サイレント・モードでの HCL AppScan Enterprise のインストール

AppScan Enterprise は、自動でパッケージのインストールや構成を行うようプログラムされた実行可能ファイルのコマンド・ラインを実行することで、操作によって介入することなくサイレント・モードで対象のシステムにインストールできます。サイレント・インストールのプログラムは、事前定義されたコマンド・ラインのパラメーターによってインストール手順を自動的に検証し、実行する非対話式の手法で記述されています。インストールと構成の作業が終わったら、インストール・プロセス中に記録されたインストールのエラー・コードをログ・ファイルで確認できます。

始める前に

  • AppScan Enterprise をサイレント・モードでインストールするには管理者として作業を行う必要があります。
  • アップグレードする AppScan Enterprise Serverで実行中およびモニタリング中のスキャンは、すべて停止させてください。

このタスクについて

このセクションでは、インストール用のコマンド・ラインを使用してサイレント・モードで AppScan Enterprise Serverをインストールまたは最新版にアップグレードする方法を説明します。サイレント・モードでインストールが失敗した場合は、インストール用のコマンド・ラインのパラメーターを修正し、修正版のコマンド・ラインを実行することでインストール・エラーを記録できます。

AppScan Enterprise Serverをインストールまたは最新版にアップグレードするには、次のインストール用コマンド・ラインを使用する必要があります。

C:\AppScan\AppScanEnterpriseServerSetup_10.6.0.exe /s /v"ALLUSERS=1 /qn REBOOT=Suppress

AppScan Enterprise アプリケーションのサイレント・インストールを実行すると、インストール用コマンド・ラインのパラメーター /qn の作用により、インストール・プロセスを一時停止させる可能性があるすべてのユーザー・プロンプト通知が無効化されます。ただし、インストールがうまくいかない場合はコマンド・ラインの /qn パラメーターを /qr に置き換え、修正版のコマンド・ラインを実行してインストール時のエラーを記録してください。AppScan Enterprise アプリケーションのインストールを完了させるには、問題を解消したうえでインストール用コマンド・ラインを再度実行する必要があります。

インストール用コマンド・ラインを次のように修正してから実行することで、サイレント・インストールの失敗の原因となったエラーを記録できます。

C:\AppScan\AppScanEnterpriseServerSetup_10.6.0.exe /s /v"ALLUSERS=1 /qn REBOOT=Suppress

インストール用コマンド・ラインの /qn パラメーターを /qr に置き換えると、修正版のコマンド・ラインを実行した際にサイレント・インストールのエラーを探査します。

手順

  1. AppScan Enterprise Server アプリケーションをインストールまたはアップグレードする際は、サーバーに管理者としてログインします。
  2. インストーラー・パッケージをサーバーのディレクトリー・パスにダウンロードします。
    注: インストーラーのファイル名の形式は AppScanEnterpriseServerSetup_<<version>>.exe のようになります。例えば、AppScan Enterprise バージョン 10.6.0 のインストーラー・パッケージのファイル名は、AppScanEnterpriseServerSetup_10.6.0.exe になります。
  3. インストーラー・パッケージのファイルを C:\AppScan フォルダーにコピーします。
  4. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
  5. コマンド・プロンプトに C:\AppScan\AppScanEnterpriseServerSetup_10.6.0.exe /s /v"ALLUSERS=1 /qn REBOOT=Suppress のコマンド・ラインを入力し、「Enter」キーを押すとインストールがサイレント・モードで実行されます。
    注: インストール用コマンド・ラインを実行すると、/qn パラメーターの作用によってインストールのプロセスで発生する可能性があるインストール・エラーが抑止されます。このシナリオでは、インストールにおける不具合は非通知になっているため、エラー通知は表面上は現れません。
    インストール作業を完了させるには、すべてのエラーを特定し、解消したうえでインストール・プロセスを再度実行する必要があります。
    1. インストール用コマンド・ラインの \qn パラメーターを \qr に置き換え、次のように修正します。
      C:\AppScan\AppScanEnterpriseServerSetup_10.6.0.exe /s /v"ALLUSERS=1 /qr REBOOT=Suppress
    2. 修正版のコマンド・ラインを実行してエラーを確認します。
    3. 修正版のコマンド・ラインによって記録されたエラーを是正します。
  6. ステップ 5 を繰り返します。
    インストールの終了後は、C:\Program Files (x86)\HCL\AppScan Enterprise フォルダーが作成されたことを確認できて初めて AppScan Enterprise のインストールが正常に完了したことになります。

サイレント・モードでの HCL AppScan Enterprise の構成

コマンドを使用すれば、すべての AppScan Enterprise Serverでサイレント・モードで構成ウィザードを実行できます。

始める前に

  • AppScan Enterprise をサイレント・モードでインストールするには管理者として作業を行う必要があります。
  • アップグレードする AppScan Enterprise Serverで実行中およびモニタリング中のスキャンは、すべて停止させてください。

このタスクについて

このセクションではコマンド・ライン・オプションを使用して AppScan Enterprise Serverをサイレント・モードで構成する方法について説明します。
注: AppScan Enterprise V10.0.3 以降では、License Server 構成のサポート対象となるのは HCL ライセンスのみです。HCL ライセンスでサブスクライブされている旧バージョンから AppScan Enterprise v10.0.3 にアップグレードする場合、License Server の構成フェーズで不整合が生じ、インストール・プロセスが途中で終了する可能性があります。そのような場合は担当のサポート・チームにお問い合わせいただき、AppScan Enterprise v10.0.3 のアップグレードについてご相談ください。

手順

  1. 構成を行う AppScan Enterprise Serverに管理者としてログインします。
  2. 設定ウィザードの WFCfgWiz.ini ファイルを AppScan Enterprise Serverにダウンロードします。(ファイルがダウンロードされない場合は、リンクを右クリックして、ファイルをハード・ディスクに保存します。)
  3. WFCfgWiz.ini ファイルをお使いのシステム環境に合わせてカスタマイズします。
  4. WFCfgWiz.ini ファイルを AppScan のインストール・ディレクトリーにコピーします。
  5. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
  6. コマンド・プロンプトに C:\Program Files (x86)\HCL\AppScan Enterprise>WFCfgWiz.exe –silent のコマンド・ラインを入力し、「Enter」キーを押すと構成ウィザードがサイレント・モードで実行されます。
    構成ウィザードのダイアログ・ボックスが表示され、構成プロセスが自動で実行されます。
  7. C:\Program Files (x86)\HCL\AppScan Enterprise\WFCfgWiz に移動し、ログ・ファイルにエラーがなく、正常に構成処理が完了していることを確認します。
  8. 初期化ファイルである Initialization.xml ファイルを AppScan Enterprise Serverにダウンロードします。(ファイルがダウンロードされない場合は、リンクを右クリックして、ファイルをハード・ディスクに保存します。)
  9. Initialization.xml ファイルをお使いのシステム環境に合わせてカスタマイズします。たとえば、デフォルトのインストール・ディレクトリーを指し示していない場合、連絡先とアプリケーション URL の <ホスト名> とファイルパスを変更します。
  10. Initialization.xml ファイルを AppScan のインストール・ディレクトリーにコピーします。
  11. コマンド・プロンプトで C:\Program Files (x86)\HCL\AppScan Enterprise\InitializerCMD.exe ASE Initialization.xml コマンドを実行し、初期化処理を完了させます。

サイレント・モードでの AppScan Enterprise エージェントのインストールと構成

Web サイト・アプリケーションのスキャンおよびテストに使用されるエージェントをインストールまたはアップグレードして構成できます。

始める前に

  • エージェント・サーバーをサイレント・モードでインストールするには管理者として作業を行う必要があります。
  • アップグレードするエージェントで実行中およびモニタリング中のスキャンは、すべて停止させてください。

手順

  1. エージェント・サーバーをインストールまたはアップグレードする際は、サーバーに管理者としてログインします。
  2. インストーラー・パッケージをエージェント・サーバーにダウンロードします。
    注: インストーラーのファイル名の形式は ASE_DASSetup_<<version>>.exe のようになります。例えば、AppScan Enterprise バージョン 10.6.0 のインストーラー・パッケージのファイル名は、ASE_DASSetup_10.6.0.exe になります。
  3. インストーラー・パッケージのファイルを C:\AppScan フォルダーにコピーします。
  4. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
  5. コマンド・プロンプトに C:\AppScan\ ASE_DASSetup_10.6.0.exe /s /v"ALLUSERS=1 /qn REBOOT=Suppress のコマンド・ラインを入力し、「Enter」キーを押すとインストールがサイレント・モードで実行されます。
  6. 設定ウィザードの WFCfgWiz.ini ファイルを AppScan Enterprise Serverにダウンロードします。(ファイルがダウンロードされない場合は、リンクを右クリックして、ファイルをハード・ディスクに保存します。)
  7. WFCfgWiz.ini ファイルをお使いのシステム環境に合わせてカスタマイズします。
    注: エージェント・サーバーのシステム名を更新することで、サーバーのインストールに使用したのと同じ WFCfgWiz.ini ファイルを使用できます。
  8. WFCfgWiz.ini ファイルを AppScan のインストール・ディレクトリーにコピーします。
  9. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
  10. コマンド・プロンプトに C:\Program Files (x86)\HCL\AppScan Enterprise>WFCfgWiz.exe –silent のコマンド・ラインを入力し、「Enter」キーを押すと構成ウィザードがサイレント・モードで実行されます。
    構成ウィザードのダイアログ・ボックスが表示され、構成プロセスが自動で実行されます。
  11. C:\Program Files (x86)\HCL\AppScan Enterprise\WFCfgWiz に移動し、ログ・ファイルにエラーがなく、正常に構成処理が完了していることを確認します。