役割とワークフロー

AppScan 360° SAST のロール

AppScan 360° SAST に関連するアクションは、すべて同じ個人が実行するとは限りません。ただし、同じ個人が実行する場合もあります。AppScan 360° SAST には、会社のポリシーによっては重複する可能性があるロールが 2 つあります。
  • 管理者ロール (Administrator role)

    管理者ロールでは、AppScan 360° SAST をダウンロードして、ユーザーがスキャンするためのコンテナーを配置します。コンテナーの数と機能は、組織で判断します。管理者は、AppScan Central Platform をインストールしてユーザー許可を付与する責任を負う場合もあります。

    本資料のこの箇所に示す内容のほとんどは、AppScan 360° SAST 管理者に適用されます。

  • ユーザー・ロール

    ユーザー・ロールでは、個人が AppScan 360° で (または AppScan Go!Static Analyzer コマンド行ユーティリティー、または DevOps プラグインを使用して) スキャンの実行、スキャン状況の監視、およびスキャン結果の操作を行います。

    ほとんどの場合、AppScan 360° SAST のバックエンドはユーザー・ロールには表示されません。ユーザーはスキャンし、必要に応じて、スキャン結果を操作します。

スキャンの詳細

スキャンは、次の 2 つの主要なステップで構成されています。

  • preparer ステップでは、ソース・コンテンツ (ソース・コード、ビルド成果物など) を処理し、内部表現 (IRX ファイル) を生成します。
  • analyzer ステップでは、内部表現ファイルを評価して、分析による検出結果を含む評価を生成します。

AppScan 360° 静的分析 エージェントへの要求は、両方のステップを順番に実行するか、どちらかを単独で実行して行われます。AppScan 360° 静的分析 エージェントは、指定されたコンテンツのタイプを見分けて、スキャンを完了するために必要なステップを決定します。

  • ソース・コードやビルド成果物を含むアーカイブが AppScan 360° SAST コンテナーに提供されると、スキャンを完了するために prepareranalyzer のステップが呼び出されます。
  • IRX が AppScan 360° にインポートされ、AppScan 360° SAST コンテナーに提供されると、スキャンを完了するために分析ステップのみが呼び出されます。
  • SAClientUtil (CLI) を使用して、IRX をローカルに prepare (生成) できます。次に、ファイルは分析のために AppScan 360° にインポートされます。SAClientUtil は、AppScan 360° からダウンロードできます。

AppScan 360° から AppScan 360° SAST へのスキャン要求は、非同期で処理されます。 AppScan 360° は、スキャン状況を表示し、完了を示します。完了後、ユーザーは以下を実行できます。

  • 結果の取得: 正常に完了したスキャンの結果を取得します。こうした結果は、AppScan 360° で自動的に表示および管理されます。
  • ログの取得: スキャンに関連付けられたログを取得します。この要求は、トラブルシューティングに使用できます。

管理者ワークフロー

AppScan 360° 静的分析 の標準的な管理者ワークフローは、以下のとおりです。
  • AppScan 360° 静的分析 のダウンロード
  • AppScan 360° SAST コンテナーの配置
  • 問題のトラブルシューティング
  • AppScan 360° SAST のアップグレード

ユーザー・ワークフロー

AppScan 360° と組み合わせた場合の AppScan 360° 静的分析 の一般的なユーザー・ワークフローには、以下のようなものがあります。
  • ソース・コードとビルド成果物をスキャンする。
  • IRX をローカルで生成してスキャンする。

ソース・コードとビルド成果物のスキャン

  1. ソース・コードとビルド成果物を含むアーカイブを作成します (該当する場合)。
  2. アーカイブを AppScan 360° にインポートします。
  3. AppScan 360° でスキャンを開始します。
  4. 処理中のスキャンの状況を確認します。状況の応答には、DevOps ビルド・パイプラインでビルド管理がしやすいように、スキャンが完了したときの検出結果に関するメトリック (「高」、「中」、「低」の問題の数) が含まれます。
  5. スキャンが完了したら、AppScan 360° で結果ファイルを開きます。
  6. これらの手順を繰り返して、リソースの可用性の範囲でスキャンを同時に実行します。
ローカルでの IRX の生成と IRX のスキャン
  1. SAClientUtil を実行して IRX を生成します。
  2. IRX を AppScan 360° にインポートします。
  3. AppScan 360° でスキャンを開始します。
  4. 処理中のスキャンの状況を確認します。状況の応答には、DevOps ビルド・パイプラインでビルド管理がしやすいように、スキャンが完了したときの検出結果に関するメトリック (「高」、「中」、「低」の問題の数) が含まれます。
  5. スキャンが完了したら、AppScan 360° で結果ファイルを開きます。
  6. これらの手順を繰り返して、リソースの可用性の範囲でスキャンを同時に実行します。