、SCC ダウンロード・プラグインまたはカスタム・リポジトリー・ソリューションのいずれを使用しているかにかかわらず、Fixlet は動作しません。そのため、以下の手順を実行して、/var ディレクトリーが noexec オプションを使用して設定されないようにする必要があります。

  1. クライアント・ログを確認して、プリフェッチ・プラグインから exit code 126 が返されているかどうかを調べます。
  2. root ユーザーとして mount を実行し、現在使用されているマウント・オプションを確認します。
    [root@host ~]# mount
    /dev/mapper/vg_data-lv_root on / type ext4 (rw)
    proc on /proc type proc (rw)
    sysfs on /sys type sysfs (rw)
    devpts on /dev/pts type devpts (rw,gid=5,mode=620)
    tmpfs on /dev/shm type tmpfs (rw) 
    /dev/sda1 on /boot type ext4 (rw,nodev) 
    /dev/mapper/vg_data-lv_var on /var type ext4 (rw,noexec,nosuid,nodev) 
    none on /proc/sys/fs/binfmt_misc type binfmt_misc (rw)
/varnoexec に設定されている場合は、以下のいずれかのアクションを実行する必要があります。
  • noexec マウント・オプションを解除する。
  • /var/opt/BESClientnoexec でない別のパーティションに移動し、そこへのシンボリック・リンクを元の場所に作成する。
  • 「_BESClient_LinuxPatch_executable_directory のパスの設定 (Set the path for _BESClient_LinuxPatch_executable_directory)」Fixlet を実行して、パッチ適用の実行可能ファイルを実行するための代替ディレクトリーを指定します。ディレクトリー・パスは、有効な絶対パス名でなければなりません。使用できるのは英数字、スラッシュ、および下線のみです。

BigFix Patch ダウンロード・プラグインの構成時に Null エラーが発生する

Null エラーを回避するために、BigFix サーバーと BigFix サーバー上の BigFix クライアントは必ず同じバージョンにしてください。このエラーが発生するのは、BigFix サーバー 8. x バージョンと 9.x バージョンが異なる方法で暗号化を処理するためです。Bigfix サーバー上のクライアントのバージョンを使用して BigFix サーバーのバージョンが判別され、Bigfix サーバーと BigFix サーバー上のクライアントのバージョンが同じであると想定されます。

BigFix サーバーと BigFix サーバー上の BigFix クライアントのバージョンが一致することを確認して、ダウンロード・プラグインの構成時に Null エラーが発生しないようにしてください。少なくとも、バージョンは、同じメジャー・バージョン・レベル (たとえば、8. x または 9. x) でなければなりません。

EDR_DeploymentResults .txt レポート・パッケージが見つからない

これは、キャッシュが古くなっており、最新のメタデータが必要であることが原因で発生します。キャッシュは一定の期間が経過すると自動的に消去されますが、キャッシュが自動的に消去される前に新規コンテンツが表示されることがあります。キャッシュを手動でクリアして、問題が修正されたかどうかを確認することができます。

キャッシュは SCC download plugin フォルダー内にあります。バージョン1.1.0.0 以上の SCC ダウンロード・プラグインを使用していて、実行するたびにキャッシュを消去したい場合は、以下の行を追加して plugin.ini ファイルを変更できます。 [Experimental] alwaysClearCache = 1