パーティションサーバーで 1 つの IP アドレスとポートマッピングを設定する
複数のサーバーパーティションで同じ IP アドレスと同じ NIC を共有するよう設定するには、ポートマッピングを使用します。ポートマッピングでは、各サーバーパーティションに一意な TCP ポート番号を割り当て、ポートマッピングを実行するパーティションを 1 つ指定します。ポートマッピングパーティションはポート 1352 上で待機し、HCL Notes® と HCL Domino® の接続要求を他のパーティションにリダイレクトします。
このタスクについて
ポートマッピングパーティションに障害が発生しても、他のパーティション上の既存セッションは接続されたままです。ほとんどの場合、Notes® クライアントは、どのパーティションでも新しいセッションを開始できません。ただし、各 Notes® クライアントでは、ポートマッピングパーティションからのリダイレクトも含めた最新の接続情報をメモリに保存しているため、ポートマッピングパーティションが動作していなくても、クライアントとパーティションの接続は切断されません。IP アドレスと割り当て済みのポートの両方が指定された接続文書があれば、クライアントまたはリモートサーバーは、いつでもポートマッピングパーティションに接続できます。
ポートマッピングパーティションは余分なシステムリソースを必要とするため、そのパーティションはこのタスク専用にすることをお勧めします。そのためには、メール配信や複製など他のすべてのサーバータスクを、パーティションの NOTES.INI ファイルから削除します。
ポートマッピングは、NRPC 通信でのみ機能します。ただし、Domino® ディレクトリのサーバー文書を使用して、IMAP、LDAP、POP3 の各サービスと Domino® Web サーバーがそれぞれ専用のポートを使用して通信を行うよう設定できます。この場合、ユーザーがサーバーに接続する際、そのポート番号を使用できるようにしておく必要があります。
ポートマッピングを設定すると、ポートマッピングパーティションは、NRPC の接続要求を自動的に他のサーバーパーティションに振り分けます。
手順
- ポートマッピングを実行するサーバーパーティションを決めます。
- コンピュータ上の各サーバーパーティションに割り当てる一意な TCP/IP ポート番号を選択します。ポートマッピングパーティションでは、割り当て済みのポート 1352 が使用されます。他のサーバーパーティションには、ポート番号 13520、13521、13522、13523、13524 を使用することをお勧めします。
- ポートマッピングパーティションの NOTES.INI ファイルに、ポートマッピングパーティションと各パーティションの設定をそれぞれ 1 行追加します。ポートマッピングパーティションについては、次のように入力します。
TCPIP_TcpIpAddress=0,IPAddress:1352
TCPIP はポート名、IPAddress はポートマッピングパーティションの IP アドレスです。
他のパーティションについては、それぞれ次のように入力します。
TCPIP_PortMappingNN=CN=server_name/O=org,IPaddress:TCP/IP port number
TCPIP はポート名です。 NN は 00 から 04 までの任意の数字で昇順に割り当てます。 server_name はパーティションのサーバー名、org は組織名、IPAddress は共有 IP アドレスです。TCP/IP port number はパーティションに割り当てられた一意なポート番号です。
注: NN には、00 から始まり最大で 04 までの数字を昇順に割り当ててください。割り当てられている数字が連続していない場合、それ以降のエントリは Domino® に認識されません。 - 他のパーティションの NOTES.INI ファイルに、それぞれ次の設定を追加します。
TCPIP_TcpIpAddress=0, IPAddress:IPport_number
TCPIP はポート名、 IPAddress は共有 IP アドレスです。IPport_number はパーティションサーバーに割り当てられた一意なポート番号です。
- 各パーティションのサーバー文書にある [ネットアドレス] フィールドに、完全修飾ドメイン名 (sales.renovations.com など) または共通サーバー名 (Sales など) を入力します。 タブの
- DNS、NIS、ローカルなホストファイルに、ポートマッピングパーティションに対する IP アドレスのエントリを作成します。
- DNS、NIS、ローカルホストファイルのいずれかに、各パーティション名を別々の CNAME エントリとして追加します。
- IMAP、LDAP、POP3 の各サービスや Web サーバー通信のためにパーティションを設定する場合は、サーバー文書の [TCP/IP ポート番号] フィールドで、各プロトコルに一意なポート番号を割り当てます。 タブにある該当するサブタブ ([Web]、[ディレクトリ]、[メール] など) の 注: ユーザーがサーバーに接続する際、それらのポート番号を使用できるようにしておく必要があります。たとえば、ポート 12080 を Web サーバー renovations.com に割り当てる場合、サーバーに接続するには、ユーザーは URL に renovations.com:12080 を含める必要があります。ただし、接続をこのポート割り当てにリダイレクトできる場合は、この限りではありません。
タスクの結果
次の例では、6 つのパーティションにポートマッピングを設定する場合に、各サーバーパーティションの NOTES.INI ファイルに追加する行を示します。
パーティション 1 (ポートマッピングパーティション)
例
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.94.222.169:1352
TCPIP_PortMapping00=CN=Server2/O=Org2,192.94.222.169:13520
TCPIP_PortMapping01=CN=Server3/O=Org3,192.94.222.169:13521
TCPIP_PortMapping02=CN=Server4/O=Org4,192.94.222.169:13522
TCPIP_PortMapping03=CN=Server5/O=Org5,192.94.222.169:13523
TCPIP_PortMapping04=CN=Server6/O=Org6,192.94.222.169:13524
パーティション 2
例
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.94.222.169:13520
パーティション 3
例
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.94.222.169:13521
パーティション 4
例
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.94.222.169:13522
パーティション 5
例
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.94.222.169:13523
パーティション 6
例
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.94.222.169:13524