高位合成メソッド

合成メソッドは、フレームワーク内の拡張データ・フローをモデル化するのに役立つ構成体です。例えば、多数の標準フレームワーク (Struts や Spring など) では、アプリケーションにモデル・ビュー・コントローラー (MVC) アーキテクチャーを奨励しています。MVC 構成では多くの場合、クライアントのフォーム送信が以下のように処理されます。

  1. URL を基に、送信されたフォーム・データを保持するアプリケーションのモデル・クラス M と、ビジネス・ロジックが含まれるコントローラー・クラス C を判別します。
  2. M モデル・オブジェクトを作成し、そのプロパティーを、HTTP 要求に含まれる (信頼できない) フォーム・データに基づいて設定します。一般に、プロパティーは setter JavaBeans (例えば、setName() または setAddress()) によって設定されます。
  3. M オブジェクトに含まれるデータで何らかの検証を行います。
  4. C コントローラー・オブジェクトを作成し、M オブジェクトを、ビジネス・ロジックを実行する C.execute() メソッドに渡します。一般に、execute() によって、結果をレンダリングするビューの名前が返されます。
  5. ビュー名に基づき、表示する適切なビュー・ファイル (例えば、JavaServer Page) を判別します。多くの場合、M オブジェクトに含まれるデータは、要求オブジェクトまたはセッション・オブジェクトの属性を介してビューに渡されます。

以上の機能のすべては、Framework for Frameworks 合成メソッドを使用してモデル化できます。それによって、AppScan® ソース で分析動作を公開することができます。Framework for Frameworks API は、合成メソッドの生成を容易にするために、高位合成メソッドを提供しています。

注: Appscan.SyntheticAppscan.Synthetic.ValidatorAppScan.Synthetic.Replacement から始まるクラス名を持つトレース・ノードは、AppScan® ソース によって合成されたメソッドに相当します。
  • AppScan.Synthetic メソッドは、フレームワークを使用するアプリケーション・コードでトレースを 1 つにまとめるために使用されます。
  • AppScan.Synthetic.Validator メソッドは、フレームワーク・ランタイムが実行する潜在的な検証をモデル化します。バリデーター・メソッドを選択し、必要に応じて Validator としてマーク付けすることができます。
  • AppScan.Synthetic.Replacement メソッドは、フレームワークの分離したコンポーネント間 (コントローラーとビューなど) でのデータ・フローをキャプチャーするために、アプリケーション・コード内のメソッドが AppScan® ソース と置き換えられたことを示します。